町人思案橋・クイズ集

アクセスカウンタ

zoom RSS 交ぜ書き表記を駆除する問題。風ぼう(フウボウ)は正しくはどう書くの?

<<   作成日時 : 2016/12/19 09:23   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

画像
★日本語★
問題:交ぜ書き(混ぜ書き)表記とは、本来漢字だけで表記すべき熟語を、ひらがなを交ぜて書くことです。発生した原因と弊害については、すでに何度も触れているので、そちらをご覧下さい。
◇*HP「交ぜ書き表記の問題。「がい骨」は正しくはどう書くの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」(交ぜ書き表記が発生した原因と弊害1)
http://blog.q-q.jp/201403/article_14.html
◇*HP「漢字混ぜ書き表記の熟語。「こん身の力作」の「こん身」ってホントはどう書くの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」(交ぜ書き表記が発生した原因と弊害2)
http://blog.q-q.jp/200905/article_12.html
■題の問題の答は「風貌」です。「姿・態度など人の外から見た様子」です。「風采(フウサイ)と容貌」の省略形かな。
■「貌」という漢字は平成22年(2010年)に常用漢字表に追加されました。「ボウ」というという音読みだけが掲載されています。漢和辞典「字通」によれば「ボウ、かたち、かお、すがた、あらわれる」という字音・字訓があります。「皃」という漢字の異体字らしい。読みと意味は同じで形だけ違うようです。「皃」という漢字は象形文字であり、白の部分は人間の顔を表わしているそうです。
▼説文解字(セツモンカイジ、中国最古の部首別漢字字書)の皃
画像

■古い「皃」を旁(つくり)とし、豸(むじな)と呼ばれる偏をつけたのが「貌」ですね。美貌(ビボウ)という熟語を作ります。なお、「豸」を省略形にすると「犭(けものへん)」になるそうです。猫とか狸とか狐などで使われていますね。
■なお、豸偏は、「動物の種類と機敏な動作に関する文字を作る」とのこと。貂(テン)とか豹(ヒョウ)などの動物名で使われます。たしかに猫の仲間の動物たちは動作が機敏ですね。その他に、開墾の「墾」や懇談会の「懇」にも使われています。こちらは機敏な動作は無関係な気もしますけど。
■では本題です。日本語の害虫、交ぜ書き表記を駆除する作業に立ち会っていただきましょう。次の交ぜ書き表記を正しく書き直してください。
[い]不安を払しょくしきれなかったの「払しょく」
[ろ]日本海と太平洋の分水れいになっているの「分水れい」
[は]憤まんやるかたなしの「憤まん」
[に]ここからは平たんな道だの「平たん」
[ほ]へき地の学校に赴任したの「へき地」
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]不安を払しょくしきれなかったの「払しょく」は払拭と書く
■払拭は「はらいぬぐい去ること」です。
□「拭」という漢字は平成22年(2010年)に常用漢字表に追加されました。「ショク、ふく、ぬぐう」というという音読み・訓読みがあります。漢和辞書「字通」には「きよめる」という字訓も掲載されていました。
□清拭(セイシキ)という熟語を造ります。身体を濡れタオル等で拭いて清潔を保つことらしい。ケアマネージャさんだったか、介護ヘルパーさんだったか、この言葉を初めて聞いたときには、ピンと来ませんでしたね。意味を尋ねてようやく理解しました。
[ろ]日本海と太平洋の分水れいになっているの「分水れい」は分水嶺と書く
■分水嶺は「雨水が異なる水系に分かれる場所」だそうです。転じて「運命の分かれ道」という意味でも使われます。「嶺」というから山の頂上だけかと思ったら、平地にも分水嶺はあるようですね。
▼分水嶺
◇*HP「分水嶺 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E5%88%86%E6%B0%B4%E5%B6%BA&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwj11Mmsj7_MAhWjJKYKHd9gBvQQ_AUIBygB&biw=1280&bih=602
□「嶺」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「レイ、リョウ(リャウ)、みね、さか、やまなみ」という字音・字訓があります。山嶺(サンレイ)という熟語を造ります。山の峰だそうです。
[は]憤まんやるかたなしの「憤まん」は憤懣と書く
■憤懣は「怒りが発散できずいらいらすること。腹が立ってどうにもがまんできない気持ち」だそうです。
□明治時代の小説などでは、憤懣には「いきどおり」という振り仮名が振られている例があります。たとえば青空文庫の岡本綺堂(キドウ)の「玉藻の前(たまものまえ)」という小説では「…こうした仰々(ギョウギョウ)しい姿にいでたたせた兄忠通の非常識に対して十二分の憤懣(いきどおり)を感じた」とあります。尾崎紅葉(コウヨウ)の「金色夜叉」では、「ここに宮を見たるその驚駭(おどろき)は如何ならん。仇(あだ)に遇(あ)へるその憤懣(いきどほり)は如何ならん」とありました。
□「懣」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「モン、マン、もだえる、いきどおる」という字音・字訓があります。漢字の形からして「心に満ちる」という意味なのでしょうね。怒りが心に満ちている状態、ガス抜きができない状態が憤懣のようです。
[に]ここからは平たんな道だの「平たん」は平坦と書く
■平坦は「土地が平らなこと。物事に起伏がなく穏やかなこと」です。日本は山国ですので、平坦な土地はあまり多くありません。北海道あたりにいくと平坦な土地に道路が真っ直ぐ走っている。どこまでも続くような気がする…といった場所があるそうですが。
□「坦」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「タン、たいらか、ひろやか、やすらか」という字音・字訓があります。平坦以外には現在使われるような熟語は見当たりません。
□「担任の教師」などの「担」と字形はとてもよく似ています。「担任」は手偏。「平坦」は土偏の違いだけらしい。漢和辞書「字通」によれば、「担」には、「になう、たすける」といった字訓があるようです。
[ほ]へき地の学校に赴任したの「へき地」は僻地と書く
■僻地は「都会から遠く離れた、辺鄙(ヘンピ)な土地」です。
□「僻」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ヘキ、ヒ、ヘイ 、かたよる、さける、かたほとり、よこしま」という字音・字訓があります。僻易(ヘキエキ)という熟語を造ります。現代では辟易と人偏をはずした表記のほうがよく使われるようですが。
□人偏のない「辟」という漢字は漢和辞書「字通」によれば「刑の一種で腰の肉を切り取ること」らしい。腰斬(ヨウザン)の刑と呼ばれるそうです。罪人は身をくねらせて刃物を避けようとするらしい。「辟」に含まれている部品「口」は、切り取られた腰肉を示しているとのこと。なおWikipediaの腰斬の刑によれば、死刑の一種であり、腰の部分で上半身と下半身を切断してしまう刑とありました。いずれにせよ、血腥い(ちなまぐさい)。中国の刑罰というのは、凌遅刑(リョウチケイ)といい腰斬の刑といい、残忍なものが多いですね*2。
▼金文(青銅器に刻まれた文字)の辟
画像

□余談です。都会と僻地を比べると離婚率は都会のほうが高くなります。なぜでしょうか。片田舎だから。固い仲だから。駄洒落で失礼しました。
◆参考*1:HP「文化庁 | 常用漢字表の内閣告示等について | 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)」
http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf
(pdfファイルを開こうとすると警告が表示されます。文化庁の頁です。ウイルスに感染している可能性はかなり低いと思われますが、自己責任で開いて下さい)
◇*2HP「【★18禁★】フランス人御用達の拷問では水は何リットル飲ませた? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200701/article_59.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「漢字源」藤堂明保、学習研究社◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

ぬけられます→日本語雑学クイズ一覧

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
交ぜ書き表記を駆除する問題。風ぼう(フウボウ)は正しくはどう書くの? 町人思案橋・クイズ集/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる