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zoom RSS 超伝導を実現する温度の歴史。現在の最高温度は何度ぐらいなの?

<<   作成日時 : 2016/03/01 06:53   >>

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★科学★
問題:超伝導現象をご存知だと思います。特定の物質(超伝導体)の温度をある温度(転移温度、臨界温度)まで下げると相転移を起こし、電気抵抗がゼロになる現象だそうです。相転移とはなんでしょうか。たとえば液体から気体になったり固体になったりするときには相転移が起きたと表現されます。つまり様相が変わることかな。
■超伝導が起こると、同時にマイスナー効果とかピン止め効果と呼ばれる現象も起きるらしい。口絵のように磁石が浮いて見える図を見たことがあるかと思います。これは超伝導が発生したときに起きるマイスナー効果とピン止め効果によるものとのこと*3。
■超伝導はさまざまな場面への応用が実現し、さらに試みられています。いちばんわかりやすいのは送電ですね。電気抵抗がゼロ。電気を発電所から家庭や工場などの消費現場までロスなく送ることができるらしい。現在の日本の送電網では、発電所で100の電気が送り出されても、実際に使えるのは95ぐらいだそうです。残りの5は送電中に熱となって消えていくらしい。将来、超伝導を応用した送電が可能になれば、無駄が減るのでしょう。
■閉じた回路を超伝導にすると、電気は無限に回り続けるそうです。しかも減らない。で、電気を貯蔵するという難題にも超伝導が使えるとして、さかんに研究されているようです。
■すでに実現しているものでは、たとえばリニア・モーター・カーがあります。医療現場ではMRIという大型の診断装置にも応用されています。核融合の実験施設でも使われていますし、あの大型ハドロン衝突型加速器にも応用されています。ジュネーブ郊外の地下に設置された円形の実験装置ですね。LHCと略称されることがあります。
◇*HP「lhc - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=lhc&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjujoz-ur_KAhWFPKYKHbPPBvkQ_AUICCgC&biw=1097&bih=542&dpr=1.75
■超伝導現象が発見されたのは、1911年(明治44年)といいますから、もう100年以上も前です。ヘイケ・カメルリング・オネスというオランダの物理学者が発見者らしい。オランダにも平家の末裔がいるとは知りませんでしたね。平家のオネス氏は、ヘリウムの液化にも成功しているらしい。大正2年(1913年)に低温物理学に対する功績でノーベル物理学賞を受賞しているそうです。
◇*HP「オネス - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%AA%E3%83%8D%E3%82%B9&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&biw=1280&bih=632&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiJj_j0t7_KAhWjxqYKHTSJDesQ_AUIBygC#imgrc=q0PU9PDcIkGsKM%3A
■一般に金属は温度が下がると電気を伝えやすくなるようです。温度が上がれば電気抵抗は増えるらしい。この性質が知られていたので、絶対零度(-273.15度C)に近づくと電気抵抗がゼロになるという予想は以前からあったようです。でも実際に実現して見せたのは平家さんだったわけですね。
■超伝導が起きる温度(臨界温度)は、金属によって異なることがわかっているそうです。たとえばニオブという金属では9.22K(−263.93度C)、アルミニウムでは1.20K(−271.95度C)とのこと。
■絶対零度近くまで温度を下げるのは大変です。技術も必要ですし、費用がかかります。現在、超伝導がどんどん応用されているのは、77K(−196.15度C)前後まで臨界温度があがってきているからだそうです。この温度では液体窒素が使えます。窒素は空気中にいくらでもある物質ですので、比較的費用が安いようです。以前は液体ヘリウムを使っていたらしい。約4K(-269度C)という極低温が実現できるのですが、高価なものらしい。ちなみに液体窒素を初めて作ったのも平家のオネス氏だそうです。1906年(明治39年)のことらしい。
■理想をいえば、常温で超伝導が実現できることですね。液体窒素すら不要になれば、さまざまな場面で超伝導が使えます。たとえば携帯やスマホで超伝導が使えれば、充電が必要なくなるのかもしれません。電池残量を心配しなくていいとなれば、これはメチャクチャありがたいですね。
■物理学者や技術者たちは、臨界温度をあげる激しい競争をしているようです。では、平成28年(2016年)現在では、超伝導が起きる最高の温度はどのぐらいなのでしょうか。次のうちから1番近い数値を選んで下さい。
[い]39K(約−234度C)
[ろ]133K(約−140度C)
[は]164K(約−109度C)
[に]203K(約−70度C)
[ほ]242K(約−31度C)
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[に]203K(約−70度C)
説明:昨年、平成27年(2015年)に、203Kという「高温」での超伝導状態が発見されたそうです。温度が高いという意味では、これが最高らしい。
■この超伝導体は硫化水素だそうです。H2Sですね。腐った卵の臭いがすると言われます。温泉地などではおなじみです。おならにも微量が含まれて悪臭の元になっているらしい。硫化水素は150GP(ギガ・パスカル)という高圧の元で超伝導になるそうです。輝かしい研究成果なのでしょうけれど、応用しやすいのでしょうかね。なお、150ギガ・パスカルは136万気圧ぐらいです。素町人の計算が間違っていなければの話ですけど。
■それまで高圧下での最高記録と言われていたのは、[は]164K(約−109度C)だったようです。1994年(平成6年)に記録しました。31GPという高圧だったらしい。超伝導体はHgBa2Ca2Cu3Oxという複雑な物質だったようです。水銀とバリウムとカルシウムと銅と酸素の化合物なのでしょうね。
■常圧での最高記録は、おなじ超伝導体で1993年(平成5年)に記録した[ろ]133K(約−140度C)だそうです。
■[い]39K(約−234度C)は、2001年(平成13年)に青山学院大学の秋光純教授らが発見した二硼化マグネシウムの超伝導現象です。ずいぶん温度が低いのですが、金属系の超伝導体ではこれが理論で予想された最高温度に近いそうです。
■なお、理論上の予測でいえば、250万GPの圧力をかけた場合、硫化水素に少量の燐(リン)を加えた超伝導体は、280K(約7度C)で超伝導現象が起こるらしい。いよいよ常温ですね。さらに、水素を金属にできれば、その臨界温度は481K(約208度C)になる…という理論的予測もあるそうです。
■現在のところはまだまだかなり冷たくしてやらないと超伝導現象は起きないようです。でも、いずれは常温での超伝導も実現するのでしょう。安いコストで実現すれば、われわれの暮らしもずっと便利になりそうですね。
◆参考*1:HP「超伝導 - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E4%BC%9D%E5%B0%8E
◇*2HP「超電導ってなあに」
http://www.istec.or.jp/description/description.html
◇*3HP「マイスナー効果 - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%8A%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C

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コメント(2件)

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以前、常温での超電導が成功したというニュースを聞いたことがありますが、最近聞かないところを見ると、間違いだったのか詐欺まがいだったんですかね。
本当なら凄いことなんですがね。
ねこのひげ
2016/03/06 16:02
コメントをありがとうございます。

 他の分野もそうかもしれませんが、科学のニュースはときどき派手に間違っていることがあります。
 以前、CNNが報じた「脳から直接Twitterに投稿可能、米大学院生が装置開発」という記事も6年以上たちますが、その後なんの続報もありません。専門家たちは無視しているようですが。なぜ難しいかは弊クイズでも少し調べたことがあります。
→「脳で考えたことを「以心伝心」で送信できたというのはホントなの? 」2009/05/08

 一般紙だけでなく、ニュートンやナショナルジオグラフィックなどの科学雑誌でもそんな経験をしています。

 常温常圧での超伝導が可能になったのなら、それは人類の運命が大きく変わるほどの大ニュースなのでしょう。もちろんノーベル賞ものですし、素材を発見した人物はアラビアの王様や成功したIT創業者たちをしのぐ大金持ちになれるかもしれません。
 でも続報がない。便りのないのは悪い知らせ。この場合はきっとそうなのでしょうね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2016/03/07 08:35

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