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zoom RSS 交ぜ書き表記の修正問題。「刺しゅう」はホントはどう書くの?

<<   作成日時 : 2015/04/27 08:16   >>

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★日本語★
問題:交ぜ書き表記とは、本来漢字だけで表記すべき熟語を、ひらがなを交ぜて書くことです。発生した原因と弊害については、すでに何度も触れているので、そちらをご覧下さい。
◇*HP「交ぜ書き表記の問題。「がい骨」は正しくはどう書くの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201403/article_14.html
◇*HP「漢字混ぜ書き表記の熟語。「こん身の力作」の「こん身」ってホントはどう書くの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200905/article_12.html
■題の問題の答は「刺繍」です。「繍」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「シュウ、ぬいとり」という字音・字訓があります。「綉」という漢字の異体字だそうです。読みと意味はおなじで形は違うらしい。また、「繡」という漢字の異体字でもあります。こちらは古いけど由緒正しい漢字のようですね。
■ちなみに「繍」はJIS第一水準の漢字であり、「綉」はJIS第二水準の漢字だそうです。「繡」はJIS第三水準の漢字とのこと。でもどの字も常用漢字表からはお呼びがかからなかったらしい。
■では交ぜ書き表記を駆逐する作業に立ち会っていただきましょう。次の交ぜ書き表記を正しく書き直してください。
[い]残がい
[ろ]惨たん
[は]山ろく
[に]自ちょう
[ほ]し好
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]残がいは残骸と書く
■残骸は、もともとは「捨て置かれた死体」という意味だそうです。転じて「もとの形をとどめないほど、壊れたり破壊されたりして残っている物」の意味も生まれたらしい。
□「骸」という漢字は平成22年(2010年)に常用漢字表に追加された196字のうちの1字です。読みとしては「ガイ」という音読みのみが記されています。漢和辞書「字通」によれば、「むくろ、はぎぼね」という字訓もあります。
□今後は「がい骨、残がい、形がい化、死がい」などの交ぜ書き表記はなくなっていくのかな。それぞれは「骸骨、残骸、形骸化、死骸」といった、正しい表記にしてほしいものです。
[ろ]惨たんは惨憺と書く
■惨憺は「いたましいこと。なげかわしいこと」だそうです。事故や災害など悲劇を描写する際にはよく使われます。
□「憺」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「タン、やすらか、たのしむ、しずか」という字音・字訓があります。あれ。なんだかイメージが違っちゃいました。「惨」のほうは「サン、ザン、そこなう、いたむ」という字音・字訓があります。でも「憺」のほうは悲劇とは縁遠い漢字のようです。「漢字源」という字典も調べてみましたが、「字通」とおなじでした。
□「惨憺」のほかに「惨澹」という表記もあるそうです。「澹」という漢字も常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「タン、うごく、しずか、やすらか」という字音・字訓があります。やはり悲劇とは真逆の雰囲気です。こちらも「漢字源」もおなじです。どうなっているのかな。素人にはお手上げです。
[は]山ろくは山麓と書く
■山麓は「山のふもと、山のすそ」です。
□「麓」という漢字は、「骸」とおなじで平成22年(2010年)に常用漢字表に追加された196字のうちの1字です。常用漢字表では「ロク、ふもと」というという音読み・訓読みがあります。漢和辞書「字通」では「ロク、ふもと、やまもり」という字音・字訓があります。営林署の職員という意味もあるのかな。
[に]自ちょうは自嘲と書く
■自嘲は「自分で自分をつまらぬものとして軽蔑すること」だそうです。自分をつまらぬものとは思っていますが、なかなか軽蔑するまでには至りません。自分が好きなのかな。
□「自ちょうする」では「自重」なのか「自嘲」なのかわかりません。でも「重」が常用漢字表に掲載されていない筈はありません。ようやく「自嘲」だとわかります。理解が遅くなります。これも交ぜ書き表記の弊害のひとつかな。
□「嘲」という漢字も平成22年(2010年)に常用漢字表に追加された196字のうちの1字です。常用漢字表では「チョウ、あざける」というという音読み・訓読みがあります。漢和辞書「字通」もおなじでした。
□「嘲笑」という熟語をつくります。よく使われる言葉ですね。これもいままでは「ちょう笑」と表記されていたのかな。ともあれ、今後は「自嘲、嘲笑」になっていくはずですね。
[ほ]し好は嗜好と書く
■嗜好は「たしなみ、好むこと」だそうです。
□嗜好品という言葉でよく使われます。酒も煙草もコーヒーもお茶も嗜好品だそうです。嗜好品は栄養には期待しません。医療効果も期待しません。生命維持の役割はありません。でも、ないと淋しく感じられます。食べたり飲んだり吸ったりすると心が落ち着きます。他人との意思や感情の疎通を円滑にすることもあるらしい。
□「嗜」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「シ、たしなむ、このむ」という字音・字訓があります。「嗜眠」という熟語をつくります。「眠ることを好む」らしい。ナルコレプシーと呼ばれる病気があり、すぐ寝てしまうらしい。嗜眠症とも呼ばれているそうです。
□余談です。赤穂浪士の1人、武林唯七(ただしち)という人は、主人浅野長矩(ながのり)の月代(さかやき)を剃る役目を仰せつかっていました。ある日、剃刀の刃が柄にしっかり入っていなくてグラグラしていたらしい。これじゃ危ないな。殿様のおつむりに傷をつけたら大変だ。そう思ったのか、殿様の頭に剃刀の柄をトントンと当てて、刃を固定しようとしたそうです。畳に当てればよかったのに。
□浅野の殿様は痛かったのか、怒声を発します。武林君は自分がとんでもないことをしてしまったと気付き平伏して沙汰を待ったそうです。浅野の殿様は腹を切れといいます。直前で許してやろうとしたらしい。叱責の寸止めですね。
□武林君は、袴の紐を解き始めましたが、そのうち動かなくなってしまったようです。あれ、こいつどうしたんだ。殿様が近寄ってみると、なんと居眠りを始めていたそうです。殿様も呆れて沙汰止みになったらしい。そんな話が落語だったか講談だったかで語られます。これが事実だとすれば、武林君は嗜眠症にかかっていた可能性がありますね。
◆参考*1:HP「文化庁 | 常用漢字表の内閣告示等について | 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)」
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/pdf/jouyoukanjihyou_h22.pdf
(pdfファイルを開こうとすると警告が表示されます。文化庁の頁です。ウイルスに感染している可能性はかなり低いと思われますが、自己責任で開いて下さい)
◇*HP「刺繍 - Wikipedia」(口絵の写真)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%BA%E7%B9%8D
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「漢字源」藤堂明保、学習研究社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

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小説家の故色川武大さんがこの病気で有名でしたが、はたから見ていると気持ちよさそうに寝ているように見えますが、本人は苦しいらしいですね。
ねこのひげ
2015/04/29 12:27
コメントをありがとうございます。

 色川武大氏が嗜眠症だったというのは知られていますね。いろいろな逸話があると聞きます。
 当人は苦しいのですか。知りませんでした。もし嗜眠症の発作が起きた人がいたら、起こしたほうがいいのかな。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2015/04/29 21:02

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