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zoom RSS 江戸時代に流行した謎々、判じ物(はんじもの)。口絵の旧国名はどんなもの?【66】

<<   作成日時 : 2017/07/06 08:01   >>

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★日本語★
問題:判じ物は絵を使った謎々です。18世紀後半から発達した多色刷りの技術を活用し、地名・国名・動植物名・道具名・人名その他、さまざまな物を対象として作られました。
■本日は旧国名の判じ物の8回目です。旧国名とは、武蔵とか相模、尾張とか三河、河内とか摂津といった江戸時代までの地域の呼び名です。今回は東山道です。「トウサンドウ、トウセンドウ」と読みます。本州の内陸部を近江から陸奧国まで貫く行政区分です。現在の東北、関東北部、中部地方、滋賀県などが含まれます。
■例によって幹線道路の名前としても東山道はあったらしい。中山道(なかセンドウ)は知っていましたが、東山道という街道があったのは知りませんでした。第一、名前が良くない。通さない道、通せない道じゃ、困ります。
■国名は当時の首都に近いほうから、近江、美濃、飛騨、信濃、諏訪、上野、下野、磐城、出羽、羽前、羽後、陸前、陸中、陸奧などがあります。今回は、その中から7つの旧国名が答になるクイズです。
■まずは口絵の判じ物で練習しましょう。妖怪なのか幽霊なのかお化けなのか。変な連中が太陽が昇るのを見て逃げ出そうとしています。明け六つなのかな。むつ(六つ)=むつ。陸奧が正解です。
■この絵には小さく「二ツ」と記されています。2つの国名が隠されているのかもしれません。ただし、陸奧以外の旧国名はわかりませんでした。おわかりになった方は面倒でもご一報くださると有り難い。
■陸奧は、大きく見ると青森県、岩手県、宮城県、福島県までを含む地域です。広いですね。藩としてはここに弘前藩とか南部藩とか黒石藩とか仙台藩とか会津藩とかいろいろあったようです。
▼陸奧国
◇*HP「地図 令制国 陸奥国 - 陸奥国 - Wikipedia」(画像)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B8%E5%A5%A5%E5%9B%BD#/media/File:%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E9%99%B8%E5%A5%A5%E5%9B%BD.svg
■「陸奧」の判じ物は、「国尽(くにづくし)はんじもの)」という万延(マンエン)元年(1860年)8月に発表された出版物に収載されたものです。作者は「東海道五十三次」や「江戸名所百景」で知られる初代歌川広重(安藤広重)の娘聟にして弟子、2代目歌川広重です。別名を歌川重宣(しげのぶ)。「江戸名所はんじもの」や「あおものづくしはんじもの」でもご登場願いました*2*3。
■では問題です。下の絵はそれぞれどこの国を示しているのでしょうか?
▼[い]「二ツ」と小さく記されています。鍵になるのは太田道灌も欲しがった雨具のようです
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▼[ろ]上にいる人物は素戔嗚尊(すさのおのみこと)らしい。娘を欲しがった大国主命(おおくにぬしのみこと)に試練を与えます
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▼[は]滝沢馬琴のベストセラー小説「南総里見八犬伝」の登場人物が菜っ葉を抱えています
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▼[に]脛当ては現代のサッカー選手でも昔の武士でも大切な防具らしい
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▼[ほ]女性は男性の袴を着けています。昔の着物は1人では着られなかったのでしょうか
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(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:■[い]武士が雨具の簑(みの)を着ています。昔はこれを「簑を負う」と表現したらしい。おう(負う)+みの(簑)=おうみの≒おうみ。近江が正解です。
□もうひとつの答はみの(美濃)です。
▼[い]近江と美濃
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近江は現在の滋賀県です。琵琶湖の周囲の土地ですね。戦国時代、安土には信長が、長浜には秀吉が築城し、歴史の回転軸になっていた場所のようです。美濃は岐阜県南部地方です。斎藤道三(ドウサン)が国盗りした場所です。尾張と国境を接しています。道三は息子義龍(よしたつ)に敗れて死にます。義龍没後には龍興(たつおき)が家督を継ぐものの、信長に稲葉山城を落とされて逃げ出します。
▼近江国
◇*HP「地図 令制国 近江国 - 近江国 - Wikipedia」(画像)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E6%B1%9F%E5%9B%BD#/media/File:%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E8%BF%91%E6%B1%9F%E5%9B%BD.svg
▼美濃国
◇*HP「地図 令制国 美濃国 - 美濃国 - Wikipedia」(画像)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%8E%E6%BF%83%E5%9B%BD#/media/File:%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E7%BE%8E%E6%BF%83%E5%9B%BD.svg
■[ろ]素戔嗚尊は3つの試練を大国主命に与えます。そのうちの1つが草原に矢を放ち、大国主命に取ってこいと命じ、火をつけてしまうという荒っぽいものでした*2。絵では人足のような人たちが慌てて逃げ出しています。ひだ(火だ!)=ひだ。飛騨が正解です。
▼飛騨
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飛騨は現在の岐阜県北部です。宇宙から飛んでくるニュートリノを観察するカミオカンデはこの地域にあるらしい。我が国の中では比較的地盤が固い場所だという噂です。
▼飛騨国
◇*HP「地図 令制国 飛騨国 - 飛騨国 - Wikipedia」(画像)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9B%E9%A8%A8%E5%9B%BD#/media/File:%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E9%A3%9B%E9%A8%A8%E5%9B%BD.svg
■[は]「南総里見八犬伝」は、文化文政〜天保にかけての大ベストセラーです。幕末の人たちは、貸本などを通じて、物語や登場人物について熟知していたらしい。屋根瓦の上に立っているのは犬塚信乃(しの)という八犬士の1人です。芳流閣という建物の屋根の上で犬飼現八(ゲンパチ)というやはり八犬士の1人と組み討ちをする場面があります。物語中の名場面です。犬塚信乃はなぜか菜っ葉を抱えています。しの(信乃)+な(菜)=しなの。信濃が正解です。
▼信濃
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信濃は現在の長野県と岐阜県の一部を含みます。落語「お血脈(おケチミャク)」でも語られるとおり、本多善光(よしみつ)が阿弥陀ヶ池から一体の小さな仏像を引き上げて信濃に運び、善光寺を開基したとのこと。御柱祭で知られる諏訪大社もあります。古くから信仰の地だったのかな。
▼信濃国
◇*HP「地図 令制国 信濃国 - 信濃国 - Wikipedia」(画像)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E6%BF%83%E5%9B%BD#/media/File:%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E4%BF%A1%E6%BF%83%E5%9B%BD.svg
■[に]脛当てをつけている武士の姿です。当時は甲(こう)とも呼ばれていたらしい。甲を着ける。こう(甲)+つけ(着け)=こうつけ≒こうずけ。上野が正解です。
▼上野(こうずけ)
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上野は現在の群馬県です。上総国や常陸国と同様に親王任国です。実質的な長官は上野介(こうずけのすけ)だったらしい。そういえば吉良上野介なんて人もいましたね。
▼上野国
◇*HP「地図 令制国 上野国 - 上野国 - Wikipedia」(画像)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E9%87%8E%E5%9B%BD#/media/File:%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E4%B8%8A%E9%87%8E%E5%9B%BD.svg
■[ほ]オカミサンなのか女中なのか、男性の裃(かみしも)の着付けを手伝っています。ちょうど袴を着用する場面らしい。袴は下(しも)とも呼ばれます。しも(下)+つけ(着け)=しもつけ。下野が正解です。
▼下野(しもつけ)
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□下野は現在の栃木県です。大昔は下毛野国(しもつけののくに/しもつけのくに)と呼ばれていたらしい。同様に上野も上毛野国(かみつけののくに/かみつけのくに)だったようです。奈良時代には毛の字が取れて上野国(こうずけのくに)、下野国(しもつけのくに)と呼ばれるようになったらしい。「け」はわずかに読みの中にのみ残されているようです。
▼下野国
◇*HP「地図 令制国 下野国 - 下野国 - Wikipedia」(画像)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8B%E9%87%8E%E5%9B%BD#/media/File:%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E4%B8%8B%E9%87%8E%E5%9B%BD.svg
◆参考*1書籍「江戸の判じ絵」初版58〜59頁、岩崎均史(ひとし)著、ISBN4-09-626131-9、小学館
◇*2HP「大国主命(おおくにぬしのみこと)が正妻を娶るとき、相手の親から課された試練とはどんなもの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」(画像)
http://blog.q-q.jp/201509/article_2.html

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