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zoom RSS 超高級貧乏貴族がアルバイトで書写した源氏物語。1500万円で請け負ったの?

<<   作成日時 : 2015/12/19 08:35   >>

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★歴史★
問題:平安時代の末期から権力を失った貴族たちは耐乏生活を強いられたと言われます。幕末まで約700年ほど。天皇家ですら、お金がなくて葬式が出せず、御遺体を40日も放置したことがあるらしい。ドライアイスのない時代です。天皇の亡骸から蛆(うじ)が湧いたそうです*1。15世紀後半に崩御した後土御門(ごつちみかど)天皇という人だったとのこと。
■貴族社会の最上位の人物がそれですから、あとは推して知るべし。新興勢力の武士に取り入って礼儀作法の講義をしたり、和歌を教えたり、蹴鞠を指導したりして教授料を稼ぐ。みんな生きるためには労働しなければならないことを思い知ったようです。
■たとえば、応永(おうえい)9年(1402年)に生まれ、文明(ぶんめい)13年(1481年)に亡くなっている一条兼良(かねよし/かねら)という貴族です。最高官位は従一位、摂政関白太政大臣までつとめた人物らしい。ところが収入源である越前の国の荘園数カ所は守護の朝倉孝景(たかかげ)に横領されていました。信長に滅ぼされた11代目、最後の当主朝倉義景(よしかげ)の4代前の当主らしい。
■一条兼良は、年間2700万円もの収入が奪われたそうです。朝廷内での権力闘争の影響もあり、彼も貧乏生活だったらしい。清貧を楽しめれば格好良いのですが、なかなかそうも生きません。息子の拝賀式の費用を捻出するために、78歳という老体を運んだのは、なんと憎いはずの朝倉孝景の元だったらしい。
■古典の講義をするだけでなく、色紙や短冊を書いたりして稼いだようです。銭2万疋(ひき)、現在の相場では約1000万円を持ち帰ったらしい*2。さすがにこの行為は仲間内でも評判が悪く、「末代の恥辱を招くもの」と悪口を言われたそうです。
■さまざまな貴族のアルバイトの中には、本の書写という作業も含まれています。このアルバイトの特徴は、地方の守護とか大名のもとに出張しなくていいことですね。座り職人のように、じっと作業していればいいようです。
■では、三条西実隆(さんじょうにし さねたか)という貴族が「源氏物語」全54帖を書写した報酬は現代の価格でいくらぐらいだったでしょうか? 下の選択肢からいちばん近い数字を選んで下さい。参考資料*2に記された価格を正解とします。ちなみに三条西実隆は、享徳(きょうとく)4年4月25日(1455年5月11日)に生まれ、天文(てんぶん)6年10月3日(1537年11月5日)に亡くなっています。一条兼良と重なっていますが、年齢差は50歳以上ありますね。また、源氏物語は全部で100万文字弱、400字詰原稿用紙で約2400枚ほどだそうです*5。
[い]50万円
[ろ]150万円
[は]350万円
[に]750万円
[ほ]1500万円
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[ろ]150万円
説明:三条西実隆は、能登守護畠山義元(よしもと)と肥後の鹿子木親員(かのこき ちかかず)の2人に依頼され、源氏物語の書写をしたらしい。それぞれ受け取った報酬は3000疋、約150万円だったようです*2。計算すると、400字詰め原稿用紙1枚分は625円になります。
■三条西実隆は最終官位が正二位内大臣だそうです。彼もまた超高級官僚だったわけですが、やりくりには苦戦していたらしい。文明(ぶんめい)19年(1487年)の正月には、当時の将軍足利義政(よしまさ)に参賀に行きたくても支度する金がなくて取りやめているとのこと。
■150万円という報酬が高いのか低いのか。よくわかりません。また、当人が筆を執って作業をしたのかどうかもわかりません。手下にやらせて、自分は校正だけという可能性もあります。まぁ、いずれにせよ、当時の貴族は一所懸命稼いでいたのだということだけはわかりますね。
■余談です。一条兼良の書翰が売りに出されたことがあるそうです。昭和51年(1976年)の古書目録に記載があるらしい。「源氏物語」の書写を依頼され、その用紙を請求する手紙に150万円という価格がついていたらしい*2。一条兼良もまた源氏物語書写のバイトをしていたわけですね。100万字弱を書写して、相場は150万円。そして用紙を請求する手紙はわずかに14行だそうですが、こちらも現代では150万円。なんだか変な偶然ではあります。
◆参考*1:HP「お金がなくて遺骸がなかなか処理できなかった天皇とはだれ? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201308/article_12.html
◇*2書籍「古典でたどる日本サラリーマン事情」初版155〜158頁、山口博(ひろし)著、ISBN 4-569-22222-6、PHP研究所
◇*3HP「一条兼良 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E6%9D%A1%E5%85%BC%E8%89%AF
◇*4HP「三条西実隆 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%9D%A1%E8%A5%BF%E5%AE%9F%E9%9A%86
◇*5HP「源氏物語 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%90%E6%B0%8F%E7%89%A9%E8%AA%9E

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コメント(2件)

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現代でも有名人というだけでしょうもない絵画やサインが高値で取引されてますからね。
しかし、150万円はちょっと安いかな?
けっこう大変だと思いますよ。
ねこのひげ
2015/12/20 13:22
コメントをありがとうございます。

 1時間で4枚ぐらいは写せそうですから、400字詰め原稿用紙1枚あたり625円だとすれば、時給2500円となり、学生のバイトとしては悪くないでしょう。でも年収3000万円近くあった高級貴族の副業としては、安いのでしょうね。書痙(ショケイ、文字の書き過ぎで出る手首の炎症)になりそうですし。

 素町人などは字の読み書きはできますが、あまりにきたない字なので商品になりません。残念ながら、バイトにもありつけないかな。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2015/12/20 17:19

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