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zoom RSS 難易度最高漢検1級程度の四字熟語。「八面六臂」はどんな意味なの?

<<   作成日時 : 2016/04/04 08:55   >>

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★日本語★
問題:八面六臂は「ハチメンロッピ」と読みます。八面は8つの顔。六臂は6つの臂(ひじ)、つまり6本の手と解釈していいようです。あわせて「仏像などで、八つの顔と六本の腕を持っていること」という意味と、「多才で、一人で何人分もの活躍をするたとえ」という意味があるそうです。
■一般には後者の意味で使われることが多いようですね。「平賀源内は閉塞された時代においても画家・鉱山技師・発明家・戯作者・浄瑠璃作者・医師・俳人・本草学者等々、八面六臂の活躍を見せた」。こんな使い方がされます。
■なお、昔聞いた話では、八面六臂の仏像は少なくとも日本には存在しないとか。よく知られる国宝の阿修羅像も三面六臂です(口絵参照)。
■片岡千恵蔵が演じた多羅尾伴内(たらお ばんない)も「七つの顔の男」として知られていますが、惜しいことに顔がもう1つ足りません。
◇*HP「多羅尾伴内 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E5%A4%9A%E7%BE%85%E5%B0%BE%E4%BC%B4%E5%86%85&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwia6cGZl4bLAhXIG6YKHRvGCPIQ_AUICCgC&biw=1536&bih=758
■では本日の問題です。漢検の最高難易度である1級の問題集に掲載されていた四字熟語の問題です。当然ながら難しい。これらの四字熟語を知らないことは恥ではありません。正解なら手の舞い足の踏む所を知らず、となってもいい問題ばかりです。次の四字熟語の説明のうち、正しい記述はどれでしょうか? (正しい記述は無いかもしれないし複数かもしれません)
[い]杯盤狼藉とはみかじめ料を払わない飲食店でヤクザが暴れることである
[ろ]白衣蒼狗とは獣医さんのことである
[は]博引旁証とは説明する際に多くの資料を引き、それらを証拠として論ずることである
[に]拈華微笑とはモナリザのほほえみと似た意味である
[ほ]撥乱反正とは不合理な理由で社会不安や革命が起きることである
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:[は]が正しい
説明:[い]杯盤狼藉とはみかじめ料を払わない飲食店でヤクザが暴れることである(×)
■杯盤狼藉は「ハイバンロウゼキ」と読みます。「宴席の散らかったありさま」だそうです。杯や盤(皿)が散らかっているらしい。狼藉は狼の寝床の乱れた姿を言っているらしい。狼はとくに巣をつくらないのでしょうか。草のある場所で横になるらしい。起きて姿を消したあと、見ると下に敷かれた草が乱れているそうです。
□杯盤狼藉という言葉は、慶長(けいちょう)8年(1603年)に成立したという「日葡辞書」にも立項されています。「ひどく酒を飲んだ後の座敷(Zaxiqi)が雑然となり、混乱していること」と説明されているらしい。ポルトガルの宣教師たちは杯盤狼藉の意味を知る必要があったのかな。
□「勝治の部屋は、それこそ杯盤狼藉(はいばんろうぜき)だった。隅に男がひとりいた。節子は立ちすくんだ。 『メッチェンの来訪です。わが愛人』と勝治はその男に言った」。これは太宰治の「花火」という作品中の一節です。ちなみにメッチェンは「少女」を意味します。旧制の高校生たちが愛用した言葉のようですね。
[ろ]白衣蒼狗とは獣医さんのことである(×)
■白衣蒼狗は「ハクイソウク」と読みます。「世の中の変化が早いことのたとえ」らしい。
□白衣を着た人の脇に青(蒼)ざめた犬(狗)が横たわっている。どう見ても獣医さんの診察室かと思いましたけど。30数年前、おなじような光景の中に自分と愛犬がいました。しばらくしてキャイーンと一声鳴くと、わが愛犬はぐったりと動かなくなり、あの世に旅立ってしまいました。助からなかった割りには請求書の数字は大きかったな。
□空に浮かぶ雲の形は、白い衣に見えたかと思うと、たちまち蒼い犬のような形に変化したりします。数分〜数十分の変化ですね。「世の中は 三日見ぬ間の 桜かな」。こちらは数日単位の変化でしょうか。3年目の浮気とか7年目の浮気という言葉もありますね。心は数年単位で変化するのかな。
◇*HP「7年目の浮気 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=7%E5%B9%B4%E7%9B%AE%E3%81%AE%E6%B5%AE%E6%B0%97&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiGxtCPoIbLAhUEx6YKHTtDAp8Q_AUIBygB&biw=1536&bih=758
[は]博引旁証とは説明する際に多くの資料を引き、それらを証拠として論ずることである(○)
■博引旁証は「ハクインボウショウ」と読みます。
□博引の「博」は「博識」の場合とおなじ意味、「ひろい」という意味で使われているらしい。広く引用するわけですね。
□「旁」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ボウ・ホウ、あまねし、かたわら、かたよる」という字音・字訓があります。「あまねし(すべてに広く行き渡るさま)」と「かたよる」という方向の違う2つの意味が1つの漢字の中に同居しているというのはちょっと不思議ですね。
□現代では、博引旁証より客観性・再現性のある実験結果や調査結果のほうが重要視されます。著名人の御言葉より、実証できる事実です。「天才アインシュタインが言ったから相対性理論は正しい」…これは誤った姿勢です。多くの専門家が追試し、検証しているから正しい。それが正しい姿勢のようです。
[に]拈華微笑とはモナリザのほほえみと似た意味である(×)
■拈華微笑は「ネンゲミショウ」と読みます。「以心伝心」と同じ意味だそうです。言葉による明示的な情報・情意伝達ではなく、心から心へと暗示的に伝えることらしい。
□釈迦が説法の中で1本の花をひねってみせたらしい。弟子の中で迦葉(かしょう)という人だけが、その意味を悟ったという逸話があるそうです。そこから、暗示的コミュニケーションとして拈華微笑という言葉が生まれたそうです*1。どんな情報が伝わったのかは、明示されていませんでしたが。
□「拈」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ネン、デン、ひねる、つまむ、もつ」という字音・字訓があります。拈出(ネンシュツ)という熟語を造るらしい。捻出とおなじで「ひねり出す」という意味だそうです。
□芥川龍之介は「十本の針」という作品で次のように使っていました。「わたしたちはわたしたちの気もちを容易に他人に伝えることはできない。それはただ伝えられる他人しだいによるのである。「拈華微笑(ねんげみしょう)」の昔はもちろん、百数十行に亙(わた)る新聞記事さえ他人の気もちと応じない時にはとうてい合点(がてん)のできるものではない…」。
[ほ]撥乱反正とは不合理な理由で社会不安や革命が起きることである(×)
■撥乱反正は「ハツランハンセイ」と読むらしい。「乱世を治めて秩序正しい世の中に戻すこと」だそうです。
□「撥」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ハツ、ハチ、おさめる、はねる、あばく、ばち」という字音・字訓があります。三味線のバチはこの漢字を使うようですね。
◇*HP「三味線 撥 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%89%E5%91%B3%E7%B7%9A+%E6%92%A5&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwj29YabqobLAhXD26YKHaR5Cd4Q_AUIBygB&biw=1536&bih=758
□撥乱反正は、立派な行為です。でもかなりのエネルギーを必要としますね。日本でいえば源頼朝や足利尊氏や徳川家康は撥乱反正を成就させたといえるのかな。それぞれ期間はことなるものの大きな戦さのない時代を築きました。
◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定1級試験問題集09年版」成美堂出版編集部編、ISBN978-4-415-20421-5、成美堂出版
◇*2HP「文化庁 | 常用漢字表の内閣告示等について | 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)」
http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf
(pdfファイルを開こうとすると警告が表示されます。文化庁の頁です。ウイルスに感染している可能性はかなり低いと思われますが、自己責任で開いて下さい)
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「漢字源」藤堂明保、学習研究社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
八面六臂の仏像を検索してみましたが、六面まではあるようですが、八面六臂の仏像の仏像はないようですね。
作るのが難しいのかな?
ねこのひげ
2016/04/10 07:21
コメントをありがとうございます。

 八面六臂はたしかに難しそうですね。それによく考えてみるとちょっと気持ちの悪い像になりそうです。
 顔だけ多くて腕はちょっとしかない。一所懸命作ってもあまり尊ばれないから、作らないのでしょうか。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2016/04/10 09:31

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