●●●●★科学★●● 問題:ウッド合金(ウッドメタル)と呼ばれる材料があるそうです。メタルウッドではありません。ゴルフは無関係。文科系の方、物を作らない方にはまるで無縁の物質らしい。素町人も日曜大工は好きですが、つい最近まで見たこともありませんでした。これはどんな特徴をもった材料なのでしょうか? [い]インゴット(鋳塊(チュウカイ))の形にすると表面に木目状の模様が浮き出る合金 [ろ]植物性のセルロースを強化剤として含ませた合金 [は]木材のように空気中の水分を吸収したり排出したりする性質を持つ合金 [に]比重が欅(けやき)と同じで0.7、水に浮く合金 [ほ]融点が100度C以下で加工しやすい合金 (答えはずっと下↓ スクロールして下さい) ●●●●★科学★●● 正解:[ほ]融点が100度C以下で加工しやすい合金 説明:ウッド合金は、ウッドメタルとも呼ばれます。マサチューセッツ工科大学のウッド博士という人物が開発したそうです。「木」とは無関係らしい。自己主張の強い西洋人っぽい命名です。 ■ビスマス50%、鉛26.7%、錫13.3%、カドミウム10%の合金とのこと。融点は70度Cという低さらしい。YouTubeにもウッド合金の性格を表わした動画がありました。お湯を注ぐと、ビーカーの底にある固体の金属は液体になってしまいます。 ▼ウッド合金 ■ウッド博士のデモンストレーションでは、コーヒーの中にウッド合金で出来た匙を入れて溶かしてしまうという手品風の演技が見られたそうです。たしかに熱いコーヒーなら70度Cより高い温度なのでしょう。ただし、鉛だのカドミウムだのと公害の原因になりそうな物質で構成されています。飲まないほうが無難かもしれません。 ■低融点の半田の材料に使われるそうです。素人には強度が心配ですが。フューズや消防用スプリンクラー(散水器)の感温材料としても用いられるらしい。 ■化学実験の好きな方ならば、自分で作ることもできるようです。参考資料*2には、実際に作った人の体験談がありました。 ■化学実験は面倒臭いという方には、市販もされています*3。鉛やカドミウムなどが含まれない低融点合金もあるらしい。Pb/Cdフリーだと少しお値段が高くなるようですが。 ■ウッド合金の他の低融点合金では、ナトリウムとカリウムの合金が興味深い。融点が20度Cのものや−11度Cのものがよく使われるらしい。後者の場合には、水銀状の液体に見えるようです。水などと接触すると爆発的な反応を引き起こすとのこと。毒劇物取締法により劇物に指定されています。天下御免の暴れん坊らしい。下の動画に、事故を引き起こした際の調査、研究の成果が記録されていました。少し長いのですが、性質がよくわかります。 ▼ナトリウムカリウム合金の爆発危険性の評価 ◆参考*1:HP「ウッドメタル - Wikipedia」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%AB ◇*2HP「ウッド合金」 http://kore.mitene.or.jp/~youkei-m/sentaku/goukin/goukin.htm ◇*3HP「低融点合金 : 材料屋ドットコム, プロ仕様の素材をDIYの世界へお届け」 http://www.zairyo-ya.com/categories/ground-metal_low-melting.html ◇*4HP「ナトリウムカリウム合金 - Wikipedia」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E5%90%88%E9%87%91 ぬけられます→科学雑学クイズ一覧 |
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