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zoom RSS 難易度最高漢検1級程度の四字熟語。「桃李成蹊」はどんな意味なの?

<<   作成日時 : 2016/02/01 09:02   >>

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★日本語★
問題:題の問題の四字熟語は「トウリセイケイ」と読みます。「徳のある人物、優れた人物のもとには、何もしなくても自然に人が集まってくる」ということですね。桃や李(すもも)の実は美味い。そこには自然に人がやってくるようです。「桃李言わざれども下自(おの)ずから蹊(こみち)を成す」という決まり文句の短縮版かな。
■成蹊という名のついた学校法人があります。おそらくこの決まり文句に由来するのでしょう。この学校にも応募者が集まっているのかな。
■では問題です。漢検の最高難易度である1級の問題集に掲載されていた四字熟語の問題です。当然ながら難しい。わからなくて当たり前。正解なら喜ぶべき問題ばかりです。次の四字熟語の説明のうち、正しい記述はどれでしょうか? (正しい記述は無いかもしれないし複数かもしれません)
[い]恫疑虚喝は「疑いをかけ、白状するように脅す(おどす)」という意味である
[ろ]騰蛟起鳳は「小さな出来事がやがて大事件を呼ぶという連鎖反応のたとえ」である
[は]蹈常襲故は「前例主義」と似たような意味である
[に]稲麻竹葦は「とかく目高(めだか)は群れたがる」と似たような意味である
[ほ]掉棒打星は「(野球の試合で)打撃陣の活躍で勝利を得る」という意味である
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:[は]が正しい
説明:[い]恫疑虚喝は「疑いをかけ、白状するように脅す」という意味である(×)
■恫疑虚喝は「ドウギキョカツ」と読みます。「内心びくびくしながら虚勢を張って、相手を脅すこと」だそうです。ポーカーなどで、手は悪いのに高額の賭け金を提示して相手を降ろして勝とうとします。いわゆるブラフも恫疑虚喝の一種かな。
□「恫」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ドウ、トウ、いたむ、おそれる」という字音・字訓があります。恫喝(ドウカツ)という熟語を造ります。「脅し」です。金銭が絡むと「喝上げ(かつあげ)」になるのかな。
[ろ]騰蛟起鳳は「小さな出来事がやがて大事件を呼ぶという連鎖反応のたとえ」である(×)
■騰蛟起鳳は「トウコウキホウ」と読みます。「才能豊かで、溢(あふ)れるほどの文才があること」だそうです。
□「騰」という漢字は常用漢字表では「トウ」という音読みだけです。漢和辞書「字通」によれば「あがる、のぼる」という字訓もあります。騰貴(トウキ)という熟語を造ります。短時間・短期間で価値があがることですね。沸騰(フットウ)はご存知のとおり、沸き上がることです。
□「蛟」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「コウ、みずち」という字音・字訓があります。「蚊」という漢字に似ていますが非なる字です。「水中の竜」を意味するらしい。6500万年前まで生きていた恐竜は、大きくわければ鳥盤類と竜盤類の2種。竜盤類は獣脚類と竜脚形類の2種…と分類できるそうです。架空の動物である竜にも陸生竜・水生竜の分類があるのかな。
□竜が立ち上がったり、鳳(おおとり)が飛び立ったりする躍動感を文章の才能に見立てた熟語のようです。
[は]蹈常襲故は「前例主義」と似たような意味である(○)
■蹈常襲故は「トウジョウシュウコ」と読みます。「従来のやりかたを受け継いでその通りに物事を行なうこと」だそうです。前例に倣(なら)うわけですね。
□「蹈」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「トウ、ふむ、うごく」という字音・字訓があります。踏襲(トウシュウ)という熟語がありますが、古くは「蹈襲」と表記されていたようです。
□「襲」という漢字は常用漢字表では「シュウ、おそう」という音読み・訓読みがあります。漢和辞書「字通」には「シュウ、かさねる、つぐ、おそう、きる」という字音・字訓があります。元々は「儀礼の際に特別な衣を上から羽織る」といった意味だったらしい。重ね着です。たしかに「衣」の字を部品として含んでいますね。のちに襲撃(シュウゲキ)のように「襲う」という意味も生まれたらしい。
□多くの民間企業では蹈常襲故していたら破綻してしまいます。蹈常襲故が許されるのはどんな組織でしょうね。なんとか財団法人なんていうのは、それでも生きていけるのかな。
[に]稲麻竹葦は「とかく目高(めだか)は群れたがる」と似たような意味である(△)
■稲麻竹葦は「トウマチクイ」と読みます。「多くの人や物が群がっていること、幾重にも取り囲まれていること」だそうです。稲・麻・竹・葦はそれぞれ群生する植物ですね。一本松のように独り立ちしません。そこからこんな言葉が生まれたらしい。「とかく目高は群れたがる」と少し似ていますが、群れたがる者に対する侮蔑の要素が欠けているので△にしました。
[ほ]掉棒打星は「(野球の試合で)打撃陣の活躍で勝利を得る」という意味である(×)
■掉棒打星は「トウボウダセイ」と読みます。「棒を振り回して星を打ち落とそうとすることから、非現実的な無駄な努力をすること」だそうです。
□「掉」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「トウ、チョウ、ふる、ふるう、ただす」という字音・字訓があります。掉尾(チョウビ、トウビ)という熟語を造ります。「惜しくも予選リーグで敗退したものの最終戦に快勝して掉尾を飾った」などと使われますね。「尾を振る」ところから「物事・文章などの終わりになって勢いを奮(ふる)うこと」を意味します。
□掉棒打星という四字熟語は小咄にもなっています。弟が長い棹(さお)を振り回しているので兄が理由を尋ねると「星を落としたい」とのこと。「馬鹿だな、それなら屋根に登らなきゃダメだぜ」。これを聞いていた親父が「さすがだ。やっぱり兄貴だけのことはある」。三人馬鹿のお話です。
◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定1級試験問題集09年版」成美堂出版編集部編、ISBN978-4-415-20421-5、成美堂出版
◇*2HP「文化庁 | 常用漢字表の内閣告示等について | 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)」
http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf
(pdfファイルを開こうとすると警告が表示されます。文化庁の頁です。ウイルスに感染している可能性はかなり低いと思われますが、自己責任で開いて下さい)
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「漢字源」藤堂明保、学習研究社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
いや〜っこれはどれも難しいです。
全問不正解というか読めませんでした('◇')ゞ

ところで恐竜は全滅したと言われておりますが、実は現在では鳥、特にスズメが恐竜だという説が言われだしてます。
恐竜が長い年月をかけてあの形になったという事のようです。
ねこのひげ
2016/02/07 09:46
コメントをありがとうございます。

 恐竜が進化して鳥になったという話はときどき聞きますけど、特にスズメというのが面白いですね。
 小林一茶は恐竜の進化形の一種と遊びたがったのかな。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2016/02/07 23:30
恫疑虚喝(どうききょかつ)…心で怯え…でも、威嚇します。

民法93条心理留保(しんりりゅうほ)
民法94条通謀虚偽(つうぼうきょぎ)

その次に来る"恫疑虚喝"と錯覚します(法律行為の意思表示)

なんか、東大法学部の教授は好みそう
sadakun_d
2016/02/12 18:19
コメントをありがとうございます。

 法律の言葉も四字熟語も難しいという点では共通するものがありますね。
 恫疑虚喝。日本の法律用語のような、北朝鮮の外交用語のような。
(^^;)
sadakun_d様<素町人
2016/02/14 09:56

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