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zoom RSS 「乱心」の上での犯罪。江戸時代にはどう裁かれたの?

<<   作成日時 : 2017/03/15 07:03   >>

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★歴史★
問題:時代劇でときどき「乱心」という言葉を耳にします。お殿様がご乱心。血走った目の権力者が段平(だんびら、刀)を振り回している図が連想されます。周囲の者は危なくて近寄れないでしょうね。精神病の発作のことなのかな。気が触れた、気が違ったと言い換えられるのでしょうか。
■間違いと気狂いはどこにでもある、という決まり文句があります。場所を問わないだけでなく、乱心は時間・時代も問わないらしい。当然ながら、江戸時代にも乱心はありました。「仮名手本忠臣蔵」の物語の発端となった塩冶判官(エンヤハンガン)の殿中抜刀事件。実際の事件でいえば浅野内匠頭が吉良上野介に斬りかかった出来事は、乱心の結果と見られています。被害者の吉良上野介も「浅野は乱心した」と証言しているそうです*1。
■もちろん貴賤を問わずに乱心は見られるようです。大名家の当主だけでなく、長屋住まいの町人たちにも乱心が原因の犯罪は起こります。たとえば浅野内匠頭の事件の10年ほど前、元禄(ゲンロク)4年9月14日(1691年11月3日)に神田佐久間町4丁目で起きた殺人事件も乱心が原因とされたらしい。長左衛門所有の長屋に住む次兵衛のカミサンである「ろく」は、朝の六ツ時に母親と生まれたばかりの自分の娘「みつ」を斬り殺してしまったそうです。11月3日の江戸、つまり東京での日の出(六ツ時)は6時5分ごろらしい。朝っぱらからとんでもない悲劇が起きたようです。
■もちろん刑事事件として裁判が開かれ、判決が出ました。では、このときの判決は次のどれだったのでしょうか?
[い]死刑相当の犯罪ではあるが、狂気ゆえとのことで夫婦揃って江戸所払いに処された
[ろ]死刑相当の犯罪ではあるが、狂気ゆえとのことで当人のみ終身刑に処された
[は]気狂いということで罰一等を減じられ島流しの刑に処された
[に]乱心ゆえの犯罪とはいえ、尊属(母親)殺しは重罪なので斬首刑に処された
[ほ]当人は磔(はりつけ)。息子も連座して斬首のうえ獄門(さらし首)に処された
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[ほ]当人は磔(はりつけ)。息子も連座して斬首のうえ獄門(さらし首)に処された
説明:江戸時代においても、乱心の場合は罰一等を減ずるという措置がとられることはあったらしい*1。でも、江戸時代の犯科帳「御仕置裁許帳(おしおきサイキョチョウ)」の判例によれば、「ろく」の場合は、厳しく裁かれてしまったようです。なぜかご亭主のほうは裁かれず、加害者と息子太郎市(タロいち?)が厳罰に処されたらしい。元禄(ゲンロク)4年11月10日(1691年12月29日)、浅草で処刑されたそうです*1。
■下手人(ゲシュニン)という言葉があります。みずから手を下して人を殺した者の呼称です。江戸時代には武士以外の人殺しに科せられた刑罰の名前でもありました。お金のからまない殺人、乱心による殺人、あるいは殺人教唆などに対して科されたらしい。母と娘を殺した「ろく」も下手人に該当したのかな。
■余談です。現代では気狂いの犯罪は大目に見られることが多いようです。心神喪失、刑事責任能力なしとなれば無罪。心神耗弱(コウジャク)、刑事責任能力は部分的にありとなれば罪一等が減じられるらしい。
■そのため、弁護士たちは被告の精神鑑定を求めることがあります。連続女児誘拐殺人の宮崎勤(つとむ)被告の裁判では、3回の精神鑑定が行なわれ、それぞれ異なる結果が出たと言われています*2。精神鑑定って何なのでしょうね。客観性に立脚した自然科学ではないのかな。素人にはわからない世界です。
◆参考*1:書籍「江戸こぼれ話」文庫初版71〜72頁、担当筆者立川昭二(たちかわ ショウジ)、ISBN4-16-721757-0、文藝春秋
◇*2HP「町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200601/article_43.html

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