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zoom RSS 巡査が政治的弁舌を取り締まろうとしたけど失敗。場所が悪かったの?

<<   作成日時 : 2016/06/01 06:00   >>

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★歴史★
問題:ご存知のように明治の中期は自由民権運動の花が咲き、各地で演説会が盛んに行なわれていたようです。たとえば明治15年(1882年)年(明治15年)の演説会の回数は全国で1817回。当時の内務省で調査した記録らしい*1。届け出が必要だったのかもしれません。「モグリも含めればこの倍はあったと思われる」*1。
■映画やドラマなどで知られるように、言説が過激なときには、演説会自体の中止が命ぜられました。参考資料*1の記録によれば282回。15%強の演説会は中止で解散させられたようです。弁士の中止が53回だそうです。こちらは弁士のみが退場し、次の弁士と交替するのでしょうか。
■当時は、弁士の脇に臨検(リンケン、立ち入り検査)の警官がいてメモを取っていたそうです。政府を攻撃する言葉が発せられると「弁士中止!」と叫んだらしい。弁士に退場を命じます。弁士は知らん顔で演説を続けようとします。警官が胸ぐらをつかんで引きずりおろそうとします。弁士は机にしがみつく。警官が殴る。聴衆が騒ぐ。場内は大混乱に陥ります。こんな光景が1日に1回弱、明治15年(1882年)には見られたらしい。
■当時の警官たちは職務に忠実だったらしい。明治16年(1883年)のある日ある場所で、ある警官は、単なる雑談を耳にして「政談演説をしてはならぬ、即刻中止!」と叫んだらしい。あまりに場違いな大声に、周囲は仰天します。警官の発した言葉は、その後の笑い話へと続きます。では、糞真面目に政治談義を取り締まろうとした警官は、いったいどんな場所で「即刻中止!」と喚(わめ)いたのでしょうか? 下の選択肢から選んで下さい。
[い]鹿鳴館
[ろ]相撲の興行
[は]銭湯
[に]葬儀の場
[ほ]賭場
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[は]銭湯
説明:明治16年(1883年)の2月の話らしい。大阪北区の源氏湯という銭湯が舞台だったようです。20代半ばぐらいの書生風の男が連れと世間話をしています。
「いったい今の政治はとかく秘密主義だが、金のいり用というときは突然課税とくるから、人民の苦情も起るのだ、元来…」と言いかけたらしい。ついさっきからじっと聞いていた湯船の中の男が大声で、
 「入浴中政談演説をしてはならん、即刻中止!」
 湯船にいた者も洗い場にいた者も脱衣所にいた者も、みんなが驚いてその方を見ます。真赤に茹で上がった大男が湯船で仁王立ちしています。
 「われこそは曽根崎警察署詰の巡査何某なり。ただいま書生体の者の政談演説、国安妨害のかどありと認定するがゆえ、職権をもってこれを禁ず。聴衆はすみやかに解散せよ。もし命令に反する者があれば集合条令によって処分する」と言ったらしい。
■銭湯の客たちは一瞬静まりましたが、それから大笑いです。
 「なにを言うか、この唐変木。なに、てめえが巡査だと? ホイそれなら帽子はどうした、バッジはどうした、制服はどうした」
 「男のバッジは見えるが、巡査のバッジは見えねえとよ、ハッハッハッハ」
 「おおかた湯気にのぼせたイカレポンチだ、阿呆ナ」
 「いやまてよ、こいつ偽巡査かもしれんな」
■大男はホントに警官だったようですが、銭湯の客たちはまるで相手にせず、それどころか、湯や水をさんざんにあびせかけたらしい。多勢に無勢です。大男はほうほうのていで逃げ出したらしい。
■屈辱を受けた大男は、その足で署へとってかえし、制服制帽を身につけて再び源氏湯にやってきます。怒りの形相も凄まじくさっきの書生を探しますが、見当たりません。
 「おいッ、貴様、犯人はどうしたッ」
 「わては知らんがな、いま来たばかりだがのオ」
 「ちょっとお巡りハン、あんた湯へ入るのとちごうか? そんなら早う服ぬいだらどうや。ホンマによう言わんワ」
 きっと湯ざめなのでしょうね。くしゃみをさかんに連発しながら、この職務に忠実すぎる警官はスゴスゴ
引っ返して行ったそうです*1。
◆参考*1:書籍 「幕末明治風俗逸話事典」初版563〜566頁、紀田順一郎(きだ じゅんいちろう)著、ISBN4 -490-10338-7、東京堂

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
銭湯の中の雑談まで取り締まられてはかないませんね。
まるで、いまの中国みたいですね。
路上でも政治に反対するような発言をすると近くにいた私服に引っ張られることが多々あろそうで・・・
ねこのひげ
2016/06/05 07:15
コメントをありがとうございます。

 中国の外務大臣の王毅(おうき)という人物がカナダを訪問中に記者会見で激怒したという話が報じられていました。
 会見に出席した記者は、王毅に同席していたカナダの政府高官に対して、中国で記者が弾圧されている実例を示しながら「人権を軽視する国とのつきあいはいかがなものか」という質問をしたらしい。王毅氏は自分が非難されたものと受け取り、激怒したそうです。身に覚えのあることだからこそ感情が爆発したのでしょうね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2016/06/05 07:45

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