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zoom RSS 江戸時代に流行した謎々、判じ物(はんじもの)。口絵の旧国名はどんなもの?【62】

<<   作成日時 : 2017/06/08 22:22   >>

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★日本語★
問題:判じ物は絵を使った謎々です。18世紀後半から発達した多色刷りの技術を活用し、地名・国名・動植物名・道具名・人名その他、さまざまな物を対象として作られました。
■本日は旧国名の判じ物の4回目です。旧国名とは、武蔵とか相模、尾張とか三河、河内とか摂津といった江戸時代までの地域の呼び名ですね。今回は山陽道、現在の兵庫から山口にかけての瀬戸内海沿岸諸国の旧国名の判じ物です。登場する旧国名は、播磨・美作(みまさか)・備前・備中・備後・安芸・周防・長門の8ヶ国です。
■まずは口絵の判じ物で練習しましょう。下のほうに小さく「二ツ」とあります。2つの国名を表わしているようです。上のおじさんはちょっとわかりにくい。三つ叉の槍をかついでいます。仏敵を打ち据える護法(ゴホウ、正義を守る)の武器だそうです。左手に持っているのは小さな宝塔らしい。この2つから江戸時代の人なら多聞天、あるいは毘沙門天と呼ばれた仏神だなとピンと来るようです。戦国武将の上杉謙信がやたらとあがめていた神様ですね。上半身だけが描かれています。
■毘沙門天の前には膳と鼠が描かれています。び(毘沙門天)+ぜん(膳)=びぜん。備前が1つの答です。もうひとつの答は、び(毘沙門天)+ちゅう(鼠)=びちゅう≒びっちゅう。備中です。備前は岡山県の東南部、兵庫県赤穂市の一部、それに小豆島などを含む地域だそうです。備前焼という素朴な焼き物を産出する地域です。
■備中は岡山県西部の地域です。秀吉の備中高松城攻めというのがありました。四国の高松ではなく、現岡山市の高松という地域にあった城らしい。
▼備前(青)と備中(赤)
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■「備前」、「備中」の判じ物は、「国尽(くにづくし)はんじもの)」という万延(マンエン)元年(1860年)8月に発表された出版物に収載されたものです。作者は「東海道五十三次」や「江戸名所百景」で知られる初代歌川広重(安藤広重)の娘聟にして弟子、2代目歌川広重です。別名を歌川重宣(しげのぶ)。「江戸名所はんじもの」や「あおものづくしはんじもの」でもご登場願いました*2*3。
■では問題です。下の絵はそれぞれどこの国を示しているのでしょうか?
▼[い]猫が紙を箱に貼ろうとしています。人のような仕草をする猫は魔物に違いありません
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▼[ろ]天狗が簑を裂こうとしています。猫と同じで、判じ物に登場する天狗は魔物です
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▼[は]上の道具は鬢(ビン、側頭部の髪)を整える整髪用具だそうです。鬢道具と呼ばれます。前だけが必要らしい。下は江戸時代の乗物ですね。後ろだけが必要らしい
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▼[に]「三ツ」とあります。答が3つあるようです。主人公があくびをしています。仕事に倦んでいるらしい。主人公が着ているのは素袍(スオウ)と呼ばれる着物です。単衣(ひとえ)仕立ての直垂(ひたたれ)だそうです。主人公の仕事は刀の研ぎ師らしい
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(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:■[い]人のような仕草をする魔性の猫。なぜか内職をしています。はり(張り)+ま(魔物)=はりま。播磨が正解です。
▼[い]播磨
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播磨は現在の兵庫県西部です。
▼播磨の国
◇*HP「播磨国 地図」(画像)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/2/24/%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E6%92%AD%E7%A3%A8%E5%9B%BD.svg
■[ろ]天狗は判じ物では「ま(魔)」です。魔が雨具である簑を裂こうとしています。みの(簑)+ま(魔、天狗)+さく(裂く)=みのまさく≒みまさか。美作が正解です。
▼美作
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美作は、現在の岡山県北東部にあたるらしい。
▼美作の国
◇*HP「美作国 地図」(画像)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/7/7d/%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E7%BE%8E%E4%BD%9C%E5%9B%BD.svg
■[は]鬢道具の前だけと駕籠の後ろだけ。びん(鬢道具)+ご(駕籠)=びんご。備後が正解です。
▼備後
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備後は、現在の広島県の東半分にあたります。
▼備後の国
◇*HP「備後国 地図」(画像)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/e/e9/%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E5%82%99%E5%BE%8C%E5%9B%BD.svg
■[に]答は3つあります。まずおじさんは仕事に飽きているようです。あき(飽き)=あき。安芸が1つ目の正解です。おじさんが着ているのは単衣物、つまり布地1枚でできている素袍(スオウ)というものらしい。江戸時代の武士の礼服だそうです。すおう(素袍)=すおう。周防が2つ目の正解です。
□おじさんの仕事は長い刀を砥石で研ぐことらしい。長い刀は長物と呼ばれます。なが(長物)+と(砥石)=ながと。長門が3つ目の正解です。
▼安芸と周防と長門
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□安芸は現在の広島県西部。周防は山口県の東南半分。長門は山口県の西半分だそうです。
▼安芸(黄)と周防(青)と長門(赤)
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◆参考*1書籍「江戸の判じ絵」初版58〜59頁、岩崎均史(ひとし)著、ISBN4-09-626131-9、小学館

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