町人思案橋・クイズ集

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zoom RSS 「歓びの歌」や「ウイリアム・テル」で知られるシラー。太宰治はシルレルと呼んでいたの?

<<   作成日時 : 2015/04/08 08:02   >>

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★歴史★
問題:毎年、年末になるとベートーベンの「♪交響曲第9番・合唱付き」を聞くことが出来ます。古典音楽の愛好家でなくても、最終楽章の「歓びの歌(歓喜の歌)」の旋律は、なんとなく覚えていますね。
▼交響曲第9番・歓喜の歌

■この歌の詞はフリードリヒ・フォン・シラーの「自由賛歌」という詩からとられているらしい。作曲者のベートーヴェンはシラーの詩が好きだったとのこと。で、作品に採用したのでしょう。そのとき、歌詞を若干変更したとWikipediaには記されています。現代ですと著作者人格権の中の同一性保持権の侵害にあたるのかもしれません。「♪おふくろさん」の作詞家なら激怒する場面かな*4。でもシラーはそのとき既に鬼籍に入っていましたし、遺族もとくに文句は言っていないようです。
■楽曲化されたシラーの作品でもうひとつ大変知られているのが歌劇「ウイリアム・テル」とのこと。
▼ウイリアム・テル序曲(5分40秒、8分15秒あたりからとてもよく知られる旋律が始まります)

■昭和30年代に子供だった者としては、米国製テレビ劇を思い出しますね。「ローン・レンジャー」の中で勇ましい旋律の一部、8分15秒あたりから始まる部分が使われていました。白馬にまたがった主人公の姿が目に浮かんできます。
◇*HP「ローン・レンジャー - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=h14kVY2EN4Hl8AW2kIHYBg&ved=0CAcQ_AUoAQ&biw=1280&bih=632
■シラーは、詩人であり、歴史学者であり、劇作家であり、思想家だった人です。1759年(宝暦(ほうれき)9年)に生まれて1805年(文化(ぶんか)2年)に亡くなっています。ゲーテと並んで18世紀から19世紀のドイツ文学界の巨人でした。
■本日はシラーについての雑学クイズをお楽しみください。次の記述のうち、正しい説明を選びましょう。(正しい説明は無いかもしれないし複数かもしれません)
[い]太宰治や芥川龍之介、泉鏡花、森鴎外はシルレルと呼んでいた
[ろ]シラーは腐った肉の臭いをかがないと詩が書けなかった
[は]寄宿学校にいたとき、友人の独訳シェークスピア本を欲しくて食事と交換に手に入れたが、文学書所持禁止という学則にひっかかってしまい、取り上げられてしまった
[に]シラーは歴史学の大学教授に任ぜられたことがあったが人気が無く、学生はいつも数人しか受講しなかった
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[い]と[は]が正しい
説明: [い]太宰治や芥川龍之介、泉鏡花、森鴎外はシルレルと呼んでいた(○)
■「ギョエテとは 俺のことかと ゲーテ言い」というのは斎藤緑雨(りょくう)の皮肉な句らしい。「ギョエテ、ゲョエテ、ギョーツ、グーテ、ゲエテ」その他、数十もの呼び方があったとWikipediaのゲーテの項には記されています。
□そこまで多様ではないのでしょうが、シラーも少なくとも2種類はあったらしい。シルレルという呼び方ですね。太宰治は「みみずく通信、もの思う葦、ダス・ゲマイネ、心の王者、正義と微笑、猿面冠者、走れメロス」などでシルレルという表記を使っています。「走れメロス」ではいちばん末尾に「(古伝説と、シルレルの詩から。)」と記しているようです。
□芥川龍之介は「続澄江堂雑記」という作品で使っています。「シルレルの遺骸(ゐがい)は彼の歿年、――千八百五年以来、ちやんとワイマアルの大公爵家の霊廟(れいべう)の中に収められてゐた」。
□泉鏡花は「 婦系図 (おんなけいず)」で、「精々勉強したら、名高い、ギョウテの(ファウスト)だとか、シルレルの(ウィルヘルム、テル)………でしたっけかね、それなんぞ、何年ぐらいで読めるようになるんでしょう」と使っています。ギョウテとはゲーテのことでしょうね。
□森鴎外は「うたかたの記」という文章で使っています。「ギョオテ、シルレルの詩抄半ばじゆしてキョオニヒが通俗の文学史を繙(ひもと)き、あるはルウヴル、ドレスデンの画堂の写真絵、繰りひろげて、テエヌが美術論の訳書をあさりぬ」。ギョオテとはゲーテのことでしょうね。
[ろ]シラーは腐った肉の臭いをかがないと詩が書けなかった(×)
■正しくは「腐った林檎(りんご)の臭い」だそうです。ゲーテはある日シラーの家を訪問します。留守だったので奥方の許可を得てシラーの机を借り、ちょっと書き物をしていたそうです。
□どこからともなく妙な臭いがしてきます。だんだん耐え難くなってきたので、発生源をつきとめるべく抽斗(ひきだし)を開けてみたらしい。腐った林檎がいっぱい入っていたそうです。
□ゲーテは窓を開いて新鮮な空気を吸い、やっと気分が戻ったらしい。ちょうどそこへシラー夫人が来て、「あの人はこの匂いがなければ、生きることも仕事をすることもできませんの」と言ったそうです。
□創作活動にはマリファナやLSD、大麻、覚醒剤、その他の危険薬物が必要だとする人たちもいます。それよりははるかにマシですが、ちょっと妙な癖ではあります。
[は]寄宿学校にいたとき、友人の独訳シェークスピア本を欲しくて食事と交換に手に入れたが、文学書所持禁止という学則にひっかかってしまい、取り上げられてしまった(○)
■シラーのお父さんは厳格な軍人だったそうです。1759年(宝暦(ほうれき)9年)に生まれたシラー君は少年時代から軍人養成学校に寄宿させられていたらしい。たまたま友達が独訳されたシェークスピアの本を持っていたようです。寄宿舎では育ち盛りの子供に対する食事としては貧しいものしか出ず、生徒たちはいつも飢えていたらしい。シラーは数回分の食事と交換するという魅力的な条件を出し、この本を手に入れたようです。
□ところが厳格な寄宿舎の学則は文学書を一切禁止していたらしい。せっかく手に入れたのに没収されてしまったとのこと。シラーがひどく嘆いていると、アーベルという先生が「心理学の研究のために」という理由をつけて、特別にシェークスピアを読むことを許してくれたとのこと。話せる先生ですね。
□なお、この学校の記録には、次のような懲罰公告が残されているそうです。「生徒グロース二世。掃除女に珈琲を作らせ、その謝礼に一枚のシャツを与へし故。生徒シラー及バーツ。生徒グロース二世に付き合ひ、上記下女の許にて珈琲を飲みし故」。軍人養成学校の規則はなかなか厳しかったようです。
[に]シラーは歴史学の大学教授に任ぜられたことがあったが人気が無く、学生はいつも数人しか受講しなかった(×)
■シラーは学校を卒業して連隊付軍医となりますが、処女作「群盗」をきっかけに軍隊を飛び出し、各地を放浪していたようです。創作を続けるかたわら、短期間ではありますが、イェーナ大学で歴史学を教えていたことがあるとのこと。イェーナ大学は1934年(昭和9年)にフリードリヒ・シラー大学イェーナと改称しているそうです。
□シラーの名前は著作物の人気でたいへんよく知られていたらしい。現在でいうところのタレント教授のような感じだったのかな。最初の講義には80人の教室に数百人がつめかけるといった盛況だったらしい。危ないので、大きな講堂に移動することになります。慌てた学生たちが講堂めざして通りを駆け抜けたらしい。住民は何事かと驚いて表に飛び出し、最後には「火事だ!」という悲鳴があがって火災警報が出され、町全体が大混乱に陥ったそうです。「物見高いは人の常」という言葉がありますが、洋の東西を問わず事実のようですね。
◆参考*1:書籍「西洋人物こばなし辞典」初版114〜116頁、三浦一郎編、ISBN4-490-10218-6、東京堂出版
◇*2HP「ドイツの大作家、ゲーテとかシラーっていつごろの人なの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200608/article_49.html
◇* 3書籍「世界人物逸話大事典」初版499頁、朝倉治彦・三浦一郎編、ISBN4-04- 031900 -1、角川書店
◇*4HP「おふくろさん騒動 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%B5%E3%81%8F%E3%82%8D%E3%81%95%E3%82%93%E9%A8%92%E5%8B%95

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コメント(2件)

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シルレルとかギョエテというのは聞こえてきた発音をそのままに表現したんでしょうね。
シラーとかゲーテはたぶん海外では通じないでしょうね。
ねこのひげ
2015/04/12 06:00
コメントをありがとうございます。

 シラー(Schiller)もゲーテ(Goethe)も、元の文字を見せないと理解してもらえないかもしれませんね。
 だいたい、欧州でも各国により、読み方が違う例が少なくないとか。
 参考資料によれば、英語ではチャールズですが、フランスではシャルル。ドイツではカール。イタリアではカルロ。スペインでカルロス。ロシアではカルル。連中だって統一がとれていないのですから、我々が混乱するのも無理はありませんよね。
→人名言語変化対照表・1
http://www9.wind.ne.jp/chihiro-t/royal/henka.htm
(^^;)
 
 
ねこのひげ様<素町人
2015/04/12 10:20

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