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zoom RSS 江戸末期に流行した謎々、判じ物(はんじもの)。口絵の野菜はなんという名前なの?【25】

<<   作成日時 : 2016/08/04 06:46   >>

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★日本語★
問題:判じ物は絵を使った謎々です。18世紀後半から発達した版画の多色刷りの技術を活用し、地名・国名・動植物名・道具名・人名その他、さまざまな物を対象として作られました。
■本日は青物、野菜の名前の問題の2回目です。まずは口絵の判じ物で練習しましょう。頭巾を被った人物が逆さに描かれています。この人物は、日蓮(ニチレン)らしい。江戸時代、日蓮は祖師、あるいは御祖師様(おそしさま)と呼ばれることが多かったようです。
■余談です。祖師は本来、1つの宗派を開いた宗教人に与えられる一般的な名称です。開祖ですね。禅宗を開いた達磨(ダルマ)も祖師ならば、浄土真宗を開いた親鸞(シンラン)も祖師だそうです。でも江戸の庶民は祖師といえば日蓮を思い出すらしい。同様に、大師は「徳の高い僧を敬っていう語」だそうです。最澄も大師なら法然だって大師なのでしょう。でも江戸庶民にとっては大師=弘法さん、空海です。で、落語の中では「大師は弘法に奪われ、祖師は日蓮に奪われ」という言葉が使われます。他の有資格者から見れば奪われたも同然…ということなのかな。
■口絵では、祖師が逆さまです。「そし」の逆。正解は紫蘇(シソ)のようですね。大葉(おおば)とも呼ばれます。紫蘇はハーブ、香草です。緑色の葉もあれば、紫色の葉もあります。実というか花穂(カホ)も天麩羅にして食べますね。
■紫蘇の判じ物は、「あおものづくしはんじもの」という江戸時代の末期の出版物に収載されたものです。歌川重宣(しげのぶ)という浮世絵師が嘉永元(1848)年〜嘉永(かえい)5年(1852年)ごろに発表した作品らしい。Wikipediaによれば歌川重宣は2代目歌川広重という名前のほうが通っているようです。「東海道五十三次」や「江戸名所百景」で知られる初代歌川広重の養女と結婚し、2代目を継いだらしい。ただし、結婚生活は6年ぐらいで破綻したようですが*1*3。重宣は、弊クイズですでに紹介した「江戸名所はんじもの」など、判じ物を多く制作しているようです*4。
■では本番です。例によって難易度にはバラツキがあります。答はみんな青物、野菜です。今でも収獲され、家庭や料亭の食卓に登場する野菜ばかりです。絵とヒントから名前を推理してみましょう。
▼[い]口絵とおなじ趣向です
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▼[ろ]樹木の上で男が仮眠をとっています
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▼[は]樽の中には酢が入っているようです
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▼[に]刀身の下に描かれているのは刀の鍔(つば)らしい
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▼[ほ]下女がくわえているのは火吹き竹らしい
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(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:■[い]砂が逆さまに書かれています。「すな」の逆。茄子(なす)が正解です。
▼茄子(なす)
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□茄子は、日本でも長く食べられている野菜です。「長屋王の変」として学校で習う長屋王の奈良時代初期の遺跡から出土した木簡にも茄子が記されてるらしい*3。ということは1200年以上も茄子は活躍しているようですね。
■[ろ]樹木の上で男性が肘枕(ひじまくら)で寝ています。見た目は気持ち良さそうですけれど、痛くはないのかな。樹木には濁点がついています。で、正解は、ね(寝)+き(木)+濁点=ねぎ。葱(ねぎ)です。
□葱には長葱と玉葱があります。玉葱は江戸時代には日本に入ってきていたらしい。でも観賞用植物として扱われたそうです。Wikipediaの玉葱の項によれば、食用として最初に栽培されたのは明治初年、札幌農学校においてだそうです。作者の歌川重宣が考えていたのは長葱なのでしょうね。長葱は「日本書紀」にも記述があるとのこと*4。
▼葱(ねぎ)
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■[は]樽に描かれた丸と漢字は、1種のロゴらしい。有名な酢の製造元を示すようです。樽の上に描かれているのは歯です。は(歯)+す(酢)=はす。蓮(はす)が正解のようです。
▼蓮(はす)
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魚名の判じ物では洲走(すばしり、鯔(ぼら)の幼魚)で、上とおなじロゴが使われていました。
▼洲走(すばしり)
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□蓮は歯ごたえのいい根菜です。みじん切りにして餃子や肉団子に入れたりもするらしい。もちろん、そのまま煮て食べても美味い。
■[に]刀の刀身は身(み)と呼ばれます。本身(ホンみ)といえば竹光でない真剣のことですね。身の脇に鍔(つば)。み(身)+つば(鍔)=みつば。三つ葉が正解です。
▼三つ葉
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□三つ葉は香りと彩りを添える香草です。日本料理には欠かせません。
◇*HP「三つ葉 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%89%E3%81%A4%E8%91%89&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwikmImempzLAhWIn5QKHb3pBoQQ_AUIBygB&biw=1280&bih=632
■[ほ]火吹き竹はより多くの空気・酸素を供給して火の勢いを増す道具ですね。ふつうは竃(かまど、へっつい)などを吹くのですが、彼女は塔を吹いています。ふき(吹き)+とう(塔)=ふきとう≒ふきのとう。蕗の薹(ふきのとう)が正解らしい。
▼蕗の薹(ふきのとう)
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□蕗の薹は省略して蕗(ふき)とも呼ばれます。下の絵は蕗の判じ物です。こちらでは下女は拭き掃除をしているようです。で、ふき。単純ですね。
▼蕗(ふき)
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□蕗は蕾(つぼみ)を天麩羅や煮物にしますね。きゃらぶきは、煮物や佃煮にすると美味い。
◇*HP「ふきのとう - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E3%81%B5%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%81%A8%E3%81%86&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwj9xKbwm5zLAhXBJZQKHTmSAE8Q_AUIBygB&biw=1280&bih=632
◆参考*1:HP「歌川広重 (2代目) - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%8C%E5%B7%9D%E5%BA%83%E9%87%8D_(2%E4%BB%A3%E7%9B%AE)
◇*2書籍「江戸の判じ絵」初版60〜61頁、岩崎均史(ひとし)著、ISBN4-09-626131-9、小学館
◇*3HP「長屋王の変があった日。悲劇の人はかなりの贅沢をしていたの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200903/article_25.html
◇*4HP「ねぎのお話」
http://www.hi-ho.ne.jp/k-kanai/negi/page017.html

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
蕗の煮物は、子供のころは苦手でしたね。
大人になって食べるとおいしいと感じるんですから不思議ですね。
そんな食べ物はけっこうありますね。
ねこのひげ
2016/08/07 08:06
コメントをありがとうございます。

 蕗をはじめとして、春の野菜は軽く苦味があるものだそうです。昔の人はあえて苦味を食せと言ったらしい。
 子供のころは苦味とかえぐみがあると食べにくかったのに、大人になるとそれが好みになっている。確かに不思議です。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2016/08/07 09:15

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