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zoom RSS 表外の読み。「苦だ眠い」は何と読むの?

<<   作成日時 : 2014/09/22 09:12   >>

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★日本語★
問題:「表外の読み」は、漢字そのものは常用漢字表に掲載されているものの、読みは掲載されていない読みです。たとえば、「愛」という漢字は「アイ」という音読みだけが「表内の読み」です。でも、「花を愛でる」という場合には「め(でる)」と読みますし、「愛娘」は「まな(むすめ)」ですね。これらが「表外の読み」です。教科書や新聞ではほとんど使われない例外的な読みではあります。でも、日本語を豊かな表現にしているひとつの要素でもあります。
■見出しの問題は、「くだねむい、にがだねむい」ではありません。「はなはだねむい」と読みます。「苦」という漢字は、常用漢字表では「ク、くるしい、くるしむ、くるしめる、にがい、にがる」というという音読み・訓読みがあります。最後の「にがる」というのは、「苦り切る」という場合に使われるらしい。
■漢和辞書「字通」によれば、「ク、コ、にがな、はなはだ、くるし」という字音・字訓があります。「にがな」というのは植物の名前のようです。名前どおり苦い菜っ葉で、Wikipediaによれば、東アジア全域に生えている草らしい。「苦」という漢字が草冠なのは、ひょっとしたら草の名前に由来するからなのかな。
◇*HP「ニガナ - Google 検索」(画像)
https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%8B%E3%82%AC%E3%83%8A&hl=ja&rlz=1T4GGHP_jaJP523JP523&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=NmUfVIDdAYvN8gXgnoCIDA&ved=0CAgQ_AUoAQ&biw=1280&bih=683
「にがな」という草ははなはだ苦いらしい。で、「はなはだ」という強い程度を表す副詞としても使われたとのこと。
■本日は、表外の読みについての問題です。漢検1級程度、かなり難しい問題です。表外の読みに関する次の説明で正しいのはどれでしょうか? 参考資料*1の答えを正解とします。(正しい選択肢はないかもしれませんし、複数かもしれません)
[い]「空」という漢字には、「うつ(ける)」という読みもある
[ろ]「経」という漢に字は、「た(つ)」という読みもある
[は]「倹」という漢字には、「つつま(しい)」という読みもある
[に]「検」という漢字には、「しら(べる)」という読みもある
[ほ]「限」という漢字には、「きわ」という読みもある
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:[い]と[ろ]、[に]が正しい
説明:[い]「空」という漢字には、「うつ(ける)」という読みもある(○)
■「傾城(ケイセイ、美貌の女郎)に 心乱せし 空け者」などと使われるらしい。以前には「虚ける」という表記もありました。2字を合わせると「空虚」。頭とか心とかがカラッポなのかな。早く正気に戻らないと、財布とか通帳とかもカラッポになりそうです。
□「空」という漢字は、常用漢字表では、「クウ、そら、あく、あける、から」というという音読み・訓読みがあります。漢和辞書「字通」では「あな、むなしい」という字訓もありました。たしかに「空」から「エ」を去ると「穴」になりますね。「空(むな)しい」とも使われます。こちらも表外の読みらしい。70年安保のあとでは、やたらと「空しい」という言葉を耳にしたような気がしますね。
[ろ]「経」という漢に字は、「た(つ)」という読みもある(○)
■「長い年月が経ち、その木の葉は化石になった」などと使われます。
□「経」という漢字は、常用漢字表では「ケイ、キョウ、へ(る)」というという音読み・訓読みがあります。漢和辞書「字通」では「ケイ・キョウ、たていと、いとなむ、ふる、すぎる」という字音・字訓がありました。
□そもそも織物の縦糸を張りかけた形だそうです。横糸の緯とあわせてはじめて織物ができるわけですね。合わせて「経緯」と呼ぶらしい。経緯から経過の意味が生まれたようです。
▼金文(きんぶん、鉄器・銅器など金属器に刻まれた文字)の「経」の字










[は]「倹」という漢字には、「つつま(しい)」という読みもある(×)
■正しくは「つま(しい)」という読みがあるそうです。
□「つつましい」は「慎ましい」と書くようです。「遠慮深い態度である。控えめで、しとやかだ」という意味です。「つましい」のほうは、「生活ぶりなどが贅沢でない。地味で質素である」という意味ですね。「慎ましい」にも、「つましい」に似た意味があるようですが、「倹」の漢字のほうには、「つつましい」という意味も読みもなさそうです。
□「倹」という漢字は、常用漢字表では「ケン」という音読みだけが掲載されています。「倹約、節倹、勤倹」などの熟語をつくります。いずれも「もったいない精神」にあふれた、見栄を張らない合理的な姿勢・態度をあらわしているようですね。
□漢和辞書「字通」では「つづまやか」という字訓もありました。「簡潔で要を得ているさま、質素なこと」だそうです。「倹まやか」の他には「約まやか」と表記するらしい。合わせて倹約だな。
[に]「検」という漢字には、「しら(べる)」という読みもある(○)
■芥川龍之介の作品には「検べる」という使い方がたくさん出てきます。「熱心に棚の書物を検べる」とか「下検べ(したしらべ)」などの表記ですね。
□「検」には、「あらた(める)」という表外の読みもあるらしい。「機内持ち込みの荷物を検める」などと使われるそうです。
□「検」という漢字は、常用漢字表では「ケン」という音読みだけが掲載されています。漢和辞書「字通」では「しるしする、しらべる」という字訓もありました。検査済みの目印をつけるのを「検印」といいます。
[ほ]「限」という漢字には、「きわ」という読みもある(×)
■正しくは「きり」だそうです。「限のいいところで飯にしよう」などと使われます。でもどちらかというと、「切りのいいところで」の「切り」のほうがよく使われるかな。
□「限」という漢字は、常用漢字表では「ゲン、かぎる」という字音・字訓があります。漢和辞書「字通」では「かぎり」という字訓もありました。際限の意味ですね。欲をいえば限がない。この文では「切り」より「限」のほうが似合っているかな。
◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定1級試験問題集09年版」成美堂出版編集部編、ISBN978-4-415-20421-5、成美堂出版
◇*2HP「文化庁 | 常用漢字表の内閣告示等について | 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)」
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kokujikunrei_h221130.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「漢字源」藤堂明保、学習研究社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
空・・・うつ。
セミの抜け殻を空蝉と言いますね。
歌などでは、「女」を”ひと”と読ませたりしますね。
日本語の面白い所ですね。
ねこのひげ
2014/09/23 06:17
コメントをありがとうございます。

 人の名前とか店の名前では、破天荒な読みのものも見受けます。「光宙」と書いて「ピカチュウ」と読む名前があるらしい。凄いですね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2014/09/23 10:17

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