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zoom RSS とても危なっかしい行為をする少年の絵は、どんな書籍に掲載されていたの?

<<   作成日時 : 2017/07/05 09:02   >>

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★歴史★
問題:口絵をご覧下さい。谷を渡る綱が張られています。籠に乗った少年が渡ろうとしています。人力ロープウェイ。この少年は高所恐怖症ではなさそうです。見ているほうが恐い。
■本日のクイズはとても簡単です。この絵がどんな由来の作品かという問題です。選択肢の中から選んで下さい。
[い]土佐派の絵師が描いた大歩危(おおぼけ、峡谷)の風景
[ろ]幕末に日本を訪れたスイス人画家のスケッチ
[は]明治末期の教科書に掲載された長野県の暮らしを伝える図
[に]大正時代の岩手県の観光用絵葉書の図
[ほ]戦前の少年雑誌に掲載された冒険小説の挿絵
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[ろ]幕末に日本を訪れたスイス人画家のスケッチ
説明:この画家の名前は、 エメェ・アンベール(Aime Humbert)といいます。1819年(文政(ブンセイ)2年)に生まれた人物で、文久(ブンキュウ)3年(1863年)、44歳の頃に日瑞(ニッスイ、ニチズイ、日本と瑞西(スイス))修好条約締結のために来日したらしい。エメェ・アンベール氏は、単なる画家ではありません。スイス時計組合長を務め、国会議員をも務めた人のようです。
■余談です。日瑞という表記は、日本とスウェーデン(瑞典)を表わす場合もあるようです。スウェーデンとの間には明治元年(1868年)の11月に大日本国瑞典国条約が結ばれているとのこと。
■閑話休題。ご承知のとおり、安政(アンセイ)5年(1858年)にアメリカの圧力に屈し、日本は開国します。英仏などいわゆる欧米列強も次々と条約を締結し、日本市場に足場を築こうとします。少し遅れてスイスやスウェーデンなどの帝国主義的野心のほとんどない国々も、日本に関心を持ち出したようです。商売の野心は、どの国もおなじということなのかな。
■スイスからの使節団はエメェ・アンベール氏を含めて6人だったそうです。
▼日本に派遣された使節団。中央の椅子にかけているのがエメェ・アンベール氏らしい
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スイスは内陸国ですので海軍とか海運会社を持ちません。エメェ・アンベール氏は事前にオランダに掛け合い、「オランダ政府、蘭領インド及び日本にある外交代表部がスイス使節を全面的に支持すること、すなわち彼らを江戸までオランダ軍艦で送り、かつ、日本・スイス条約が締結されるまでは、日本にあるスイス人を完全な庇護の下におくことを保障する」という協力の約束を取り付けたらしい。エメェ・アンベール氏はなかなかの外交官のようです。
■なお、6人の使節団ではありますが、エメェ・アンベール氏とカスパー・ブレンワルド氏の2人以外は、旅費を自腹でまかなったらしい。財政事情が厳しかったのでしょうか。何か商売のネタを持ち帰らなければ、丸損になりそうです。
■エメェ・アンベール氏は日本に腰をおろしながら条約締結の目的を完遂し、ついでに多くのスケッチとメモを残したそうです。それらをもとに、1870年(明治3年)にパリのアシェットという出版社から「ジャポン・イリュストレー」という書名で発行されているようです。日本では、「絵で見る幕末日本」という書名で翻訳されています*1。
■エメェ・アンベール氏が滞在したころの日本では、外国人が自由に行ける地域は限られていたようです。地方にはまず絶対に行けません。都会でも攘夷の風が吹いていました。文久(ブンキュウ)2年(1862年)には生麦事件が起きています。問題に出した少年の絵は、実際に見て描いたものではなく、伝聞を元にした可能性が高い。その他にも、どうみても想像の絵だろうなというものが少なくありません。でも、そのわりには絵は不思議と生き生きとしています。史料としてはともかく、面白い絵本ではあります。
◆参考*1:書籍「絵で見る幕末日本」文庫初版110頁、エメェ・アンベール著、茂森唯士(ただし)訳、ISBN4-06-159673-X、講談社

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