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zoom RSS 難易度最高漢検1級程度の四字熟語。「罵詈讒謗」はどんな意味なの?

<<   作成日時 : 2016/05/09 08:53   >>

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★日本語★
問題:罵詈讒謗は「バリザンボウ」と読みます。罵詈は「口汚くののしること」だそうです。かなり熱くなっているのかな。本音が出ちゃっているのかな。讒謗は「人をあしざまに言うこと」だそうです。誹謗(ヒボウ)と似た言葉ですね。罵詈と讒謗とあわせて「口汚くののしり、誹(そし)ること」です。
■芥川龍之介の「俊寛(しゅんかん)」という作品では、次のように使われていました。「おれはそう思うたら、今でも不思議な気がするくらい、ありとあらゆる罵詈讒謗(ばりざんぼう)が、口を衝(つ)いて溢(あふ)れて来た」。何かとても不愉快な気分だったようですね。
■明治8年(1875年)に制定された法律に讒謗律があります。自由民権運動の台頭に対処するため、民間の言論・政府批判に弾圧を加えるための法律だそうです。政府高官の悪口を書くと、罰せられたのかな。
■現代は民間の言論のほうが暴走する時代です。あるテレビ局は言論の自由の名のもと、放送法を平然と破ります。ある新聞社は捏造した事実で自分の国を貶(おとし)めようとします。彼らが日常的に罵詈讒謗する国会議員や総理大臣は、選挙で選ばれた人です。テレビ局や新聞社、民間の言論人には特別な資格は不要。いわば誰のチェックも受けていない者です。しかも営利事業です。金儲けのために、生活のために他人の悪口を言ったり書いたりするのですから、始末に悪い。困ったことです。
■マスコミの悪口はともかく、本日の問題です。漢検の最高難易度である1級の問題集に掲載されていた四字熟語の問題です。当然ながら難しい。これらの四字熟語を知らないことは恥ではありません。正解なら手の舞い足の踏む所を知らず…となってもいい問題ばかりです。次の四字熟語の説明のうち、正しい記述はどれでしょうか? (正しい記述は無いかもしれないし複数かもしれません)
[い]比肩随踵とは肩を並べるほどに実力が拮抗(キッコウ)しているという意味である
[ろ]繁文縟礼とはラブレターをたくさん出して気を引こうとするが、失礼だと怒られることである
[は]攀竜附驥とは竜に攀じ登るような行為にはたいへんな勇気が必要だという意味である
[に]卑躬屈節とは人にごまをすって自分の主義・主張を曲げることである
[ほ]被髪纓冠とは髪を整えて冠をかぶることからいよいよ準備が整ったという意味である
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:[に]が正しい
説明:[い]比肩随踵とは肩を並べるほどに実力が拮抗(キッコウ)しているという意味である(×)
■比肩随踵は「ヒケンズイショウ」と読みます。「次々と絶え間なく続くさま、人が多い様子」だそうです。比肩は単独で使われると、「同等のものとして並ぶこと」の意味です。「サッカーW杯は五輪に比肩する人気イベントである」などと使います。でも比肩随踵の場合には肩と肩が触れあうという意味らしい。随踵は踵(かかと)と踵が触れあうことです。それだけ密度が高く、人が多いのでしょうね。マラソンでトップ集団に50人が含まれていたとしたら、比肩随踵と呼んでもいいのかな。不用意な接触で転倒しないように注意しなければなりません。
[ろ]繁文縟礼とはラブレターをたくさん出して気を引こうとするが、失礼だと怒られることである(×)
■繁文縟礼「ハンブンジョクレイ」と読みます。「礼儀作法や規則などが細かく、わずらわしいこと」だそうです。繁縟(ハンジョク)と略した形で使われることもあります。英語では「red tape」と呼ばれるらしい。公文書を保存するのに赤い紐で巻く習慣があったからだそうです*2。
□文書主義は繁文縟礼の典型と言われているようです。たとえば会社でいえば、調査する。開発する。製造する。広告する。販売する。アフタ―サービスをする。そうした仕事がそれぞれの人の主業務です。それらの内容について文書に記録して残すことは副業務ですね。でもときどき書類をつくったり管理したりする副業務が増え、主たる業務の障害になってしまうこともあります。それが繁文縟礼の1つの例になるようです。
[は]攀竜附驥とは竜に攀じ登るような行為にはたいへんな勇気が必要だという意味である(×)
■攀竜附驥は「ハンリュウフキ」と読みます。「勢力のある人物に付き従って、出世しようとするたとえ」だそうです。
□「攀」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ハン、ひく、よじる」という字音・字訓があります。登攀(トウハン)という熟語を造ります。攀(よ)じ登ることですね。
□「驥」という漢字も常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「キ」という字音だけがあります。意味としては「良馬、1日に千里を走るという駿足の馬」だそうです。
□竜に攀じ登り、駿足の馬につく。そうすれば、たいした才能はなくても空高く舞い上がれるし、遠くまで一気に行けるかもしれない。ちょっと小判鮫っぽくて情けない感じもありますが、それも処世の方法かもしれません。
[に]卑躬屈節とは人にごまをすって自分の主義・主張を曲げることである(○)
■卑躬屈節は「ヒキュウクッセツ」と読みます。「人に諂(へつら)って、自分の主義・主張を曲げること」だそうです。言論の自由を標榜(ヒョウボウ、主義主張をはっきり掲げること)する某新聞が、文化大革命時代に中国政府にへつらい、連中に都合のいい話だけを日本で報じて支局を維持しようとしたことなどは、卑躬屈節の典型かな。
□「躬」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「キュウ、み、みずから」という字音・字訓があります。卑躬は身を低くすること。屈節は関節を折り曲げることです。あわせて相手に屈して阿(おもね)っている姿のようです。
[ほ]被髪纓冠とは髪を整えて冠をかぶることからいよいよ準備が整ったという意味である(×)
■被髪纓冠は「ヒハツエイカン」と読むらしい。「非常に急いで行動するたとえ」だそうです。
□被髪は「髪を結わないで、ばらばらに乱していること」だそうです。纓冠は「冠の紐」らしい。整髪料をつけて髪をまとめることもせず、ドライヤーでセットすることもなく、冠をかぶって紐を結ぶ。とても慌ただしい様子です。少なからぬ学生、社会人の方は、毎朝被髪纓冠で駅や停留所に急ぎます。現代でも使えそうな四字熟語です。
□「纓」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「エイ、ヨウ、ひも、かざりひも」という字音・字訓があります。要するに紐のようですね。
◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定1級試験問題集09年版」成美堂出版編集部編、ISBN978-4-415-20421-5、成美堂出版
◇*2HP「文化庁 | 常用漢字表の内閣告示等について | 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)」
http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf
(pdfファイルを開こうとすると警告が表示されます。文化庁の頁です。ウイルスに感染している可能性はかなり低いと思われますが、自己責任で開いて下さい)
◇*2HP「繁文縟礼 - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B9%81%E6%96%87%E7%B8%9F%E7%A4%BC
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「漢字源」藤堂明保、学習研究社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
罵詈雑言は知っておりましたが、罵詈讒謗は知りませんでした。
日本語は豊かでありますね。
ねこのひげ
2016/05/15 08:01
コメントをありがとうございます。

 そういえば罵詈雑言という言葉もありますね。
 最近は年のせいか、罵詈雑言を浴びせるといった場面がありません。言いたい放題の悪口を言うと気持ちがスッキリすることもありますので、機会を見つけてバリルべきなのかな。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2016/05/15 22:14

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