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zoom RSS 江戸末期に流行した謎々、判じ物(はんじもの)。口絵の果物はなんという名前なの?【29】

<<   作成日時 : 2016/09/08 07:29   >>

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★日本語★
問題:判じ物は絵を使った謎々です。18世紀後半から発達した版画の多色刷りの技術を活用し、地名・国名・動植物名・道具名・人名その他、さまざまな物を対象として作られました。
■本日からは果物、昔風に呼べば水菓子(みずがし)の名前の問題です。まずは口絵の判じ物で練習しましょう。樽に入っている液体は酢と思われます。以前にもご紹介しましたが、丸の中に勘の字らしき商標は、江戸時代では酢の代名詞だったらしい。現代におけるミツカン酢のロゴマークと同等なのでしょうね。
▼洲走(すばしり、鯔(ぼら)の幼魚)を示す判じ物
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▼蓮(はす)の判じ物
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酢が走っているので洲走。歯に酢があるので蓮。同様に酢の脇に烏賊(いか)がいるので、す(酢)+いか(烏賊)=すいか。口絵の問題の正解は西瓜です。
■西瓜の判じ物は、「みずがしかんがえ」という江戸時代の末期の出版物に収載されたものです。2代目歌川国盛(くにもり)という浮世絵師が弘化(こうか)4年(1847年)〜嘉永(かえい)5年(1852年)ごろに発表した作品らしい。この作家は、一宝斎国盛という名前で「さかなのはんじもの」も出版しています。上の洲走なども含んだ判じ物です。
■では本番です。例によって難易度にはバラツキがあります。答はみんな果物、水菓子です。今でも収獲され、家庭や飲食店の食卓に登場するフルーツばかりです。絵とヒントから名前を推理してみましょう。
▼[い]「い」と大書された紙を掲げているのは貴族や寺院に仕えている少年です
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▼[ろ]上に描かれているのは俗に言うおいなりさん、下は金属製の家具の部品です
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▼[は]土を掘り起こす道具と木を削る道具です
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▼[に]4つあるのは菜っ葉らしい
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▼[ほ]将棋の歩と塔に濁点がついています
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(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:■[い]貴族や寺に仕える少年は稚児(ちご)と呼ばれます。い(い)+ちご(稚児)=いちご。苺(いちご)が正解です。
▼苺(いちご)
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□よく耳にしますが、苺の食用になる赤い塊は花托(カタク、あるいは花床(カショウ))と呼ばれる部分だそうです。苺の果実は一見すると種子に見える一粒一粒らしい。その証拠に、苺を放置しておくと、それぞれの果実から芽が出てくることがあるそうです。カビが生えたのと勘違いしそうな、ちょっと気色悪い眺めです。
▼苺から芽が出ている(Wikipediaより)
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■[ろ]上の部分はいわゆる金玉です。略してキンとも呼ばれます。下は鐶(カン)と呼ばれる箪笥(たんす)の抽斗(ひきだし)の引き手金具です。きん(キン)+かん(鐶)=きんかん。金柑が正解です。
▼金柑(きんかん)
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▼金柑の実物
◇*HP「金柑 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E9%87%91%E6%9F%91&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiXuoeWutnLAhUQ8WMKHUa8AhIQ_AUIBygB&biw=1280&bih=626
□金柑はミニ蜜柑です。素町人家ではあまり食卓に並びませんでした。大人になって食べる機会があったとき、なんでこんなに小さくしたんだろうと、余計な感慨が邪魔して旨さがわかりませんでした。虫さされ・痒み止めの薬とおなじ名前ということもあって、現在に至るまでなんとなく疎遠です。でも上の写真を見ると凄く旨そうだな。
■[は]奧に見えるのは農具の鍬(くわ)です。手前は大工道具の鑿(のみ)ですね。くわ(鍬)+のみ(鑿)=くわのみ。桑の実が正解です。
▼桑の実(くわのみ)
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□桑の実は赤っぽく、あるいは黒っぽく房状になるようですね。
▼桑の実の実物
◇*HP「桑の実 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E9%87%91%E6%9F%91&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiXuoeWutnLAhUQ8WMKHUa8AhIQ_AUIBygB&biw=1280&bih=626#hl=ja&tbm=isch&q=%E6%A1%91%E3%81%AE%E5%AE%9F
□桑の実は口に入れたことがないような気がします。スーパーの生鮮食品売場でもあまり見かけません。むしろ江戸時代のほうがよく食べられていたのでしょうか。Wikipediaによると甘くて美味とのこと。
■[に]菜っ葉が4杷(よんわ、4束)あります。な(菜)+し(四)=なし。梨が正解です。
▼梨(なし)
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□素町人が子供のころは長十郎と二十世紀という品種が代表でした。どちらかといえば二十世紀のほうが好きでしたね。最近では幸水(コウスイ)とか豊水(ホウスイ)といった品種も盛んに栽培されているようです。
□犬殺しと呼ばれる梨があるそうです。正徳(しょうとく)2年(1712年)に成立した「和漢三才図絵(ワカンサンサイズエ)」という百科事典で紹介されているらしい。あまりに大きく、重いので、落ちると下を通る犬などは死ぬ場合があるという物騒な果物です。梨は大きいほうが甘くて美味いとも言われます。犬殺しもきっと糖度が高くて美味なのでしょう。
■[ほ]歩に濁点で塔に濁点。ふ(歩)+濁点+とう(塔)+濁点=ぶどう。葡萄が正解です。
▼葡萄(ぶどう)
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□葡萄の甘味はブドウ糖によるものかと思ったら、半分は果糖なんだそうです。なんとなく納得がいきますけど。
□日本では鎌倉時代ぐらいから栽培が始まったらしい。江戸時代には、甲州すなわち山梨は葡萄の栽培が盛んだったらしい。俳人の松尾芭蕉は「勝沼や 馬子も葡萄を 食ひながら」という句を作っているそうです。地元ではきっと安価だったのでしょうね。
◆参考*1:HP「歌川国盛 (2代目) - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%8C%E5%B7%9D%E5%9B%BD%E7%9B%9B_(2%E4%BB%A3%E7%9B%AE)
◇*2書籍「江戸の判じ絵」初版60〜61頁、岩崎均史(ひとし)著、ISBN4-09-626131-9、小学館

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ネタは尽きませんね。
江戸時代相当流行ったんでしょうね。
金柑はうまいですよ。最近は大きい金柑も出てきてますね。
品種改良したんでしょうね。
ねこのひげ
2016/09/11 17:15
コメントをありがとうございます。

 大きな金柑があるというのは知りませんでした。
 おいしければそれでいいのですが、なんとなく本質を失っちゃうような気もしますけど。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2016/09/11 21:49

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