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zoom RSS 難易度最高漢検1級程度の四字熟語。「百花繚乱」はどんな意味なの?

<<   作成日時 : 2016/08/02 06:44   >>

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★日本語★
問題:百花繚乱は「ヒャッカリョウラン」と読みます。百花は「たくさんの花」ですね。繚乱は「入り乱れること。花などが咲き乱れること」だそうです。あわせて「多くの花が咲き乱れている様子」です。
■千鳥足で場末のキャバレーなどを非公式訪問したりすると、百花繚乱だなと思ったりします。でも近づいてよく見ると、姥桜(うばざくら)ばっかりだったりするのですが。
■「川柳末摘花詳釈(センリュウすえつむはなショウシャク)」という本では次のように使われていました。「…春画は次第に発達して江戸時代には、浮世絵の名手によって百花繚乱の最盛期を現出した」。花は植物の生殖器だそうですから、ここでの使用例は生物学的な意味からも正しいのかな。
■では本日の問題です。漢検の最高難易度である1級の問題集に掲載されていた四字熟語の問題です。当然ながら難しい。これらの四字熟語を知らないことは恥ではありません。正解なら有頂天になってもいい問題ばかりです。次の四字熟語の説明のうち、正しい記述はどれでしょうか? (正しい記述は無いかもしれないし複数かもしれません)
[い]百折不撓とはけっして挫(くじ)けないさまである
[ろ]剽疾軽悍とは動作の素早い泥棒を意味している
[は]猫鼠同眠とは「呉越同舟」とおなじ意味である
[に]牝牡驪黄とは雄と雌が入り交じった猥雑な雰囲気を意味する
[ほ]風声鶴唳とは「富士川の戦い」のような状況である
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:[い]と[ほ]が正しい
説明:[い]百折不撓とはけっして挫(くじ)けないさまである(○)
■百折不撓は「ヒャクセツフトウ」と読みます。
□「撓」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ドウ(ダウ)、ジョウ(ゼウ)、たわむ、みだす、かがむ」という字音・字訓があります。土という漢字が3つ使われています。窯に土器を積み重ねておく様子らしい。重さで台が撓むのでしょうか。
▼説文解字(セツモンカイジ、中国最古の部首別漢字字書)の撓
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□百回折れてもけっして挫けない(撓まない)。不撓不屈(フトウフクツ)の精神が百折不撓なのでしょう。昔の文章ではときどき見かける四字熟語です。「丁丑擾乱記(テイチュウジョウランキ)」という西南戦争の見聞録には、「桐野は廉潔剛胆(レンケツゴウタン)百折不撓の人というべし。最も慈悲心あり。文識はなはだ乏し。自ら文盲を唱う。しかりといえども実務上すこぶる思慮深遠、有識者に勝れり」とありました。人斬り半次郎こと中村半次郎、のち桐野利秋(としあき)は、教養はないけれど常識があり、仕事のできる人物だったと褒めているようです。
[ろ]剽疾軽悍とは動作の素早い泥棒を意味している(×)
■剽疾軽悍は「ヒョウシツケイカン」と読みます。
□「剽」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ヒョウ、さす、はぐ、おびやかす、つよい」という字音・字訓があります。剽窃(ヒョウセツ)という熟語を造ります。「他人の作品・学説などを自分のものとして発表すること」です。
□「疾」という漢字は常用漢字表では「シツ」という音読みだけです。漢和辞書「字通」によれば「シツ、やまい、はやい、にくむ」という字音・字訓があります。疾病(シッペイ)・疾患(シッカン)といった病気関係の熟語を造ります。疾走(シッソウ)という場合は、「はやい」という意味でしょう。
□「悍」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「カン、つよい、たけだけしい」という字音・字訓があります。精悍(セイカン)という熟語を造ります。「顔つきや態度に勇ましく鋭い気性が現れていること」です。
□あわせて剽疾軽悍は「動作がすばしこくて気が強いこと」だそうです。スポーツ選手に求められる資質ですね。泥棒の意味はなさそうです。
[は]猫鼠同眠とは「呉越同舟」とおなじ意味である(×)
■猫鼠同眠は「ビョウソドウミン」と読みます。
□猫鼠同眠は「上役と下役が共謀して悪事を働くこと」だそうです。会社ぐるみという事例はよく聞きますが、特定の上司と部下が共謀するという事件は、あまり耳にしないような気もしますけど。2人が愛人関係だったりすると、そんなこともあるのかな。
□呉越同舟は「仲の悪い者どうしが同じ場所に居ること」です。昔でいえば北アイルランドのカトリックとプロテスタント。あるいはイスラエルとパレスチナ。今でいえばISの戦士とトランプ氏。この人々が同じ飛行機に乗っていたりすると、何かが起きそうですね。
[に]牝牡驪黄とは雄と雌が入り交じった猥雑な雰囲気を意味する(×)
■牝牡驪黄は「ヒンボリコウ」と読みます。
□牝牡は文字通り雌と雄です。驪黄は黒い色と黄色い色らしい。「外見にとらわれず、本質を見抜くことが大切であるというたとえ」だそうです。
□名馬を探しに行かせたところ、黄色い雌馬でいい馬がいたという報告があったそうです。期待して待っていると実際に連れてきた馬は黒い雄馬だったらしい。おまえは色も見分けられないのか。馬の性別もわからないのか。ひどく非難されたそうですが、実際その黒い馬は名馬だったとのこと。本質は見抜いていたわけですね。
□どうでもいい話ですが、清水寺を創建した征夷大将軍、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)の愛馬は阿久利黒(あくりぐろ)と呼ばれる名馬だったそうです。敵将アテルイから贈られたものらしい。
[ほ]風声鶴唳とは「富士川の戦い」のような状況である(○)
■風声鶴唳は「フウセイカクレイ」と読みます。
□風声は風の音です。
□「唳」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「レイ、なく」という字音・字訓があります。長く鳴くことを意味するそうです。鶴唳は鶴の鳴き声らしい。
□「怖じ気づいている兵には何でもない物音でも敵の来襲に聞こえてしまう」という意味らしい。
□治承4年10月20日。西暦では1180年11月9日。富士川の戦いの前、斎藤実盛は平氏方の武将に東国武士の勇猛さを説明したそうです。怯えた平氏方は、水鳥の群れがたてた音を夜襲と勘違いし、慌てて逃げてしまったと伝えられているようです*4。
◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定1級試験問題集09年版」成美堂出版編集部編、ISBN978-4-415-20421-5、成美堂出版
◇*2HP「文化庁 | 常用漢字表の内閣告示等について | 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)」
http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf
(pdfファイルを開こうとすると警告が表示されます。文化庁の頁です。ウイルスに感染している可能性はかなり低いと思われますが、自己責任で開いて下さい)
◇*3HP「「悪路王」とは誰のこと? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201405/article_10.html
◇*4HP「白髪を染めて出陣した武将の命日。助けた子供に殺されたの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200906/article_30.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「漢字源」藤堂明保、学習研究社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
猫鼠同眠。どこかの自動車会社のようですね。
新入社員が指摘したのにそういうものだと言ってやりつづけたとか。
他の業種でもありそうで・・・
ねこのひげ
2016/08/07 08:24
コメントをありがとうございます。

 某自動車会社の猫鼠同眠の余波で、Jリーグを代表する蹴球球団の行く末が心配されています。ACLでの優勝経験もある名門なのに、どうなっちゃうのかな。蹴球愛好家としては、そちらのほうに目が行ってしまいます。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2016/08/08 06:52

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