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zoom RSS 為永春水(シュンスイ)の失敗続きの人生。海賊版で大作家を激怒させたことがあるの?

<<   作成日時 : 2017/09/02 07:38   >>

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★歴史★
問題:為永春水(シュンスイ)は江戸の後期に活躍した戯作者です。町人の生まれだったようですが、前半生についてはほとんど知られていないようです。
■貸本屋を商売としていたことがあるらしい。書物を包んだ風呂敷を背負い、本を読みながら歩くのが日課だったようです。ある日、読書に熱中しすぎて通行人にぶつかり、激怒されたことがあったらしい。「ちゃんと目を開いて歩け、歩きスマホは危ないぞ」と相手が殴りかかろうとするぐらいだったようです。平謝りに謝ってかろうじて無事に済んだらしい*1。
■商品である本をたくさん読んだので和漢の演義小説に通ずるようになります。演義小説というのは、歴史上の事実に材を取りながら、通俗的に展開させた俗語の小説とのこと。「三国志演義」はその代表なのかな。「数百巻の書籍を暗唱して忘れることがなかった」と参考資料*1にはあります。
■自分はこれで生活ができると考え、講釈師伊東燕晋(エンシン)に弟子入りし、為永正介の名で高座に出たとのこと。「太平記」の一節を語ったらしい。貸本屋さんが講釈師としてデビューしたわけですね。さて、その結果はどうなったでしょうか? 
[い]あまりに下手糞なので、客に座蒲団を投げつけられ、退散した
[ろ]客が1人立ち、2人たちして最後には誰もいなくなってしまった
[は]最前列の客と「太平記」の内容について口論になり、席亭に追い出された
[に]迫真の語りだったので客が誰も動かなくなり、翌日からの長期興行の契約を得た
[ほ]あまりの人気に師匠から嫉妬されて破門になり、やむなく旅興行に出ることになった
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)































★歴史★
正解:[ろ]客が1人立ち、2人たちして最後には誰もいなくなってしまった
説明:「そして誰もいなくなった」。アガサ・クリスティのミステリーのようですね。
■下手の横好きというのでしょうか。高座にあがるのが大好きだったようです。落語家林家正蔵(ショウゾウ)の弟子になったこともあったらしい。
■もちろん高座だけでは食えないので、古本の「せどり」をしたり、貸本屋を続けたりしたらしい。内職しながら芸人で大成しようとしていたわけですね。バイトしながらR-1やM-1を目指す。いまでもそんな若者は少なくないようです。なお、せどりとは、古本業界の用語で「掘り出し物を見つけて高く転売すること」だそうです。
■文化(ブンカ)14年(1817年)ごろ、出版社「青林堂」を開きます。戯作者を志して柳亭種彦(リュウテイ たねひこ)に接近したり、式亭三馬(シキテイサンバ)に師事したりしたらしい。文政(ブンセイ)2年(1819年)ごろには「明烏後正夢(あけがらすのちのまさゆめ?) 初編」を共同で執筆し、少し売れ出したようです。
■共同執筆の相手は青林堂に寄ってくる戯作者志望の若者だったようです。為永連と呼ばれたらしい。文政(ブンセイ)7年(1824年)には年に10点以上の大衆向きの本を出しているようです。また、この年に曲亭馬琴(キョクテイバキン)=「南総里見八犬伝」で知られる著名作家の作品を無断で再版しちゃったらしい。馬琴に激怒されたようです。
■このころの為永春水の生き方はちょっとしっちゃかめっちゃかですね。本の質も低くなり、青林堂は評判を落とします。なんとか盛り返そうとした矢先、文政(ブンセイ)12年(1829年)に青林堂は火災の延焼を受けて無一文になってしまったらしい。青林堂に集まっていた為永連の若者達も去っていきます。
■天保(テンポウ)3年(1832年)、珍しく1人で「春色梅児誉美(シュンショクうめごよみ)」の初編と第2編を書き上げ、出版するとこれが大当たり。江戸の男女の恋愛をテーマにした「人情本」という分野を確立したとのこと。その後は、また集まって来た戯作者志望の若者たちと合作で人情本をいくつか出版していきます。なんとか飯が食えていたのでしょうね。
▼「春色梅児誉美」の一部分
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■天保の改革で規制が強まっていた天保(テンポウ)12年(1841年)の暮れに、人情本の内容が風俗紊乱にあたるとして北町奉行の取り調べを受けます。翌年手鎖50日の刑に処されました。このときの奉行は刺青で有名な遠山景元(かげもと)、いわゆる遠山の金さんだったらしい。
■手鎖の刑がこたえたらしく、深酒に逃げるようになり、さらに強度の神経症を患います。天保(テンポウ)14年(1843年)の暮れに亡くなってしまいました。享年は54だったらしい。失敗やいい加減なやりかたの連続でした。でも、素町人にはなんとなく親しみが持てる人物に見えるのですが。
◆参考*1:書籍「世界人物逸話大事典」初版611頁、朝倉治彦・三浦一郎編、ISBN4-04- 031900 -1、角川書店(口絵はこの本から拝借しています)
◇*2HP「為永春水 - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%BA%E6%B0%B8%E6%98%A5%E6%B0%B4
◇*3HP「人情本・為永春水」
http://blog.bunsei.co.jp/2010/09/27/%E4%BA%BA%E6%83%85%E6%9C%AC%E3%83%BB%E7%82%BA%E6%B0%B8%E6%98%A5%E6%B0%B4/(春色梅児誉美の写真はここから拝借しています)

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