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zoom RSS 江戸時代の面白い言葉。「あいばらみ」ってどんな意味?

<<   作成日時 : 2014/09/04 10:35   >>

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★日本語★
問題:江戸時代の言葉は、今の言葉のご先祖様です。面白い言葉が山ほどあります。血がつながっているためか、現代人のわれわれも推理して意味を考えることができます。
■たとえば見だしの問題。「あいばらみ」は、相葉ラミさんというハーフのタレントではありません。「相孕み、合孕み」と漢字表記するらしい。一家のうちで2人の女が同時に妊娠することだそうです。つまり1つの家のなかに2人以上の妊婦がいることらしい。さらに、人と家畜や愛玩動物が同時に妊娠することも相孕みと呼んだようです。
■回避すべき状態だったようです。人と家畜なら問題はないのかもしれません。でも、たとえば大きなお屋敷で2人の側室というか愛妾が同時に孕んだとします。正室なら生まれた息子さんは相続権を優先的にもらえるかもしれません。でもどちらも側室だとすれば、早く産んだほうが長男なんてこともあるかも。正室に男子がなければ、跡目をいただきです。
■そんな思惑が走れば、当然落ち着いた精神状態ではいられませんし、妊婦さんや新生児によからぬ影響があるでしょう。運悪く相孕みが起きたときには、よそに家を借りさせ、2人の妊婦を遠ざけたりしたらしい*1。
■では、江戸時代の面白言葉の意味を考えるクイズです。次の言葉とその意味の説明のうち、正しいものはどれでしょうか? (正しい説明は無いかもしれませんし、複数かもしれません)
[い]「あおびょうたん」とはまだケツのあおい、経験不足の若僧という意味である
[ろ]「いいしゅう」とは狂言のはやし言葉で、「もっとやれ」の意味がある
[は]「いきちょんそろえ」は料理人の用語で、イキのいい魚や旬の野菜、もぎたての生り物(なりもの、果物)などを揃えた膳のことである
[に]「おいしゃがかえれば」のあとには、「坊主が来る」と続き、なんでも段取り・順番があることを意味する
[ほ]「おうすっちゃん」とは、「薄馬鹿」を意味する程度の高い蔑称である
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)
























★日本語★
正解:正しい説明はない
説明:[い]「あおびょうたん」とはまだケツのあおい、経験不足の若僧という意味である(×)
■青いのは、ケツではなく、顔色のほうらしい。「顔色の青白い人をあざけっていう」とのこと。年齢や経験には関係なく使われたようです。滑稽小説「坊ちゃん」では「うらなり」という仇名の先生が登場します。やはり顔色が悪いとのこと*3。
□俳風柳多留には、「赤頭(あかがしら) 青びょうたんを 抱き歩き」という川柳が見られるとか*1。赤頭は、手入れをしないバサバサの頭髪だそうです。裏長屋のオカミさんなのかな。あるいは商家で丁稚に子守をまかせているのかな。縁語でまとめた川柳のようです。
[ろ]「いいしゅう」とは狂言のはやし言葉で、「もっとやれ」の意味がある(×)
■「いいしゅう」は漢字では「良い衆」と書くようです。「よいしゅう」から来ているらしい。上流町衆の人たちを指すらしい。安土桃山時代の堺の自治を担った会合衆(えごうしゅう)とか、江戸時代の江戸の地主たちは「いいしゅう」なのかもしれません。略して「いいし」とも呼ばれたらしい。上方には「ええしのぼん」、良家のお坊ちゃまという言葉がありますが、似ていますね。
□熊本の球磨(くま)郡五木村の子守り唄、いわゆる「♪五木の子守唄」では、「おどま かんじん かんじん あん人たちゃ よかしゅ よかしゃ よかおび よかきもん」という歌詞が見られます。「かんじん」は勧進であり、小作人を意味するらしい。そして「よかしゅ」は「いいしゅう」を意味するようです。
[は]「いきちょんそろえ」は料理人の用語で、イキのいい魚や旬の野菜、もぎたての生り物(なりもの、果物)などを揃えた膳のことである(×)
■「いき」は「意気」あるいは「粋」らしい。「ちょん」は洒落て添えた一種の接尾語だそうです。明和(めいわ)から天明(てんめい)にかけて(1764年〜1789年)の流行語らしい。「いきちょん」は「粋」とほぼ同等で、「揃え」がつくと全身が「いきちょん」であるという意味になるらしい。
□「髪型も服装も持ち物も当世の流行に揃えている」が「いきちょんそろえ」の意味だそうです。現代でいえば、テレビ等で拝見するファッションモデル嬢たちは「いきちょんそろえ」なのかな。
□なお、「いきちょん羽織」とか「いきちょん本多」、「いきちょん脇差」など、「いきちょん」から始まる言葉はいくつかあるようです。「当世流行の羽織、本多髷(まげ、髪型)、刀(の拵え(こしらえ、装飾))」を意味しているようです。
[に]「おいしゃがかえれば」のあとには、「坊主が来る」と続き、なんでも段取り・順番があることを意味する(×)
■「お医者が帰れば」のあとには「女衒(ぜげん)と成る」と続くようです。病人は親だったらしい。亡くなって医者が帰ったあとは、女郎の周旋屋が来て娘の身売りの相談となるという意味らしい。なんだか物凄い状況ですね。
□病家(びょうか)が「いいしゅう」で、よほどの余裕があれば大丈夫でしょう。中流以下の家庭では、親が長患い(ながわずらい)すると大変です。収入は途絶えるし、医者や薬屋への支払いが多くて、残されたものはたいてい貧しくなっちゃうのでしょう*2。昔の人は今に比べてはるかに親孝行だったと聞きますが、親の健康・長寿を願うのは、自分自身のためでもあったようです。
[ほ]「おうすっちゃん」とは、「薄馬鹿」を意味する程度の高い蔑称である(×)
■「おうすっちゃん」は「大すっちゃん」らしい。「すっちゃん」は三味線の音だそうです。芸者を呼んで賑やかに鳴り物入りで遊興すること」らしい。江戸時代の美女、笠森お仙*4を主人公にした芝居には、次のような台詞があるらしい。「宿場へ行って2、3日も居続けをして手を広げ、大すっちゃんで騒いだ日にやア、10日と持たねえ30両」*1。
□上方落語を聴いていると、芸者を揚げて楽しくやることを「さんざい」と呼んでいます。「散財」と書くらしい。「日本国語大辞典(小学館)」には、次のように記されています。「遊郭などで多額の金銭を消費すること。文化文政期(1804年〜1830年)の上方の通人・粋人に流行した語」。なるほどね。「いいしゅう」でないと出来ない遊びかもしれません。
◆参考*1:書籍「江戸語大辞典」初版、前田勇(いさむ)編、ISBN4-06-265333-8、講談社
◇*2HP「患者を救った名判決は誰のもの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/201408/article_17.html
◇*3HP「夏目漱石 坊っちゃん」(青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/752_14964.html
◇*4HP「江戸時代の超有名人「笠森お仙」にあいたいですか? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200606/article_106.html
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
芸者を揚げて散財など、いいところのボンボンであるいいしゅうでなければできないですね。
我々のような、爪に火を点すような生活をしているあおびょうたんやうらなりにはできない相談です。
消費税10パーセントなど、宇宙人宰相や麻生、安ホ総理などのようなボンボンでなければ無理な発想であります。
ねこのひげ
2014/09/05 17:44
コメントをありがとうございます。

 芸者を揚げて散財するのは、いまは個人よりも企業、自腹よりも接待費という例が多いと聞いたことがあります。
 幇間(たいこもち)も、花街では絶滅危惧種ですが、企業の営業部にはちゃんと生き残っているとか。
 何につけても、個人よりも法人の時代なのでしょうかね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2014/09/05 21:42

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