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zoom RSS 表外の読みの問題。「委、精」に共通する読みはどんなもの?

<<   作成日時 : 2016/02/29 09:37   >>

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★日本語★
問題:本日は閏年の閏日。4年に1度の目出度い日ですね。
■「閏」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ジュン、ニン、うるう」という字音・字訓があります。潤う(うるおう)という漢字とよく似た姿です。どちらも「うる」という発音を含んでいます。おかげで覚えやすいですね。
■閏年の閏日とはまったく無関係に、本日は表外の読みのクイズです。まずは例題を。「委、精」という1組の漢字はどちらも常用漢字表に掲載されており、共通する表外の読みがあります。それは「くわしい」という読みです。くわしいは一般には「詳しい」と表記されます。でも委しいという表記でも誤りとは言えません。求人広告などで見かける「委細面談」という言葉は、「委しく細かい話は面接のときに」という意味ですね。
■くわしいは精しいという表記でも誤りではありません。「精査」などという熟語でも使われます。精しく検査するという意味です。
■では本番です。次の5組の漢字はいずれも常用漢字表に掲載されています。かつ、共通する表外の読みをもっています。それぞれどんな読みでしょうか?
[い]亜と嗣
[ろ]扱と放
[は]安と寧
[に]維と是
[ほ]医と療
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]亜と嗣に共通する表外の読みは「つぐ」
■亜ぐは「すぐあとに続く。連続する」という意味と、「程度・地位などがすぐその下である」という意味があるらしい。前者の意味で亜という漢字が使われている場面は見たことがありません。後者の意味では亜熱帯とか亜流などの言葉がありますね。
□漢和辞書「字通」によれば、亜父という言葉があり、「父についで尊親(そんしん、とうとびしたしむこと)すべき人」だそうです。范増(はんぞう)という軍師は項羽に亜父と呼ばれ敬愛された。そんな使い方をするらしい。読みは「アフ、あるいはアホ」とのこと。ハハハ。
□嗣ぐは「あとをつぐ」という意味です。「ちゃくし」は嫡子とも書きますが嫡嗣という表記でもいいらしい。
[ろ]扱と放「こく」
■扱くは「細長い物を片手で握り、もう一方の手で強く引き抜く」ことだそうです。男性の場合は細長い物が下腹部にあります。扱くことができます。でも一般には扱く(しごく)という言葉のほうが使われています。
□放くは「体内にあるものを体外に出す」ことです。たとえば放屁は屁を放くことですね(口絵参照)。「言う、する」などをいやしめて言う場合にも「放く」が使われるようです。「いい年こいて」とか「嘘をこく」、「びっくらこいた」などの「こく」は、漢字表記にすると「放いて、放く、放いた」だそうです。
[は]安と寧「いずくんぞ」
■「いずくんぞ」は「いづくにぞ」から来た言葉だそうです。疑問や半語を表す言葉を下にともなって「どうして?」とか「なんで?」という意味を表します。
□有名な「燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや」という言葉は、ツバメやスズメのような小物たちが「どうして」オオトリやコウノトリのような大物の志を理解することができようか…という意味ですね。
□「いずくんぞ」でよく使われる表記は「安んぞ」と「焉んぞ」らしい。でも「寧んぞ」という使い方もあるようです。たとえば傾城(ケイセイ)や傾国(ケイコク)という飛びっ切りの美女を表す言葉の元となったと言われる李延年(リエンネン)という人物の歌の中には「寧んぞ傾城と傾国とを知らざらんや」という一節が出て来るらしい*3。
[に]維と是「これ」
■維という漢字はそもそもは綱とか紐、糸という意味があるらしい。繊維という言葉でも使われていますね。「これ」という読みは発語(はつご)で使われたと漢和辞書「字通」にはあります。発語とは「言い始めの言葉」らしい。語調を整える場面でも使われるそうです。たとえば「弁解にこれ努める」は「弁解に努める」とおなじ意味です。でも「これ」が入るとなんとなく脂汗を流しながら言い訳を並べている光景が目に浮かんできます。
□是は、日本語では英語thisと同義らしい。是は筆ですといえばThis is a pen.の意味ですね。中国語では英語のbe動詞のように使われるらしい。我是日本人ですと、私は日本人ですの意味になるようです。
[ほ]医と療「いやす」
■医と療では医療という熟語ができます。どちらも「いやす」という表外の読みがあるようです。
□医すは森鷗外の「伊沢蘭軒(らんけん)」という作品では次のように使われていました。「…途中桃を里に運ぶ老人に逢ふ。数顆を買ひ、水漿(すゐしやう、飲み物)に代て渇を医す」。御年寄から桃を買って喉の渇きをいやしたようですね。
□療すは「下等百科事典」という明治から大正にかけての本のなかで次のように使われていました。「通経剤…婦女月経の滞り(とどこおり)を療すと標榜(ひょうぼう、公然と示すこと)して、その実堕胎をほのめかす売薬で、近時益(ますます)盛んになつたのである。新聞の広告には、婦女月経の滞りを治す、但し懐妊の婦人は用ふべからず、用ふるときは流産の恐れあり、と云ふ意味の広告をし、堕胎たることを暗示するのである」。この薬は「いやし」になるのでしょうかね。
◆参考*1:HP「文化庁 | 常用漢字表の内閣告示等について | 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)」
http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf
(pdfファイルを開こうとすると警告が表示されます。文化庁の頁です。ウイルスに感染している可能性はかなり低いと思われますが、自己責任で開いて下さい)
◇*2HP「常用漢字の表外読み(音訓) 一覧表・検索」
http://www16.atpages.jp/kanjikentei/hyogaiyomi.html
◇*3書籍「マスコミに出る故事名言ことわざ総解説」初版82頁、自由国民社
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「漢字源」藤堂明保、学習研究社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
いずくんぞ・・・・最近は、神という言葉が盛んに使われておりますね。
神対応とか漫画界の神とか・・・ちょっと安易すぎないかと思わんでもありません。
ねこのひげ
2016/03/06 15:59
コメントをありがとうございます。

 言われてみればたしかにそうですね。以前は仕事の鬼とかブルースギターの鬼とかつけめんの鬼とか、日本人はなにかと「鬼」を使うという指摘を聞きました。最近は「神」なのかもしれませんね。
(^^;) 
ねこのひげ様<素町人
2016/03/07 08:45

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