町人思案橋・クイズ集

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zoom RSS 宇宙発電用、マイクロ波による送電実験に近距離で成功。でも鳥に当たったら焼き鳥になるの?

<<   作成日時 : 2015/06/23 08:57   >>

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★科学★
問題:屋根に太陽光発電のパネルを見ることが多くなってきました。環境にやさしい発電方法だと言われています。ただし、北緯35度±10度の日本では、降り注ぐ光線量はさほど多くはありません。夏至のころはいいかもしれませんが、冬至のころは半分ぐらいになってしまうとも聞きます。運の悪いことに夏至のころは多くの地域が梅雨のまっただなかですし。梅雨のほとんどない北海道、たとえば札幌は北緯43度ぐらいで、光線量が少ないようですし。
■日本はまた国土の狭さがありまして、大規模なパネルを広げることがむずかしいという事情もあります。やれやれ。うまくいかない。
■科学の力でなんとかしたいと思った人たちは、宇宙で発電させるという計画を考えているらしい*3。日本の上空、静止衛星の軌道上に太陽光発電のパネルを広げます。宇宙ですから広げ放題です。梅雨もないし、雲で遮られることもありません。大きな電力を発電できます。しかも24時間だそうです。3万6000km、地球の半径の5倍以上の上空です。夜になっても地球の影に入らないのかな。なお、口絵はWikipediaの太陽光発電の項に掲載されていた宇宙における太陽光発電衛星の想像図とのこと。
■生成されたエネルギーは日本に向けて送電します。宇宙空間からの送電ですから、電源ケーブルは使えません。考えられているのはマイクロ波などによる送電方法などです。
■そういえば以前に宇宙エレベーターの話をご紹介したときにも、送電線を使わない送電方法が検討されていると聞きました。こちらはレーザー技術を使うとか*1。日本でもマイクロ波でいくか、レーザー光を使うか、はたまた両方を組み合わせるか。検討中なのかな*3。
■最近、日本で実験されたマイクロ波は携帯電話や電子レンジなどに用いられる波長の電波だそうです。ちょっと気になりますね。遠いところから来るとはいえ、100万kW、原発1基分ぐらいの電力エネルギーを地上で受信することになるらしい。電子レンジは1kW以下ですが、それでも食品はあれだけ熱くなります。ひょっとしたら日本の空の一部分は巨大な電子レンジになってしまうのではないか?
■本日の問題は、宇宙発電用のマイクロ波の危険についてです。大きな電力エネルギーを送る電波が空から地上へと送られているとします。運悪くその電波を浴びた飛行機とか鳥などはどうなってしまうのでしょうか。次の中から正しい説明を選んで下さい。
[い]飛行機は末端から火花を出して破壊され、鳥は焼き鳥になると見られている
[ろ]飛行機は落ちないが、鳥は落ちると見られている
[は]飛行機は落ちるが、鳥は落ちないと見られている。
[に]飛行機にも鳥にも影響は出ないが、万一のため、付近は航行禁止になる
[ほ]飛行機にも鳥にもまったく影響はないので自由に航行させる
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[に]飛行機にも鳥にも影響は出ないが、万一のため、付近は航行禁止になる…が正しい
説明:物凄いエネルギーが飛んでくるのにその中心あたりを通り過ぎても、鳥や動物、人間などの身体には、せいぜい「少し暖かいな」と感じる程度のものらしい。ちょっと不思議ですね。電子機器の万一の誤作動を防ぐため、受電部の周辺は人や飛行機などの立ち入りを制限する予定らしい。
■意外ではありますが、宇宙発電が行なわれ、原発1基分100万kWのエネルギーがマイクロ波で送られてきたとしても、「その中心部でも地上に降り注ぐ太陽光の強度の数倍程度」と実験を担当した専門家たちは言っているらしい*2。
■今回の実験は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と宇宙システム開発利用推進機構が共同で行なったようです。3月8日、兵庫県の施設で送電部から1.8kWの電力をマイクロ波で送ったらしい。55m離れた受電部で約340Wの電力として取り出すことに成功したとのこと。81%は失われましたが、これは想定内だったようです。受電部が小さくて全てのマイクロ波を受けきれなかったとのこと。また、受け側で電力に変換する効率が低かったらしい。
■白熱電球は90%のエネルギーを無駄にしていると聞きます。自動車は通説では70%、参考資料*5の自動車メーカーの技術者の話では約80%ものエネルギーが走行エネルギー以外に浪費(?)されているとのこと。81%の損失は、我々素人にはショックですが、玄人には驚くほどの衝撃はないのかな。
■実際の宇宙太陽光発電システム(SSPS=Space Solar Power System)を完成させるためには、送電技術もさることながら、まず太陽光発電パネルの材料を静止軌道上に運ぶ必要があります。予想では総重量が1万トン以上になるとか。国際宇宙ステーションの420トンと比べても、とてつもなく大きな計画であることがわかります。
■現在のところ、わが国でいちばん推進力のあるHIIBロケットですら、静止軌道上まで物を運ぼうとすると最大で1回につき8トンぐらいだそうです*4。計算上1250回も打ち上げねばなりません。1回に100億円以上かかりますので、打ち上げだけで12兆5000億円以上という巨費がかかります。これはちょっと現実的でない。仮に団体割引75%引きが使えたとしても、3兆円以上です。もちろん材料費も人件費も研究開発費も諸雑費も必要です。かなり大がかりな予算になるのでしょう。
■材料を運んだとしても、どうやって組み立てるか。ロボットの出番でしょうけれど、どのように進めていくのか。まだまだ検討・調査・実験しなければならないことがたくさんあるようです。でも、なかなか気宇壮大です。やるかやらないか、国民投票で決めるとすれば、素町人としてはきっとやるほうに一票を投じますね。
◆参考*1:HP「宇宙とエレベーターでつながる日は10年後に予定されているの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200708/article_66.html
◇*2雑誌「電力を無線で送る試験に成功」Newton (ニュートン) 2015年6月号14頁、ニュートンプレス
◇*3HP「JAXA|福室康行 宇宙での太陽光発電、実用化に向けて」
http://www.jaxa.jp/article/interview/vol53/index_j.html
◇*4HP「H-IIBロケット - Wikipedia」
https://ja.wikipedia.org/wiki/H-IIB%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88
◇*5HP「http://www.jsae.or.jp/engine_rev/docu/enginereview_02_04_03.pdf」(ダイハツ工業の技術者の論文)
http://www.jsae.or.jp/engine_rev/docu/enginereview_02_04_03.pdf
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コメント(2件)

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ねこのひげも一票投じますね。
なんとか、実現して欲しい物です。
ねこのひげ
2015/06/28 08:46
コメントをありがとうございます。

 静止衛星の軌道から電磁波でエネルギーを送るというのは、なかなか雄大な計画ですね。こういうの好きです。

 発電されたエネルギーを送るのではなく、思いっきりでかい鏡、あるいはレンズを置くという発想があってもいいかもしれません。光が拡散しないように知恵を絞り、地上の限定された場所で受けます。
 発電装置とか送電設備は地上のほうが損失が少ないかも知れません。維持管理は圧倒的に楽そうですし。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2015/06/28 19:40

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