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zoom RSS 漢検準1級程度の難読熟語。「夙志」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2015/07/27 08:37   >>

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★日本語★
問題:本日のクイズは漢検準1級の難読熟語ではありますが、ほとんど使われない熟語が多いようです。
■題の問題の答は「シュクシ」だそうです。「幼少・若年のころからの志」とのこと。「宿志」という発音がおなじ言葉があります。意味も同じとのこと。ACミランに入団した本田選手は、子供のころからの夙志・宿志を見事に実現したのかな。最近では、レギュラー争いに不安も伝えられているようですが。
■「夙」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「シュク、つとに、はやい」という字音・字訓があります。熟語はたくさんありますが、現代でも使われるものは見当たりませんでした。関西の人ならば夙川(しゅくがわ)という阪急電鉄の駅名を思い出すかも知れません。意味としては「早川」とおなじなのかな。
◇*HP「夙川駅(兵庫) - Google マップ」
https://www.google.co.jp/maps/place/%E5%A4%99%E5%B7%9D%E9%A7%85%EF%BC%88%E5%85%B5%E5%BA%AB%EF%BC%89/@34.742162,135.328077,13z/data=!4m2!3m1!1s0x6000f2fca88d8135:0x248a4dbc60b1751?hl=ja
■では本番です。次の熟語はそれぞれなんと読むのでしょうか?
[い]阿堵物
[ろ]屑屑(と働く)
[は]屡次
[に]春塘
[ほ]岡陵
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]阿堵物はアトブツと読む
■阿堵物は「銭(ぜに)の異名」だそうです。中国の宋の時代の俗語で「このもの」の意味があるそうです。日本でも、直接名前を呼ぶのを憚(はばか)るときに、「あれ」とか「例の物」などと呼んだりしますね。同じような使い方だったのかな。
□三田村鳶魚(えんぎょ)という江戸時代の研究家がよく使っています。たとえば、「これがために世間の衆怨(しゅうえん、多くの人のうらみ)を買い、あわせて手中の阿堵物を失う。要するに自滅を急ぐのである」。お金持ちの行動について論じている場面で使われていました。
[ろ]屑屑(と働く)はセツセツと読む
■「セツセツと働く」は、せわしなくコマネズミのように働くことらしい。「くずくず」、いや「ぐずぐずしている」のとは真逆のようです。
□口語では「せっせと働く」といいます。元は「屑屑」なのかと憶測しました。「精々と」(尾崎紅葉の「多情多恨」)とか、「切々と」(徳富蘆花の「自然と人生」)とか、「汲々と」(島崎藤村の「藁草履」)などの例は見られました。いずれも「せつせと」と振り仮名が示されています。でも「屑屑と」は見当たりません。憶測は外れなのかな。
□「小さなことにこだわるさま」という意味もあるらしい。「屑屑たる小人物」などと使われるそうです。また、雨などが細かく降るさまも「屑屑として梢を濡らす」などと使われるらしい。
[は]屡次はルジと読む
■屡次は「たび重なること」だそうです。「たびたび、しばしば」と言い換えられるらしい。
□「想古録」という江戸時代の本には、「佐藤一斎は文章を好み、寝食を忘るること屡次あり…」と記されています。佐藤一斎(いっさい)は江戸後期の儒学者とのこと。たびたび徹夜もしたし、飯を抜いたのかな。同時代の渡辺崋山(かざん)の筆による人物画によれば、痩せた人のようです。無理をしすぎたのかな。
◇*HP「佐藤一斎 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E4%BD%90%E8%97%A4%E4%B8%80%E6%96%8E&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0CAgQ_AUoAmoVChMIhbnW0_f5xgIVyZqUCh3xZAgb&biw=1729&bih=845#imgrc=z_Dj4V9fg2vxJM%3A
[に]春塘はシュントウと読む
■春塘は「春の堤」だそうです。桜が咲いていることもあるのかな。足元には土筆も生えているかも。のどかな感じがしますね。雅号や画号に春塘とつける文人や画家もいたらしい。重(しげ)春塘、高田(たかた)春塘、大江春塘という名前が挙げられるようです。
□重春塘は幕末から明治期の日本画家だそうです。高田春塘は江戸後期の漢詩人。大江春塘は江戸後期の医師・蘭学者だそうです。
□「塘」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「トウ、つつみ」という字音・字訓があります。塘池と書いて「トウチ」と読み、溜池を意味するとのこと。
[ほ]岡陵はコウリョウと読む
■岡陵は丘の意味らしい。地面が少し出っ張っている部分のようです。岡と丘はほぼ同義であり、陵も「つか、おか」という字訓があるそうです。
□「日本書紀」によれば、蘇我馬子(うまこ)は崇峻(すしゅん)天皇に嫌われていることを知り、東漢直駒(やまとのあやのこま)に命じて天皇を殺させて倉梯(くらはし)岡陵に葬ったとのこと。暗殺であることが確定している唯一の天皇のお墓は現在の奈良県桜井市大字倉橋にあるそうです。
◇*HP「崇峻天皇陵 - Google マップ」
https://www.google.co.jp/maps/place/%E5%B4%87%E5%B3%BB%E5%A4%A9%E7%9A%87%E9%99%B5/@34.4902791,135.8604232,10z/data=!4m2!3m1!1s0x6006cba9ecef6d65:0x93f6143c9755aabc?hl=ja
◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定準1級試験問題集09年版」成美堂出版編集部編、ISBN978-4-415-20422-2、成美堂出版
◇*2HP「文化庁 | 常用漢字表の内閣告示等について | 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)」
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/pdf/jouyoukanjihyou_h22.pdf
(pdfファイルを開こうとすると警告が表示されます。文化庁の頁です。ウイルスに感染している可能性はかなり低いと思われますが、自己責任で開いて下さい)
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「漢字源」藤堂明保、学習研究社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
夙というのは、非人のことで、奈良時代以前から存在していたようで、天皇の墓守から派生したといわれてます。
現在では差別用語ということで消えてしまいましたが、ねこのひげは、白戸三平さんの漫画『カムイ伝』で知りました。
ねこのひげ
2015/08/02 05:32
コメントをありがとうございます。

「夙」という漢字にはそんな意味もあるんですね。知りませんでした。
 関東ではあまり聞きませんが、関西では確かに差別する人、される人がいますね。
 京都のある喫茶店でウェイターのバイトをしていたとき、隣の商店から珈琲の注文を受けました。他の人がなぜか行かないので、素町人が持っていきました。
 あとで同僚から、あそこはヨツやから、と敬遠の理由を聞いて驚きました。20世紀の今時ねぇと感心したのを覚えています。
 21世紀に入り、被差別部落出身であることを逆手に取って、役所からムシリ取っている人たちがいるという報道がいくつかありました。奈良とか京都の話でした。
 差別はいつの時代でもあり、それを利用する人間もまたいつの時代にもいるのかな。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2015/08/02 20:27

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