江戸城中での刃傷沙汰は江戸時代を通じて何件ぐらい起こったの?

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★歴史★
問題:「殿中でござるぞ」。赤穂浪士にまつわるお話で知られるとおり、江戸城の中では刀は抜いてはいけないことになっています。忠臣蔵の加害者が切腹を命じられたように、殿中で刃傷沙汰を起こせば当人は生きていられません。領地は召し上げられてしまいます。一族郎党は失業。路頭に迷うことになります。
■厳しい罰則があるにもかかわらず、何人かの侍たちは堪忍袋の緒を切ってしまい、遺恨ある人物に一太刀を浴びせたそうです。元禄(げんろく)14年(1701年)に浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)が吉良上野介(きらこうずけのすけ)の額に傷を負わせた事件がいちばん有名です。
■歴史の授業で習うところでは、田沼意次(おきつぐ)の息子意知(おきとも)も、天明(てんめい)4年(1784年)に斬られ、8日後に死亡しているそうです。これをきっかけに反田沼派が勢いをつけ、松平定信(さだのぶ)らが台頭したらしい。
■では、江戸時代260余年のあいだに、殿中での刃傷沙汰は何件ぐらいあったのでしょうか?
[い]2件
[ろ]4件
[は]9件
[に]15件
[ほ]22件
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[は]9件
説明:参考資料*1によれば、全部で9件発生しているらしい。
■江戸時代も中期ぐらいまでは、武士は武士らしかったようです。享保(きょうほう)元年(1716年)9月に成立したという「葉隠」には、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という有名な台詞が記されているそうです。
■でも後期になると、武士道も廃れます。以前、弊クイズでご紹介した変な事件もありました。江戸の北町奉行所内で刀を持った百姓が暴れた事件です。武士と奥方が2人ずつ斬殺されています。助かった武士たちも逃げ惑うばかりであり、下人たちが百姓を取り押さえたそうです*2。殿中刃傷沙汰9件のうち、いちばん最後に起こった事件でも、似たようなぶざまな武士が出てくるそうです。
■文政(ぶんせい)6年(1823年)の4月22日のことだったそうです。西丸御書院番松平外記(げき、忠寛(ただひろ))という旗本が加害者です。剛毅木訥(ごうきぼくとつ)な人物だったらしい。調子がいいだけの同僚の旗本たちとは反りがあわず、つねに摩擦があったようです。
■被害者5人。沼間(ぬま)右京、本多伊織(いおり)、戸田彦之進(ひこのしん)の3人は斬り殺されたようです。間部源十郎(まなべ げんじゅうろう)、神尾五郎三郎(ごろうさぶろう)の2人は負傷したらしい。他にも大勢が負傷しているという話もあります。
■神尾五郎三郎は、抵抗もせずに慌てて逃げ出したらしい。背後から尻を切られたそうです。「武士にあるまじき後傷(うしろきず)」ですね。
■「おのおの方!、狼籍者だ!、出合え!、助けてくれー!」と叫んだようですが、肝心の「おのおの方」はみな逃げ出し、部屋の戸を外から押さえていたらしい。参考資料*1には次のような場面が描かれていました。
---「神尾だ。戸を開けてくれい!、頼む、助けてくれ!」
---「神尾氏、だいじょうぶか、危なくはないか」
■「戸の内外ではおよそ武士らしからぬ情けない問答が続いた」。で、戸を押さえていた連中は手を離すと、後をも見ずに逃げ出したそうです。ひどいのになると縁の下に逃げこんだのがいたとのこと。臆病者の1人は便所に隠れたらしい。夜が更けるまで恐くて出てこられなかったとのこと。事件の吟味が行なわれた際には、「突然に痔が起きまして」といいわけしたそうです。なんじゃ、そりゃ。
■松平外記は、殿中で腹を切って死にました。その父親は職を免じられたとのこと。でも、外記の子の栄太郎が家を相続できたそうです。被害者側はむしろひどい処罰を受けています。免職・改易・家禄の削減、没収などが行なわれたらしい。勝手な憶測を申し上げれば、外記の激情のおかげで綱紀が粛正された。ユルフンだった連中は酷い目にあい、松平外記の家に穏便な取り計らいが行なわれた…のかもしれませんね。
◆参考*1:書籍「大江戸かくれ話事典」初版140~141頁、平田公(ひらた こう)著、ISBN4-7947-0288-4、叢文社
◇*2HP「丸腰の一般人が複数の武士を殺傷する事件。江戸時代にそんなことがあったの?」
http://blog.q-q.jp/201103/article_25.html
◇*3HP「松平忠寛 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B9%B3%E5%A4%96%E8%A8%98

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