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zoom RSS 江戸時代に流行した謎々、判じ物(はんじもの)。口絵が示すのはどんな食べ物なの?【55】

<<   作成日時 : 2017/04/06 07:46   >>

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★日本語★
問題:判じ物は絵を使った謎々です。18世紀後半から発達した多色刷りの技術を活用し、地名・国名・動植物名・道具名・人名その他、さまざまな物を対象として作られました。
■本日からは「しよく類上戸(ショクルイジョウゴ?)」の判じ物です。食べ物であり、酒のつまみにもなるという意味なのかな。
■まずは口絵の判じ物で練習しましょう。いちばん上にいるのは天神様です。上半分だけのようですね。なぜ菅原道真と特定できる? 着ている物に梅の紋が散りばめてあるのでわかるらしい。参考資料*2によれば、北野天満宮は「梅星」、湯島天神は「梅鉢」、太宰府天満宮は「梅花」など、天神様ゆかりの神社は「梅」の紋所を使っているようです。ただし、天神様本人が梅の紋だったかどうかは不明らしい。
■真ん中にある小さいのは将棋の駒の歩兵(ほへい、ふ)ですね。半濁点がついています。いちばん下はネコ科の大型動物らしい。模様からして虎でしょうね。後ろだけが描かれています。あわせると、てん(天神様)+ふ(歩)+半濁点+ら(虎)=てんぷら。天麩羅(テンプラ)が正解です。江戸時代、天麩羅は串に刺して屋台でも売られていたらしい。歩きながら食べるのに串が必要だったのかな。海老、小鰭(こはだ)、貝など、動物性蛋白の天麩羅が好まれたそうです。
▼串刺しの天麩羅
◇*HP「天ぷら 串 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E5%A4%A9%E3%81%B7%E3%82%89+%E4%B8%B2&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jpowercfg.cplaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwi6oq3nhJHSAhXLpZQKHf_KCD8Q_AUICSgC&biw=1280&bih=626
■「天麩羅」の判じ物は、「しよく類上戸はんじ物」という江戸時代の末期の出版物に収載されたものです。歌川重宣(しげのぶ)という浮世絵師が嘉永(カエイ)2年(1849年)〜嘉永5年(1852年)ごろに発表した作品らしい。
■歌川重宣はすでにご紹介した「江戸名所はんじもの」*4や「あおものづくしはんじもの」*3など、判じ物を多く出版した作家らしい。師匠であり、かつ嫁の父親であるのは「東海道五十三次」や「江戸名所百景」で知られる初代歌川広重らしい*5。浮世絵界の超大物ですね。残念ながら娘夫婦の結婚生活は6年ほどしか続かなかったようです。何かと義父と比較されるのが辛かったのかな。
■では問題です。下の絵はそれぞれどんな食べ物を示しているのでしょうか?
▼[い]海の近くの観光地で食べられます。醤油の焼ける匂いが香ばしいですね
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▼[ろ]最近は日本人の口にもなかなか入りにくくなりました。右側の長いのは尺貫法の物差しです。2種類ありますが和裁に使われるほうです。左の上は琴に使われる部品です。略称が使われています。左の下は今でも使われる台所道具です。下半分だけが描かれています
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▼[は]ある種の食べ物の総称です。頭が太鼓の男が雨の中を駆けだしています。手に握っているのは撥(ばち)ではなく、物差しの半分らしい。
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▼[に]和のお総菜の典型です。おかみさんは足の速い草食動物に似ていますね
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▼[ほ]鎌倉の寺の名に由来する命名の食べ物です。2匹の犬は狆(ちん)らしい
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(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:■[い]お2人はご夫婦のようです。ご亭主が責められています。胸ぐらをつかんでいる細君は頭が壺になっています。勝手な憶測ですが、ご亭主の女遊びがばれちゃったのでしょうね。奥さんは焼き餅を焼いているらしい。つぼ(壺)+やき(焼き餅)=つぼやき。壺焼きが正解です。栄螺(さざえ)の壺焼きが代表選手ですね。
▼[い]壺焼き(つぼやき)
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□6代目三遊亭圓生師に言わせると、「醤油が焦げる匂いは素晴しいけれど、食べてみるとさほど美味い食い物ではない」とのこと。あくまでも個人の感想ではありますが。
▼栄螺(さざえ)の壺焼き
◇*HP「さざえのつぼ焼き - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E3%81%95%E3%81%96%E3%81%88%E3%81%AE%E3%81%A4%E3%81%BC%E7%84%BC%E3%81%8D&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjN8abkk5HSAhUDo5QKHbhfAc4Q_AUICCgB&biw=1280&bih=626&dpr=1.5
■[ろ]尺貫法の物差しには2種類あります。建築関係で使われる曲尺(かねジャク)と和裁などで使われる鯨尺(くじらジャク)です。図の物差しは鯨尺なのでしょうね。琴の部品は琴柱(ことジ)です。略称は「じ」。
▼琴柱
◇*HP「琴柱 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E7%90%B4%E6%9F%B1&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiw-47dlJHSAhVGn5QKHar_DCMQ_AUICCgB&biw=1280&bih=626
琴柱の下にあるのは笊(ざる)です。関西では「いかき」と呼ぶほうが多いのかな。下半分だけです。くじら(鯨尺)+じ(琴柱)+る(笊)=くじらじる。鯨汁(くじらじる)が正解です。
▼鯨汁(くじらじる)
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□最近は鯨料理を出す店が減りました。鯨カツ(げいカツ)は給食でよく口にしました。思い出に喰ってみたいのですが。イルカとかクジラとかを偏愛する連中に怒られそうですけど。
▼鯨カツ
◇*HP「鯨カツ - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E7%90%B4%E6%9F%B1&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiw-47dlJHSAhVGn5QKHar_DCMQ_AUICCgB&biw=1280&bih=626#hl=ja&tbm=isch&q=%E9%AF%A8%E3%82%AB%E3%83%84
■[は]頭が太鼓になっている人が、物差しの半分を握って雨の中を駆け出す図。太鼓は音から「どん」と解釈します。どん(太鼓)+ふり(雨降り)+もの(物差し)=どんふりもの≒どんぶりもの。丼物(どんぶりもの)が正解です。天丼、カツ丼、親子丼。その他に鰻丼、開化丼、他人丼、むじな丼、中華丼など、いろいろありますね。
▼[は]丼物(どんぶりもの)
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■[に]足の速い草食動物とは馬です。このオカミサン、ひょっとしたら馬面(うまづら)で売っていた藤田まことの御先祖かな。とても馬に似ています。うま(馬)+に(似る)=うまに。甘煮(うまに)が正解です。「肉や野菜を、甘く濃い味に煮つけた料理」ですね。
▼[に]甘煮(うまに)
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▼甘煮
◇*HP「甘煮 - Google 検索」
https://www.google.co.jp/search?q=%E7%94%98%E7%85%AE&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjAq93dro7TAhUDbrwKHcW0Dl0Q_AUICCgB&biw=1280&bih=626#spf=1
■[ほ]狆が2匹で遊んでいます。様子をうかがうと、どうも拳(ケン)に興じているらしい。拳(ケン)には紙・石・鋏のじゃんけんだけでなく、藤八拳(トウハチケン、狐拳とも)などもあります。じゃんけんは拳だけの動作ですが、藤八拳では2本の腕と上半身で狐と猟師と庄屋を表現します。2匹の狆はどちらも猟師(鉄砲を持っている姿)を出してあいこだったのかな。けん(藤八拳)+ちん(狆)=けんちん。巻繊汁(ケンチンじる)が正解です。
▼[ほ]巻繊汁(ケンチンじる、建長汁とも)
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□巻繊汁は「つぶした豆腐と千切りにした野菜を油で炒め、澄まし汁仕立てにしたもの」だそうです。鎌倉の建長寺(ケンチョウジ)で誕生したのでそんな名前になったという噂もあります。明治から昭和初期の我が家では、巻繊汁を大量にこしらえて正月三が日に食していたらしい。少しでも女性が楽をできるようにという工夫だったようです。
▼巻繊汁
◇*HP「巻繊汁 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E5%B7%BB%E7%B9%8A%E6%B1%81&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjliaPimpHSAhWBjJQKHRZ9Ct8Q_AUICSgC&biw=1280&bih=626
◆参考*1書籍「江戸の判じ絵」初版58〜59頁、岩崎均史(ひとし)著、ISBN4-09-626131-9、小学館
◇*2HP「家紋の由来とデータ | 梅 うめ」
http://kamondb.com/plant/ume.html
◇*3HP「江戸末期に流行した謎々、判じ物(はんじもの)。口絵の野菜はなんという名前なの?【24】 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201607/article_23.html
◇*4HP「江戸時代に流行した謎々、判じ物(はんじもの)。口絵の地名はどこを意味しているの?【1】 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201602/article_4.html
◇*5HP「歌川広重の「江戸名所百景」に描かれた風景。現在のどこの町なの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201503/article_9.html

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