朝からビール。とても楽しいけれど、体調が悪くなる人もいるの?

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★科学★
問題:定年退職した方の中には、いままで出来なかったことをやる人がいるでしょう。たとえば朝から酒を飲む。やってみたかったという人は少なくないはずです。
■もちろんグデングデンになるぐらいに酔えば身体にあまりよくないかもしれません。カロリーの関係、あるいは血管の健康状態の関係で控えねばならない人もいるでしょう。
■でも健康な人でも、朝からビール、あるいはワインなどを呑むと、とても苦しい思いをすることがあるそうです。それは次のうちのどんな趣味を持っている人でしょうか?
[い]家庭菜園
[ろ]ジョギング
[は]ゲートボール
[に]写真の撮影
[ほ]ピアノの練習
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[い]家庭菜園
説明:悠々自適。晴耕雨読。ちょっとした理想の生活ですね。でも、朝早く家庭菜園で一仕事し、家にもどってから酒を飲むと、とんでもなく苦しい思いをすることがあるらしい。
■お酒のアルコールは身体の中で酸化されてアセトアルデヒドになるとのこと。さらに酸化されて酢酸になり、最後は二酸化炭素と水になり、尿として身体から排出されるらしい。
■アセトアルデヒドは二日酔いの原因と言われる物質です。アセトアルデヒドを素速く酸化できる体質の人はお酒に強い人です。逆にアセトアルデヒドの酸化が効率よくできない人、あるいはまったくできない人はいわゆる下戸ですね。
■問題になるのは肥料だそうです。窒素肥料に使われる石灰窒素の主成分は、カルシウムシアナミドという化合物とのこと。この薬品は、アセトアルデヒドを酸化する酵素の強力な阻害剤として働くらしい。家庭菜園などで肥料の撒布をします。カルシウムシアナミドの微細な粉末を吸い込みます。あまり時間をおかずにアルコールを口にすれば、その場で二日酔いのような症状が出て苦しむ可能性があるようです。土いじりをしたあとでビールを飲むなら、テレビのCMではありませんが、アルコールフリーとかノンアルコールとかビールテイスト飲料など記された商品を選ぶほうが賢明なのかな。
■余談です。慢性アルコール依存症になってしまった人を治療するために、以前から使われてきたのは「アンタビュース」という名前のクスリとのこと。アンタビュース(antabuse)は反(anti)+乱用(abuse)という命名とのこと。成分は「テトラメチルチウラムジスルフィド」という長々しい名称の化合物だそうです。初めはゴムの加硫剤、あるいは農薬として開発されたらしい。
■ところが、デンマークの某化学工場でこの薬剤を生産しだしたところ、工員の帰宅後の飲酒量が激減したそうです。長々しい名称の化合物にもアセトアルデヒドを酸化させる酵素の働きを阻害する働きがあったらしい。工場での作業中にテトラメチルチウラムジスルフィドの粉末を吸入してしまい、その後にアルコールを飲むと、アセトアルデヒドが酸化されずに苦しむことになったようです。
■一般に寒い国ではアル中が多発するものらしい。でもアンタビュースのおかげでアル中から脱する人もいるようです。たしかに、いい機嫌になりたくて一杯ひっかけたのに、青ざめたり気分が悪くなったり嘔吐したりするのでは、酒を飲む気にはなりませんね。
◆参考*1:書籍「化学トリック=だまされまいぞ!」初版46~52頁、山崎昶(あきら)著、ISBN978-4-06-257608-6、講談社

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2016年08月07日 08:00
肥料に注意事項を書いておく必要がありそうですね。
ねこのひげ様<素町人
2016年08月07日 09:11
コメントをありがとうございます。

 ホントにトイレ用洗剤の「混ぜるな危険」と似たような注意書きが必要なのかもしれませんね。
(^^;)

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