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zoom RSS 江戸時代に流行した謎々、判じ物(はんじもの)。口絵の旧国名はどんなもの?【59】

<<   作成日時 : 2017/05/11 16:12   >>

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★日本語★
問題:判じ物は絵を使った謎々です。18世紀後半から発達した多色刷りの技術を活用し、地名・国名・動植物名・道具名・人名その他、さまざまな物を対象として作られました。
■本日からは旧国名の判じ物です。武蔵とか相模、尾張とか三河、河内とか摂津といった江戸時代までの地域の呼び名ですね。本日は北陸道の国が答になっいます。若狭・越前・加賀・能登・越中・越後・佐渡です。
■まずは口絵の判じ物で練習しましょう。この判じ物は「二ツ」という文字があります。旧国名を2つ含んでいるよという断り書きらしい。壮年の男子、おそらくは武士らしき人が下着を身につけようとしています。褌(ふんどし)はいわゆる越中褌ですね。1つの旧国名は越中のようです。越中は「越中富山の薬売り」という決まり文句があるように、現在の富山県ですね。
■もう1つの旧国名は、ある武将の故事に由来するようです。褌を締めているおじさんの足元には弓や盾があります。合戦の準備をしているらしい。おじさんの名前は畠山能登だそうです。合戦の前には下着まで替えたという武将らしい。勝負下着を身につけるなんて、いまどきの妙齢の女子と変わらないな。
■畠山能登の逸話は江戸時代の庶民はみんな知っていたのでしょう。残念ながら、21世紀の現代においては、細かい話はよくわかりません。ともあれ、この絵が示している2つ目の旧国名は能登のようです。能登半島全体を指すらしい。現在では石川県に含まれる地域です。
■「越中」や「能登」の判じ物は、「国尽(くにづくし)はんじもの)」という万延(マンエン)元年(1860年)8月に発表された出版物に収載されたものです。作者は「東海道五十三次」や「江戸名所百景」で知られる初代歌川広重(安藤広重)の娘聟にして弟子、2代目歌川広重です。別名を歌川重宣(しげのぶ)。「江戸名所はんじもの」や「あおものづくしはんじもの」でもご登場願いました*2*3。
■では問題です。下の絵はそれぞれどこの国を示しているのでしょうか? 今回はすべて北陸道の国名です。
▼[い]このおじさんは「仮名手本忠臣蔵」の登場人物。手下の働きで高師直(コウのもろのお)のパワハラから免れます(まぬがれます)。圧力は同役の塩冶判官(エンヤハンガン)に集中します
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▼[ろ]蟹の旨い地方です。善玉の男が掲げている絵には孔明という文字も記されています
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▼[は]林家こん平の出身地です。[は]の絵と趣向が似ています
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▼[に]前田利家が本拠地にした地域です。丸いものは鏡らしい。少し欠けているのかな。
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▼[ほ]この国めがけて草木も靡く(なびく)そうです。上は日本猿、下は虎でしょうか
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(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:■[い]恐らく、江戸時代の人は格好からみて高位の武士と判断し、家紋を確認し、桃井若狭助(わかさのすけ)であると確信を持ったのでしょう。
▼桃井若狭助
◇*HP「桃井若狭之助 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E6%A1%83%E4%BA%95%E8%8B%A5%E7%8B%AD%E4%B9%8B%E5%8A%A9&hl=ja&biw=1280&bih=626&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&sqi=2&ved=0ahUKEwj9gNPczsXSAhUJUbwKHRh8ASgQ_AUIBygC
桃井若狭助は、高師直にいじめられて激怒します。屋敷にもどって、あの野郎、明日ぶった切ってやると加古川本蔵(ホンゾウ)という家老に漏らします。こりゃ大変だぞ。その日の夜、本蔵は賄賂をもって奔走し、高師直のいじめの矛先をかわすことに成功します。本蔵のような世故に長けた(セコにたけた)家来は貴重ですね。
□桃井若狭助への圧力がそれ、同役の塩冶判官にかかります。加古川本蔵のような才覚ある家来が判官にはいなかったのかな。いじめ抜かれ、松の廊下でついに爆発して高師直に斬りかかってしまいます。
▼若狭国
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□若狭国は現在の福井県の西側になります。
▼若狭国
◇*HP「地図 令制国 若狭国 - 若狭国 - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%A5%E7%8B%AD%E5%9B%BD#/media/File:%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E8%8B%A5%E7%8B%AD%E5%9B%BD.svg
■[ろ]の絵に描かれているのは諸葛孔明。ご存知「三国志」に登場する聡明な軍師ですね。ここでは「知」の象徴として扱われています。絵に描かれた孔明(知)を善玉の男が掲げています。え(絵)+ち(知)+ぜん(善)=えちぜん。越前国が正解です。現在の福井県東部ですね。
▼越前国
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▼越前国
◇*HP「地図 令制国 越前国 - 越前国 - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%8A%E5%89%8D%E5%9B%BD#/media/File:%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E8%B6%8A%E5%89%8D%E5%9B%BD.svg
■[は]も絵ですね。描かれているのは稚児(チゴ)です。辞書によれば、「神社・寺院の祭礼・法会(ほうえ)などで、天童に扮して行列に出る男女児」だそうです。「男色の相手となる少年」も稚児だそうです。え(絵)+ちご(稚児)=えちご。越後国が正解です。現在の新潟県ですね。
▼越後国
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□越後国はいまの新潟県から佐渡島を除いた地域です。米どころ、酒どころですね。
□林家たい平の前に笑点の大喜利メンバーだったのが林家こん平です。たい平の師匠らしい。現在は闘病中だそうですが、だいぶよくなってきたという噂も聞きます。多才な人で、「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」の構成作家の1人として務めていたこともあるらしい。早く復帰してほしいものです。新潟県出身です。故郷から米一俵をかついで来て、先代の林家三平のもとに弟子入りを願ったという逸話があります。実際には、米を運んだのは運送屋さん。量も一俵分はなかったと当人が言っているようですが。
■[に]は鏡らしい。少し欠けていますね。かが(鏡)=かが。加賀国が正解です。100万石といわれ、外様大名中最大の国だったらしい。多少の御家騒動はありましたが、明治維新にいたるまで藩を維持しました。能登国と加賀国を足すとほぼ現在の石川県になるようです。
▼加賀国
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▼加賀国
◇*HP「地図 令制国 加賀国 - 加賀国 - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E8%B3%80%E5%9B%BD#/media/File:%E5%9C%B0%E5%9B%B3_%E4%BB%A4%E5%88%B6%E5%9B%BD_%E5%8A%A0%E8%B3%80%E5%9B%BD.svg
■[ほ]は動物が2種類描かれていますがどちらも半分だけ。猿も虎も前だけが必要らしい。後ろは消えています。虎には濁点が付いています。さ(猿)+と(虎)+濁点=さど。佐渡国が正解です。現在の新潟県佐渡島です。
▼佐渡国
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□江戸時代にはたくさんの動物が日本に来ましたが、虎だけはついに来なかったようです。写真のない時代です。虎を描こうとすると、猫から憶測したり、虎の皮の敷物を頭の中で3D化したり、先人の絵を真似したりしたらしい。でも現代のわれわれから見ると、ちょっと「違うよね」という姿になっています。たとえば写生を重視したという圓山應挙(まるやまオウキョ)の虎は下のようなものらしい。
▼圓山應挙の描いた虎の1つ
◇*HP「圓山應挙 虎 - Google 検索」
https://www.google.co.jp/search?q=%E5%9C%93%E5%B1%B1%E6%87%89%E6%8C%99%E3%80%80%E8%99%8E&hl=ja&biw=1280&bih=602&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiW4f-36K_SAhWBTbwKHT7EDj0Q_AUIBygC#imgrc=X1PyUhpIlagj4M:
□獰猛そうに見えません。野性味も感じられません。猫の延長線上みたいですね。
◆参考*1書籍「江戸の判じ絵」初版58〜59頁、岩崎均史(ひとし)著、ISBN4-09-626131-9、小学館
◇*2HP「江戸時代に流行した謎々、判じ物(はんじもの)。口絵の地名はどこを意味しているの?【1】 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201602/article_4.html
◇*3HP「江戸末期に流行した謎々、判じ物(はんじもの)。口絵の野菜はなんという名前なの?【24】 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201607/article_23.html

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