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zoom RSS 山で遭難して飢えた人がタマネギやミカンの皮よりも美味いと感じたものは?

<<   作成日時 : 2014/12/02 11:27   >>

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★科学★
問題:山で遭難したことはありますか。幸いにも多くの人はあえて危険な場所に行ったりはしません。寒さや飢えに苦しめられる事態にはいたらないようです。一般人は富士山で高山病にかかるぐらいが関の山かな。
■でも、運悪く、山で遭難した人たちは、寒さから低体温症を起こして死んでしまうこともあります。飢えで苦しい思いをすることもあります。奇跡的に生還できたとき、不思議な体験を伝えてくれることがあります。
■参考資料*1、「怪談の科学」という書籍にもそうした話が掲載されていました。人は極限状態に入ると味覚が変わるというお話です。
■彼は、遭難して1週間ほど冬山にいたらしい。食べる物も尽きてきたようです。ミカンの皮とかタマネギなどはありましたが、食べてもまるで美味くないようです。では、彼が美味いと感じたものは次のどれでしょうか? (美味いと感じた物は無いかもしれませんし、複数かもしれません)
[い]洞窟に落ちていたコウモリの干涸(ひか)らびた死骸
[ろ]枯れ葉
[は]草履(ぞうり)
[に]岩に生えていた苔
[ほ]雪の下の凍った土
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[は]草履(ぞうり)
説明:この話の主人公は、芳野満彦(みつひこ?)という登山愛好家らしい。昭和24年(1949年)12月19日、芳野氏は登山仲間とともに八ヶ岳縦走を試みたそうです。
■入山2日目から天候が変わります。2人は突き進み、3日目に赤岳の石室に着いたそうです。さらに権現岳の縦走路に向かいますが、地形がわからなくなり、石室に引き返そうとします。ところが相棒の消耗がひどくなってしまい、雪の中でビバークというのでしょうか、野宿することになります。
■5日目、相棒は「電気コンロをつけてくれないか」、「苦しいよ、背中を」と言ったきり、絶命してしまいます。6日目には芳野氏にも幻覚があらわれます。相棒の死体を処理したあと、吹雪の中をあてもなくさまよったらしい。やっと見覚えのある地形に気づき、石室に戻れたのは入山7日目だったとのこと。
■参考資料*2には、芳野氏の話が日記風に記されています。これによると、タマネギはニンニクの腐ったような臭いがします。ミカンの皮は紙でも喰っているようで、まるで味がしなかったらしい。草履のワラをほぐして食べてみたところ、「ミカンの皮よりも、玉ねぎよりも数等うえのご馳走であった」とのこと。
■映画ファンのかたは、チャップリンの「黄金狂時代」を思い出されるかもしれません。真冬のアラスカの崖っぷちの掘っ立て小屋で飢えたチャップリンは、革靴を煮て食べる場面があります。町人はいいままで西洋喜劇らしい誇張の場面だと思っていました。でも、そうでもないのかな。極端に飢えてくると、草履も革靴も御馳走に見えてくるのかもしれません。
■そういえば、雪の八甲田山で亡くなった兵士のうちに、裸で死んでいた人たちがいたという話もありました。こちらは極端な低体温症のせいで外気が「暑く」感じられるという、感覚の狂いだという説明がありました*4。
■参考資料*1は、いわゆる養老伝説も、ひょっとしたら極端な飢えのせいかもと指摘しています。さきほどの芳野氏は、飯盒(はんごう)にとけた雪水がまるで黄金の水をひと飲みするように美味かったと証言しているそうです。
■養老伝説に登場する木樵(きこり)は、自分の食べ物を犠牲にしてまで父親の酒代にあてたりしていたらしい*3。慢性の飢餓状態にあった木樵は、うっかり道に迷い、足をすべらして倒れてしまいます。ふと気がつくと、酒の匂いがする。石の中から水が流れ出ている。ゴクリと飲み干してみるとあたかも美酒のように感じられた。そんなことはたしかに考えられますね。「滝の水が酒になった」のではなく、「酒のように美味かった」だけなのかな。
■なお、人知れず黄金狂時代のチャップリンを真似ていた芳野氏は、入山10日目に救助されたらしい。凍傷のために右の足の指は失いましたが、命はとりとめたようです。強い生命力のある人だったのでしょう。
◆参考*1:書籍「怪談の科学」新書初版76〜79頁、中村希明(まれあき)、ISBN4-06-132736-4、講談社
◇*2書籍「山の遭難譜(山岳名著シリーズ)」春日俊吉著、二見書房
◇*3HP「養老伝説。」
http://www.pleasuremind.jp/COLUMN/COLUM074.html
◇*4HP「人は死ぬ間際に何を感じるの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201401/article_13.html

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ねこのひげは、20代のころ仕事仲間と納期に間に合わせるために徹夜で仕事をしていて、朝日が昇って体に当たった途端、「アチッ!?」と悲鳴を上げたことがあります。
周りの仲間は笑っていましたが、たぶん低体温症になりかけていたんでしょうね。
実際、本当に熱かったんです。
ねこのひげ
2014/12/07 09:41
コメントをありがとうございます。

 「アチッ」という感覚は、ちょっとわかるような気がします。まったく同様の状況で素町人も仕事をしていて、朝日を見て、「痛い」と思ったことがあります。
 なぜそう思ったのかはよくわからない。締切り直前の興奮状態、徹夜明けの感覚の狂いが、ありもしない刺激を痛覚に与えたのかもしれません。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2014/12/07 10:31

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