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zoom RSS 「お前麻布で気が知れぬ」ってどんな意味なの?

<<   作成日時 : 2014/07/03 08:53   >>

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★日本語★
問題:「お前麻布で気が知れぬ」という言葉があります。「気心が知れぬ」という意味らしい。もちろん地域限定ではありません。麻布出身者でなくても適用されました。昨日は親しみをこめて微笑んでくれたのに、今日は素っ気なく無視する。そんな異性のことを「あいつぁ麻布で気が知れぬ」と言ったのかな。江戸時代からある言葉だそうです。戦前戦中まではよく使われたとのこと*1。
■文政(ぶんせい)11年(1828年)、麻布竜土(りゅうど)六本木町と飯倉六本木町の名前の由来をきかれた名主が、「六本の木があったところから名付けられたものだが、現在は木の名前も位置も不明である」と文書で回答したらしい。そこから、「木が知れぬ」の駄洒落で「気が知れぬ」という洒落言葉が生まれたようです。
■実はこの言葉には、もうひとつの語源説があります。その物語では麻布に由縁(ゆかり)のある有名人が重要人物として登場するのですが、それは次の誰でしょうか?
[い]貝原益軒(えきけん)
[ろ]平賀源内(げんない)
[は]山東京伝(きょうでん)
[に]歌川(安藤)広重(ひろしげ)
[ほ]市川海老蔵(えびぞう)
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[ほ]市川海老蔵(えびぞう)
説明:物語の主人公は花屋さんだそうです。ある日の夕方、一番の得意先である商店から黄色い菊を注文されます。明日の朝一に客が来るので、それまでに届けてくれとのこと。花屋さんは麻布の花畑に向かいます。江戸時代、麻布近辺では下級武士たちが花を育て、生活の足しにしていたらしい。
■麻布に着いたころには日はとっぷりと暮れています。月明かりの中で黄色い菊を摘ませてもらった花屋さんは、得意先に向かう途中で自分の失敗に気づきます。黄色だと思った花はみんな白でした。でももう間に合いません。白い菊を届けて事情を説明しましたが、番頭さんからきついお叱りを受けます。「お前さんも花屋渡世だろう。いくら月夜だからといったって白菊と黄菊を間違えちゃあしょうがないねえ。旦那様が大変なお腹立ちでお前さんの出入りは差止めだとおっしゃっているよ」。
■現代でも白い菊は不祝儀に使われることが多いようです。当時もそうだったのかな。しょげて帰る道すがら、花屋さんは最後の望みを親しくしてもらっている役者、市川海老蔵に託します。わけを話してとりなしを頼むと、海老蔵はしばらく考えていましたが、筆をとり、懐紙(かいし)に書き付けて花屋さんに渡しました。懐紙は「たたんで懐に入れておく紙。ちり紙にしたり、詩歌などを書いたりする」とのこと。
■花屋さんは恐る恐るまた得意先に顔を出します。「なんど言われても駄目ですよ。注文通りの品物を持ってこない商人(あきんど)に用はありません」。旦那は頑(かたく)なです。でも、番頭が懐紙を手に耳打ちをします。「えっ、成田屋が。しょうがないねえ。花屋もいい知り合いがいたものだ。ちょっと見せてごらん」。
■そこにはこう書かれていました。「白菊か 夜は麻布の 黄が知れぬ」。客もいきさつを聞き、句を眺めて面白いと大喜び。旦那も意外なもてなしができたことで機嫌が直り、花屋さんは以前どおりに出入りできるようになったそうです。この話が役者仲間から吉原へと広まり、「お前麻布で気が知れぬ」と洒落言葉になったというのですが。
■花屋さんの危機を救った海老蔵は麻布に由縁があるかどうかはわかりません。でもその何代目かの子孫、11代目市川海老蔵君は、ご存知の件で西麻布にはたいへん由縁がありましたね*2。
◆参考*1:書籍「大江戸かくれ話事典」初版223〜226頁、平田公(ひらた こう)著、ISBN4-7947-0288-4、叢文社
◇*2HP「11代目市川海老蔵暴行事件 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/11%E4%BB%A3%E7%9B%AE%E5%B8%82%E5%B7%9D%E6%B5%B7%E8%80%81%E8%94%B5%E6%9A%B4%E8%A1%8C%E4%BA%8B%E4%BB%B6

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
一般人は、今も昔も役者には弱かったようですね。
しかし、洒落たことをするものです。子孫はどうなんでしょうね。
ねこのひげ
2014/07/03 18:49
コメントをありがとうございます。

 まぁ若いうちはいろいろあったほうがいいかもしれません。クスリのその他の犯罪に手を出すのはいけません。でも、多少の倫理違反ぐらいはあってもね。まるでないとかえって恐い。
 海老蔵君をとくに贔屓にしている者ではありませんが、いい役者にはなれるような気がします。年をとってから粋な逸話を残せるかどうかはわかりませんけど。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2014/07/04 10:01

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