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zoom RSS 最高難易度の漢検1級四字熟語問題。「魑魅魍魎」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2015/12/07 09:21   >>

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★日本語★
問題:題の問題の答は「チミモウリョウ」です。多くの方が正解されたことでしょう。仕事では使いませんが、漫画やアニメ、映画やドラマなどではわりと見られますね。それにしても鬼だらけ。4匹(柱?)います。麻雀でもやっているのかな。
■本日は漢検の最高難易度である1級の問題集に掲載されていた四字熟語の問題です。当然ながら難しい。わからなくて当たり前。正解なら喜ぶべき問題ばかりです。次の四字熟語の説明のうち、正しい記述はどれでしょうか? (正しい記述は無いかもしれないし複数かもしれません)
[い]彫虫篆刻は「動く小さな虫に彫刻するような細かくて困難な作業」を意味する
[ろ]喋喋喃喃は「議論が沸騰して口角泡を飛ばしている様子」である
[は]雕梁画棟は「建物に絵を描いたり天井に彫刻をほどこしたりする贅沢さ」を意味する
[に]直截簡明は「まわりくどくなく、簡潔でわかりやすいこと」である
[ほ]枕戈待旦は「辛抱強く機会を待って事に及ぶ」を意味する
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:[に]が正しい
説明:[い]彫虫篆刻は「動く小さな虫に彫刻するようなとても困難な作業」を意味する(×)
■彫虫篆刻は「チョウチュウテンコク」と読みます。「文章を作るのに細かい技巧を凝らして字句を飾ること」だそうです。どちらかといえば否定の方向で使われるらしい。「技巧にこだわって飾っただけの内容のない詩文」と解説しているHPもありました。
□彫虫は本来、「虫が木や葉を囓(かじ)って食べるように彫る」という意味らしい。文章を飾る意味に転じたようです。
□篆刻は木や石に文字を刻むことです。篆刻家でいちばん有名なのは北大路魯山人(ろさんじん)でしょうか。画家・陶芸家・漆芸家・料理家・美食家などのさまざまな顔がありましたが、芸術家人生の初期には書道家と篆刻家の顔だけだったようです。
◇*HP「北大路魯山人 篆刻 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E5%8C%97%E5%A4%A7%E8%B7%AF%E9%AD%AF%E5%B1%B1%E4%BA%BA%E3%80%80%E7%AF%86%E5%88%BB&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAcQ_AUoAWoVChMI-8-Q_c3cyAIVB7aUCh19jgs9&biw=1280&bih=632
[ろ]喋喋喃喃は「議論が沸騰して口角泡を飛ばしている様子」である(×)
■喋喋喃喃は「ちょうちょうなんなん」と読みます。「男女がむつまじく語り合う様子、小声で親しく語り合うさま」だそうです。暖かい夜の公園では、ベンチに座った男女が喋喋喃喃をしている様子が見られます。言葉より行動という大胆な男女もいるようですが。
□発音が似た言葉に「丁々発止(チョウチョウハッシ)」があります。こちらには「激しく議論をたたかわせ合うさま」という意味があります。丁々発止の元々の意味はチャンチャンバラバラです。「激しい音を立てて、刀などで打ち合うさま」とのこと。
□「喋」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「チョウ、しゃべる」という字音・字訓があります。喋喋は「よどみなく喋る」という意味らしい。
□「喃」という漢字も常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ナン、くどくどしい」という字音・字訓があります。喃喃は「低い声でくどくどいう」という意味と「鳥の声」という意味があるそうです。男女の睦言では後者の意味かな。
[は]雕梁画棟は「建物に絵を描いたり天井に彫刻をほどこしたりする贅沢さ」を意味する(×)
■雕梁画棟は「チョウリョウガトウ」と読みます。「華やかな彫刻をほどこした梁(はり)、美しい絵が描かれた棟木」から、「豪華で美しい建物」を意味するようです。
□「雕」という漢字は「彫」の異体字だそうです。形は違いますが意味と読みは同じです。
□「梁」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「リョウ、とびいし、やな、はし、はり」という字音・字訓があります。「はり」は、「柱と柱の間に渡した横木」だそうです。
◇*HP「梁 棟木  - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&biw=1536&bih=758&tbm=isch&sa=1&q=%E6%A2%81%E3%80%80%E6%A3%9F%E6%9C%A8%E3%80%80&oq=%E6%A2%81%E3%80%80%E6%A3%9F%E6%9C%A8%E3%80%80&gs_l=img.3...41117.44490.0.44951.5.5.0.0.0.0.94.352.5.5.0....0...1c.1j4.64.img..4.1.91.WwHjxVHkNzg#imgrc=NdEeDKKRcdj5lM%3A
□「棟」という漢字は、常用漢字表では「トウ、むね、むな」というという音読み・訓読みがあります。漢和辞書「字通」では「むなぎ、かしら」という字訓もありました。棟木は「屋根の骨組みの頂部に用いられる水平材」だそうです。
[に]直截簡明は「まわりくどくなく、簡潔でわかりやすいこと」である(○)
■直截簡明は「チョクセツカンメイ」と読みます。直截は、慣用として「チョクサイ」とも読むらしい。「すぐに裁断を下すこと」だそうです。また「遠慮なくずばりと言うこと」だそうです。
□「截」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「セツ、たつ、きる」という字音・字訓があります。
□余談です。明治の軍人・政治家に樺山資紀(かばやま すけのり)という人がいます。陸軍より転じて海軍大将にまでなり、日清戦争当時には軍令部長もつとめたとのこと。文部大臣や内務大臣なども歴任しました。文部大臣時代の樺山資紀の遊説は、直截簡明で知られていたそうです。「とかく教育というものは人造りに金造りでごわす。それについての詳しい事は、岡田参事官からお話します。終り」*5。いまならマスコミに叩かれそうですけどね。
[ほ]枕戈待旦は「辛抱強く機会を待って事に及ぶ」を意味する(×)
■枕戈待旦は「チンカタイタン」と読みます。「常に怠らず戦いに備えるさま」を意味するらしい。
□枕のそばに戈(ほこ、武器)を置いて朝(旦)を待つわけですね。戈は下の画像のような武器です。
◇*HP「戈 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E6%88%88&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAcQ_AUoAWoVChMIsYHe19fcyAIVyp-UCh3mUQQS&biw=1536&bih=758#imgrc=_
□枕戈待旦は武士の心得によく似ています。武士はつねに刀を帯びていましたし、寝るときも刀掛けにかけ、枕のそばに置いて突然の襲撃に備えたそうです。刀掛けに掛ける向きまで決まっていたと言われます*6。
◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定1級試験問題集09年版」成美堂出版編集部編、ISBN978-4-415-20421-5、成美堂出版
◇*2HP「文化庁 | 常用漢字表の内閣告示等について | 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)」
http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf
(pdfファイルを開こうとすると警告が表示されます。文化庁の頁です。ウイルスに感染している可能性はかなり低いと思われますが、自己責任で開いて下さい)
◇*3HP「「彫虫篆刻」(ちょうちゅうてんこく)の意味」
http://yoji.go-kanken.com/yojih/3818.html
◇*4HP「北大路魯山人 - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%A4%A7%E8%B7%AF%E9%AD%AF%E5%B1%B1%E4%BA%BA
◇*5書籍「明治人物逸話辞典 上」初版258頁、森銑三(せんぞう)編、東京堂出版
◇*6HP「時代劇でたまにみる間違い。刀掛けにはどの向きで刀を置くの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201211/article_4.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「漢字源」藤堂明保、学習研究社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

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やはり使われる頻度に寄るんでしょうかね。
魑魅魍魎はすぐにわかりますもんね。
ねこのひげ
2015/12/13 10:11
コメントをありがとうございます。

 なんでこんなにたくさん四字熟語があるのだと思うぐらいに、さまざまな言葉がありますね。昔の中国人は豊かな言語空間を維持していたようです。
 いまはどうなのかな。簡体字では、四字熟語はあまり使われないのかな。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2015/12/13 23:36

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