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zoom RSS 江戸時代の不思議な職業足力(そくりき)。何を踏んでいたの?

<<   作成日時 : 2015/04/18 08:54   >>

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★歴史★
問題:江戸時代には現代の我々には想像もつかない変な商売があったようです。たとえば「おちゃない」。「抜けた髪を買い集める商売」だそうです*1。集めた髪でかもじ、部分かつらをつくったらしい。人造繊維のない時代です。鬘(かつら)の材料は人間の髪がいちばんだったのでしょうね。
■献残屋(けんざんや)というのも変な商売です。「献上物や贈り物の残りとか払い下げ品などを引き取り、他に販売する商売」だそうです*2。江戸は将軍や大名が住んでいます。儀礼的な進物がかなり頻繁にやりとりされたらしい。それらを引き取り、中古で再販売するのが献残屋だそうです。幕府の役人たち、あるいは大名や家老級の人たちも交際費を節約できるので、献残屋は便利に使われたらしい。
■本日の職業もちょっとかわった仕事ではあります。名前は足力。文字通り足の力を使い、何かを踏んづけるのが仕事です。では足力の人たちが踏んづけていたのは次のどれでしょうか? (足力が踏んづけたものは複数かもしれませんし、ないかもしれません)
[い]水車小屋で水量が不足しているときに水車を回していた
[ろ]うどんの製麺所でうどん玉を踏みつけていた
[は]蒲鉾(かまぼこ)の製造所で原材料を踏みつけていた
[に]馬の餌になるマグサを踏んで小さく梱包する
[ほ]人間の身体を踏みつけていた
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[ほ]人間の身体を踏みつけていた
説明:足力は、按摩(あんま)さんだそうです。手で揉むのが普通ですが、足力は長いT字型の杖(撞木杖、しゅもくづえ)を使ってバランスと踏み加減を調整したようです。
▼足力按摩(参考資料*3より)
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■按摩という仕事は古くからあったらしい。律令時代には宮中の典薬寮の下級官吏として按摩師がいたそうです*4。奈良時代からあったのかな。
■医師や鍼師よりは官位が低かったらしい。揉み療治のほかに接骨や瀉血(しゃけつ)を行なっていたそうです。瀉血というのは「治療の目的で、患者の静脈血の一部を体外に除去すること」だそうです。「悪い血を抜く」のかな。血を見ると卒倒する人にはできそうもありません。
■記録に按摩が再び登場するのは江戸時代に入ってからだそうです。5代将軍綱吉の病を治したという按摩師杉山という名前が残されているらしい。自分の身体を他人にゆだねれば隙が生じます。油断が命取りになる戦乱の時代にはあまり流行らない仕事なのかな。
■江戸時代には、按摩は盲人の職業として管理統制されていたそうです。主に揉み療治ですが、鍼灸も行なったようです。笛を鳴らしながら町を流すのは時代劇でも見られます。代金は全身の揉み療治が50文だったとか*4。江戸後期には流しのしっぽく蕎麦が16文だそうです。これを400円と仮定すると1250円ぐらいになるのかな。
◇*HP「しっぽく蕎麦 - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E3%81%97%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%81%8F%E3%81%9D%E3%81%B0&hl=ja&biw=1097&bih=542&site=webhp&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=XJcxVZK5KcS9mgXFhoGoCQ&sqi=2&ved=0CAcQ_AUoAg#hl=ja&tbm=isch&q=%E3%81%97%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%81%8F%E8%95%8E%E9%BA%A6
■足力は目が悪いとむずかしいかもしれません。上の図の足力も、盲人には見えませんね。足力は店舗を構えて商売をしていた人もいるらしい。100文ほどかかったようです*3*4。揉み療治専門の盲人は鍼治療も行なったのに対し、足力は灸治療も兼業したそうです*5。
■鶴屋南北(なんぼく)の歌舞伎「東海道四谷怪談」にも足力が登場します。脚本のト書きに次のような文章があります。
---ト四つ竹節、木魚の合方になり、寺の門の中より宅悦(たくえつ)、頭巾をかむり、足力の杖を担ぎ、笛を吹きながら出て花道へかゝる。直助聞きつけ…
宅悦という足力は笛を吹きながら流していたようですね。なお、合方(あいかた)は、「歌舞伎における黒御簾(くろみす、下座音楽)において俳優の登場や退場などにあわせて演奏する唄を伴わない音楽」だそうです。落語でいえば出囃子のようなものかな。
◆参考*1:HP「江戸時代の不思議な商売。「おちゃない」ってなに? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200709/article_17.html
◇*2HP「江戸だけにあった珍商売。献残屋とはどんな商売なの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201309/article_12.html
◇*3書籍「図説 大江戸おもしろ商売」初版234〜235頁、北島廣敏著、学習研究社
◇*4書籍「大江戸歴史百科」初版43〜44頁、河出書房編集部編、ISBN978-4-309-22467-1、河出書房新社
◇*5書籍「江戸語大辞典」初版575頁、前田勇(いさむ)編、ISBN4-06-265333-8、講談社
◇*6書籍「名作歌舞伎全集9巻鶴屋南北集」初版311頁、山本二郎/戸板康二/利倉幸一/河竹登志夫/郡司正勝監修、東京創元社

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ねこのひげも子供のころ、よくオフクロに腰や足の裏を踏んでくれと言われて踏んでいましたね。
子供の手の力では応えなかったからでしょう。
ねこのひげ
2015/04/19 06:24
コメントをありがとうございます。

 たしかに子供に踏ませるとちょうどいい加減になりますね。
 足力の人はあまり太れないのかもしれません。デブタレと言われるような人たちが乗ると、事故が生まれそうですよね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2015/04/19 10:56

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