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zoom RSS 表外の読み。「虚け者」は「たわけもの」と読むの?

<<   作成日時 : 2014/07/28 08:41   >>

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★日本語★
問題:表外の読みは、漢字そのものは常用漢字表に掲載されているものの、読みは掲載されていないものです。
■見出しの問題は、「たわけもの」ではありません。「うつけもの」と読みます。なんとなく時代劇で使われそうな言葉ですね。現代の人はあまり使わないのかな。名古屋とか岡崎あたりでは耳にしそうな気もしますけど。
■「虚」という漢字は、常用漢字表では「キョ、コ」という音読みだけが掲載されています。漢和辞書「字通」によれば「はかば、むなしい、うそ」という字訓もありました。「虚栄」とか「虚偽」、「空虚」、「廃虚」などの熟語を作ります。おっと1番最後は「虚言」でした。「ハイキョ」は「廃墟」と土偏のつく漢字でしたね。
■本日は、表外の読みについての問題です。漢検1級程度、かなり難しい問題です。表外の読みに関する次の説明で正しいのはどれでしょうか? 参考資料*1の答えを正解とします。(正しい選択肢はないかもしれませんし、複数かもしれません)
[い]「擬」という漢字には、「に(る)」という読みもある
[ろ]「曲」という漢に字は、「まが」という読みもある
[は]「拠」という漢字には、「よんどころ」という読みもある
[に]「凝」という漢字には、「こ(える)」という読みもある
[ほ]「仰」という漢字には、「の(く)」という読みもある
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:[ろ]と[は]、[ほ]が正しい
説明:[い]「擬」という漢字には、「こ(る)」という読みもある(×)
■正しくは「まね(る)」という読みもある、だそうです。
「擬」という漢字は、常用漢字表では「ギ」という音読みだけが記されています。漢和辞書「字通」によれば「はかる、なぞらえる」などの字訓もあるらしい。
□「なぞらえる」には、「まねて作る、似せる」という意味あるようです。「古い農家になぞらえた建築様式」などと使われるらしい。
□「まね(る)」という読みでは、江戸時代末期の「守貞謾稿(もりさだまんこう)」という本の中で、「…読経に擬て諧謔(かいぎゃく)す」とちょぼくれ坊主という連中を紹介しています。「読経のパロディで冗談を言っている」という意味らしい。泉鏡花は「茸の舞姫(きのこのまいひめ)」という小説中で、「花火に擬て、縦横や十文字」と書いています。なお、前者は振り仮名がないので「なぞらえて」という可能性もあります。後者は「まねて」と振り仮名がありました。
□「に(る)」という読みや意味もあるらしい。「擬似」とか「擬古文」、「擬人化」などの熟語があります。いずれも似ていること、似せていることを表しますね。
[ろ]「曲」という漢に字は、「まが」という読みもある(○)
■「ま(がる)」ではありません。「まが」だけ、あるいは「ま(が)」のようです。
□「曲」という漢字は、常用漢字表では「キョク、まがる、まげる」というという音読み・訓読みがあります。漢和辞書「字通」によれば「くわしい」という字訓もあります。そもそもは竹などを編んで作った器の形を表す象形文字だそうです。
▼「説文解字(セツモンカイジ、中国最古の部首別漢字字書)」の「曲」という漢字
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□真っ直ぐなものに対して曲がる。やがて「かたよる」とか「よこしまな」という意味も生まれたそうです。そのせいでしょうか。「曲曲(まがまが)しい」という言葉にも使われるようになりました。ご存知のように「悪いことが起こりそうである、不吉である」という意味です。
□なお「大辞林」では「曲が曲がしい」と送りがながついていました。また、「禍禍しい」とも表記されます。「大辞泉」ではこちらだけでした。でもGoogleで検索すると「”曲曲しい”」のほうが多いようですが(140728現在)。
[は]「拠」という漢字には、「よんどころ」という読みもある(○)
■「拠」という漢字は、常用漢字表では「キョ、コ」という音読みだけが掲載されています。「拠点」とか「証拠」という熟語を作りますね。漢和辞書「字通」では「よる、しめる」という字訓もありました。
□「よりどころとする」という意味があるらしい。「拠無く」という言葉でも使われます。「よん(より)どころなく」と読みます。「やむをえず」とか「しょうがないので」といった意味ですね。
□ATOKでは、「よんどころなく」を変換すると「拠ん所なく」となります。こちらのほうが多く使われるのかな。
[に]「凝」という漢字には、「こ(える)」という読みもある(×)
■「凝」という漢字は、常用漢字表では「ギョウ、こる、こらす」というという音読み・訓読みがあります。漢和辞書「字通」には「さむい、きびしい」という字訓もありました。「じっとしている」という意味があるようです。じっと見つめるから「凝視」なのかな。分子がじっとしている状態…固体になるから「凝固、凝結」なのかもしれません。
□「こ(える)」という読みはありませんが、「こご(る)」だったらあります。「煮凝り(にこごり)」という食品がありますね。「煮魚などの煮汁が冷えて固まったもの」だそうです。「凝る」という動詞も「大辞泉」や「大辞林」にはありました。「液体状のものが、冷えたり凍ったりして凝固する」という意味だそうです。
[ほ]「仰」という漢字には、「の(く)」という読みもある(○)
■「仰」という漢字は、「ギョウ、コウ、あお(ぐ)、おお(せ)」という字音・字訓があります。漢和辞書「字通」も同じでした。旁の「卬」という漢字は、2人が対する形らしい。上下の関係があるときには、上からは「抑」、下からは「仰」になるようです。左右の関係では「迎」となるらしい。
□「仰け様(のけざま)」という言葉では「の(く)」という表外の読みがあるそうです。「仰向けになる状態」の意味らしい。「仰け様に倒れた」場合には、顔は上を向いているのでしょうね。
◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定1級試験問題集09年版」成美堂出版編集部編、ISBN978-4-415-20421-5、成美堂出版
◇*2HP「文化庁 | 常用漢字表の内閣告示等について | 「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)」
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kokujikunrei_h221130.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「漢字源」藤堂明保、学習研究社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
フジテレビの深夜番組で25時(午前1時)から『うつけもの』というのをやってますね。
漢字の読みなどをクイズにした番組です。
病院に行った方がよさそうな虚け者にはなりたくないものです。
ねこのひげ
2014/07/31 02:15
コメントをありがとうございます。

 父親はまだ認知症を発症していませんが、母親は亡くなる前にはちょっと来ていました。遺伝が関係しているとすれば、素町人も80歳ぐらいで発症するのでしょうか。やれやれ。病院送りかもしれません。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2014/07/31 19:31

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