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zoom RSS ヘリウムとは逆に、声を低くするガスってあるの?

<<   作成日時 : 2016/06/10 06:53   >>

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★科学★
問題:ヘリウムは軽い気体です。気球や風船につめればフワフワと浮かんで行ってしまいます。
■ヘリウムを吸い込んで声を出すといつもより高い声になります。「音の高さは(音を伝える)気体の重さ(分子量)の平方根に逆比例する」そうです。ヘリウムのガスは分子量が小さいらしい。
■われわれの声帯は、通常は空気に触れています。空気は80%ほどの窒素と20%ほどの酸素の混合気体です。分子量でいえばN2(窒素分子)が28。O2(酸素分子)が32です。0.8×28+0.2×32=28.8。空気の平均の分子量は28.8ぐらいになるらしい。
■実際に売られているマジックヴォイスなどは、ヘリウムと酸素の混合気体だそうです。空気とおなじ割合の酸素を混ぜておけば、息苦しくなったりすることもないのでしょうね。さきほどとおなじように計算すると、ヘリウムは単原子分子で分子量は4。0.8×4+0.2×32=9.6。マジックヴォイスの平均の分子量は9.6ぐらいらしい。
■音の高さは「分子量の平方根に逆比例」だそうです。空気の平均分子量の平方根は約5.4。マジックヴォイスの平均分子量の平方根は約3.1。マジックヴォイスを使うと、声の高さは5.4÷3.1≒1.7。約1.7倍ほど、周波数が高くなるのかもしれませんね。2倍の周波数ですと1オクターブです。そこまでは高くなりませんが、ドの高さの声ならばラの音ぐらいには聞こえるようです。
■ところで、マジックヴォイスとは逆向きに働く気体があるそうです。吸い込んで発声すると、声が低くなるガスですね。もちろん安全で実際に試すこともできるそうですが、それは次のどの気体でしょうか?
[い]マスタードガス
[ろ]硫化水素
[は]アンモニア
[に]クロロアセトフェノン
[ほ]六フッ化硫黄
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[ほ]六フッ化硫黄
説明:六フッ化硫黄(SF6)は、分子量が146もあり、空気のおよそ5倍の重さをもつ気体らしい。性質としてはきわめて安定だそうです。絶縁性にもすぐれている。で、変電所などの高電圧用トランスの封入気体に使われるらしい。
■六フッ化硫黄を構成する硫黄は原子番号が大きい元素(16番)なので、人体を構成する元素である炭素(6番)や酸素(8番)、水素(1番)などよりも、X線の散乱能がずっと大きくなるとのこと。この性質を利用して、病院で肺のX線画像を撮影するときに六フッ化硫黄を吸入させて、肺胞の隅々まで撮れるようにするそうです。胃袋のX線撮影のバリウムにちょっと似ているな。
■ヘリウムの場合と同様に、六フッ化硫黄ガスだけをそのまま吸い込むと人間は窒息してしまいます。レントゲン室では、大気と同じ割合、20%ほど酸素を加えた混合気体を使っているらしい。それでも平均の分子量はおよそ120。空気の4倍以上ですね。
■120の平方根は約11。28.8(空気の平均分子量)の平方根は約5.4。例によって音の高さ(振動数、周波数)は気体の分子量の平方根に逆比例しますから、周波数は約2分の1。つまり1オクターブ下がることになります。肺のX線画像を撮影するとき、女性でも野太い男性の声に変わるようです。珍妙な経験をされた方もおいでになるのでしょう。
■[い]〜[に]のガスはすべて有毒なガスです。[い]〜[は]は一定量以上吸えば死んでしまいます。[に]のクロロアセトフェノンは催涙ガスの成分だそうです。
■なお、六フッ化硫黄は温室効果ガスとしては二酸化炭素よりはるかに悪影響を及ぼすらしい。大気中での残留時間も長い(分解されにくい)ので使用が問題視されはじめています。京都議定書では地球温暖化防止排出抑制対象ガスという不名誉な肩書きも得たらしい。肺のX線造影剤としても、他の造影用ガスに置き換えられつつあるそうです。
◆参考*1:書籍「化学トリック=だまされまいぞ!」初版13〜18頁、山崎昶(あきら)著、ISBN978-4-06-257608-6、講談社
◇*2HP「六フッ化硫黄 - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E3%83%95%E3%83%83%E5%8C%96%E7%A1%AB%E9%BB%84

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コメント(2件)

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昔、箱根の地獄谷に行った時、硫黄ガスを吸い込んだら席が止まらなくなり慌てて逃げ出したことがあります。
かなり、危険な気がしますね。
ねこのひげ
2016/06/12 14:35
コメントをありがとうございます。

 那須の殺生石の周辺では、野ねずみや鳥などの動物がバタバタと死んでいる…と聞いたことがあります。「飛ぶものは 雲ばかりなり 石の上」とかいう俳句なんだか川柳なんだかわからない句があるそうです。
 火山性の気体は多量に吸い込むとやばそうですね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2016/06/12 21:25

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