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zoom RSS 桜の枝を切り落とすのはなぜいけないの?

<<   作成日時 : 2017/02/17 07:53   >>

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★科学★
問題:日本人は、木の皮を剥ぎ(はぎ)、そこになにかしら書きつけるという行為をすることがあります。明治19年(1886年)、夏目漱石が一高の教師だったころ、生徒だった藤村操(みさお)は、「巖頭の感(ガントウのカン)」という厭世観にあふれた詩を木の幹に書き残したらしい。その後、華厳の滝に飛び込み自殺しました。
▼巖頭の感
◇*HP「藤村操 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E8%97%A4%E6%9D%91%E6%93%8D&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjcv8uQuYvQAhXFj5QKHZbBC_sQ_AUICCgB&biw=1280&bih=626#imgrc=LvX6C_Sxg4mixM%3A
■落語の「道灌」では、演者によっては児島高徳(たかのり)の逸話を織り交ぜます。児島さんは鎌倉時代末期の武士です。桜の木の皮を剥ぎ、「天、勾践(コウセン)をむなしうするなかれ。時に范蠡(ハンレイ)なきにしもあらず」と書きつけたらしい。隠岐に流された後醍醐天皇を励ます言葉、自分の覚悟を示す言葉だったようです*3。勾践は昔の中国の越(エツ)の王様です。范蠡という名参謀を得て、ライバルの呉(ゴ)を滅ぼします。児島高徳は自分を范蠡に見立て、後醍醐天皇を勾践に見立てたのでしょうか。
■落語では、隠居からその話を聞いた八っつぁんという植木職人が、悪い悪戯(いたずら)をしやがるねぇと感想を漏らします。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉を引用します。「梅は下枝をおろすってーとね、幹が太るんだけどね、桜はそんな皮なんか剥いた(むいた)日には泣いちゃうからね」。
■たしかに昔から「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉があるようです。では、なぜ桜の木は枝を切ってはいけないのでしょうか?
[い]切り口が木材腐朽菌(モクザイフキュウキン)に冒されやすいから
[ろ]切り口にサルノコシカケという茸が生えやすいから
[は]切り口から出る汁に蔓性の寄生木(やどりぎ)がつきやすいから
[に]光合成が減り、実をつけにくくなるから
[ほ]光合成が減り、花が咲きにくくなるから
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[い]切り口が木材腐朽菌(モクザイフキュウキン)に冒されやすいから
説明:桜の切り口には木材腐朽菌がつきやすいそうです。木材腐朽菌は字面どおり、木を腐らせたり、朽ちさせたりする微生物です。難分解性のリグニン、セルロース、ヘミセルロースといった物質も分解してしまいます。桜の枝の切り口から侵入すると、全体を弱らせてしまいます。人間でいえば傷口から入った細菌のせいで破傷風や敗血症になるようなものかな。木材腐朽菌は、有毒物質であるダイオキシンをも分解する能力があるらしい。その方面での利用が研究されているようです。
■木材腐朽菌は名前からすると破傷風菌などのように細菌の一種であり、病原体なのかなと勘違いしそうです。ホントは茸の仲間だそうです。食材になる茸も多く含まれます。たとえば椎茸、滑子(なめこ)、榎茸(えのきだけ)、舞茸(まいたけ)などなど。みんな木材を腐らせる働きがあるそうです。
■ネズミなどの囓歯(ゲッシ)動物が木の幹や枝を囓る(かじる)とそこから木材腐朽菌が入り込み、木が腐ってしまう。そんな事例があるらしい。でも梅は木材腐朽菌に強いそうです。多少、枝を落としたところで、枯れてしまう可能性は低いようです。
■桜は枝を切り落としてはいけないわけですね。そんな原則に反して、公園の係員が桜の枝を切ったりする風景が冬から早春にかけての時期に見られるかもしれません。これは、天狗巣病(テングすビョウ)という病気にかかった事例だそうです。
▼染井吉野 天狗巣病
◇*HP「天狗巣病 染井吉野 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E8%8F%AF%E5%8E%B3%E3%81%AE%E6%BB%9D%E3%80%80%E8%87%AA%E6%AE%BA%E3%80%80%E8%97%A4%E6%9D%91%E6%93%8D&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&biw=1280&bih=626&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjItfntuIvQAhWDV7wKHTh8BaoQ_AUIBigB#hl=ja&tbm=isch&q=%E5%A4%A9%E7%8B%97%E5%B7%A3%E7%97%85%E3%80%80%E6%9F%93%E4%BA%95%E5%90%89%E9%87%8E&imgrc=31p1bfdsnAjAUM%3A
■天狗巣病にかかると、花がつかない小枝が群生します。鳥の巣のようになるらしい。昔の人はこれを天狗の巣になぞらえたのかな。天狗巣病にかかった枝は年々太くなり、枝の数もどんどん増えるそうです。そのうち、幹を切らねばならなくなるらしい。
■染井吉野(そめいよしの)がとくに天狗巣病に弱いそうです。植物の癌のようなものとのこと。早期発見、早期切除が大事らしい。「切除時期は病巣が見つけやすく、病原菌の胞子が飛び散る前の冬から早春が理想的」とのこと。地方によって異なるでしょうが、東京では今頃でしょうか。枝を切った切り口には、腐れを防ぐ薬剤を塗布するそうです。人間ならヨードチンキやエタノールで消毒しているところかな。
◆参考*1:書籍「森林の100不思議」初版150〜151頁、日本林業技術協会編、 ISBN4-487-75198-5、東京書籍
◇*2HP「戦前の決まり文句。「天勾践(こうせん)をむなしうするなかれ」。どんな意味なの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201504/article_20.html
◇*3HP「てんぐ巣病 - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A6%E3%82%93%E3%81%90%E5%B7%A3%E7%97%85
◇*4HP「木材腐朽菌 - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E6%9D%90%E8%85%90%E6%9C%BD%E8%8F%8C

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