町人思案橋・クイズ集

アクセスカウンタ

zoom RSS 仙人以外に「霞(かすみ)を食う」人がホントにいたの?

<<   作成日時 : 2015/08/06 09:42   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

画像
★日本語★
問題:霞というのは、「空気中に浮かんでいるさまざまな細かい粒子のため、遠くがはっきり見えない現象」だそうです。水蒸気だけでなく「さまざまな細かい粒子」によっても光の進行が妨げられるのかな。たとえばPM2.5でも霞は生じるのかな。単なるスモッグかもしれませんね。
■平安時代ごろから、春は霞、秋は霧と区別されるようになったそうです。たしかに桜の季節にはよく「霞がかかった」という表現を聞きます。なお、気象庁のHPによれば、霧は予報用語ですが霞はとくに定義のない言葉であり、「使用を控える用語」に指定されているらしい*2。
■辞書によれば、酒のことも霞と呼ぶらしい。浦霞という宮城・塩竃(しおがま)市の日本酒は知っていましたけど、調べてみると、花霞(はながすみ?、智恵子の花霞)とか霞山(かざん)、霞月(かすみづき)、初霞(はつがすみ)などなど、霞のつく商品名は少なくないようですね。
■「霞を食う」という表現は、「俗世間を超越して生きる」という意味があります。仙人が霞を食って生きていると信じられていたそうです。霞はとくに労働しなくても手に入ります。あっさりしていて、中性脂肪や血糖値をあげる作用もなさそうです。俗世間を超越できるかもしれません。例外は久米の仙人かな。雲の上から下界の若い女性の足を見て欲情し、神通力を失ったといわれているそうで、霞だけで生きているわりにはずいぶんギラギラしています*3。口絵は久米仙人を魅了した若い女性の脚線美らしい。
■ところで、江戸時代の日本では、仙人以外にも「かすみをくって」生きていた人たちがいたそうです。それは次の誰でしょうか?
[い]木樵(きこり)
[ろ]山伏(やまぶし)
[は]猟師
[に]炭焼き
[ほ]蜂飼い(養蜂業)
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[ろ]山伏(やまぶし)
説明:山伏というのはプロの宗教家ですね。古くは「山臥」と表記されていたらしい。山中に起き臥(ふ)し、修行して、霊力つまり験力(げんりょく)を修めた者をいうそうです。修験者(しゅげんじゃ)とか験者(げんじゃ)とも呼ばれるらしい。
■格好は独特です。歌舞伎十八番の1つ「勧進帳(かんじんちょう)」の弁慶・義経・その他従者たちは山伏の格好をしています。
◇*HP「山伏 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E5%B1%B1%E4%BC%8F&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=E7PgU5_vDsnr8AXmzYCgDg&ved=0CAgQ_AUoAQ&biw=1371&bih=732
■山伏は仏教系らしい。たしかに「勧進帳」でも東大寺が焼失したから再建のための寄付を集める(勧進(かんじん)する)者という触れ込みで義経主従は山伏に扮していました。
■天台宗系の本山派と真言宗系の当山派の2つの系統があったようです。前者は園城寺(おんじょうじ)(別名を三井寺(みいでら))に属する聖護院(しょうごいん)によって統轄された山伏集団だそうです。後者は醍醐寺(だいごじ)の三宝院(さんぼういん)に所属する山伏集団とのこと。どちらも山伏の正統派を主張していたらしい。江戸時代初めには抗争が絶えなかったようです。
◇*HP「園城寺 三井寺 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E5%9C%92%E5%9F%8E%E5%AF%BA%E3%80%80%E4%B8%89%E4%BA%95%E5%AF%BA&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAgQ_AUoAmoVChMIzJyir5qTxwIVojKmCh12LQjg&biw=1268&bih=606
◇*HP「醍醐寺 三宝院 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E5%9C%92%E5%9F%8E%E5%AF%BA%E3%80%80%E4%B8%89%E4%BA%95%E5%AF%BA&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAgQ_AUoAmoVChMIzJyir5qTxwIVojKmCh12LQjg&biw=1268&bih=606#hl=ja&tbm=isch&q=%E9%86%8D%E9%86%90%E5%AF%BA%E3%80%80%E4%B8%89%E5%AE%9D%E9%99%A2
■江戸時代の太平が続くと、山の中の修行場に籠(こも)ったり、全国の山を巡り歩いて修行したりすることは、なくなっていくらしい。町や村に定住します。堂社を構えます。祈祷師となる者が多かったらしい。堂社の中には、不動明王の像を安置し、病気を治したり、災難をよけたりする祈祷をし、邪霊を払う憑きもの落としを行い、また人々の運勢をみたりしていたとのこと。
■一般の僧侶が自分の寺の檀家を持っていたように、山伏も一定の地域に自分の檀家・信者をもっていたようです。この山伏が自分の勢力範囲とする区域・縄張りを、「かすみ(霞)」と呼んだらしい。かすみは仮住、仮りの住まいからきたのかもしれません。はっきりした由来は分かっていないそうです。
■山伏は年に1度、自分のかすみ場を回り、災難除けの御札を配り、祈祷料をもらって生活の資を得ていたようです。かすみからのあがりで山伏の生活は成り立っていたわけで、「いわばかすみを食べていたのである」とのこと*1。
◆参考*1:書籍「日本語話題事典」初版280頁、担当筆者川村邦光(くにみつ)、ISBN4-324-01495-7、ぎょうせい
◇*2HP「きり(霧)ともや(靄)とかすみ(霞)。どう違うの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201309/article_5.html
◇*3HP「江戸の小噺(こばなし)。自惚れ(うぬぼれ)が強いと凧(たこ)と何を間違えるの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200907/article_20.html

ぬけられます→日本語雑学クイズ一覧

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
かすみ場・・・・お寺の檀家みたいなものなんですね。
ヤーさんの縄張りと一緒かな?
ねこのひげ
2015/08/09 08:31
コメントをありがとうございます。

 かすみ場はどうも縄張りに近いようですね。
 大昔の仏教者には穀断ち聖(こくだちひじり)とか木食上人(もくじきしょうにん)のように、五穀を口にせず、草木を食べて生きた人たちもいたと聞きます。だんだん生臭くなってきて、かすみ場から現金収入を得る行為を恥じないようになっていくのでしょうね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2015/08/10 08:27

コメントする help

ニックネーム
本 文
仙人以外に「霞(かすみ)を食う」人がホントにいたの? 町人思案橋・クイズ集/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる