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zoom RSS 江戸川柳の二八蕎麦(にはちそば)。「まんぢうは そばに八文 高く売り」とはどんな意味?

<<   作成日時 : 2014/05/29 15:24   >>

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★日本語★
問題:文献に登場する一番最初の麺としての蕎麦、いわゆる蕎麦切(そばきり)は、安土桃山時代らしい。江戸時代も初期には蕎麦は今のように細く切られていなかったようです。不定形な団子状態、いわゆる蕎麦掻(そばがき)の形で販売されていたようです。それも蕎麦屋ではなく、菓子屋・饂飩(うどん)屋などで本業のかたわら、売られていたらしい。1600年代の中盤以降、料理本などにも蕎麦切りが登場するようです。1700年代の前半、享保(きょうほう)年代(1716年〜1736年)には、完全に定着し、庶民の食べ物として親しまれたらしい*1。
■江戸の後期には、市中の飲食店の半分が蕎麦屋さんだったという話もあります。人口100万人に対して、蕎麦屋が3000店もあったとか。現在の東京では人口1000万人に対して7000店弱ぐらいのようです。いかに人気があったか、わかりますね*1。
■本日は蕎麦にまつわる川柳のクイズです。すべて江戸時代の作品らしい。川柳についての説明文から、正しいものを選んで下さい。(正しいものは無いかもしれませんし、複数かもしれません)
[い]「急度(きっと)した 人も二八の そばが好き」の「急度」とは、忙しい人の意味である
[ろ]「二八そば 七百八十 はらひ」とは、赤穂浪士47人が1杯ずつ食べたときの支払いを言っている
[は]「将門(まさかど)は 百拾六文 そばを買ひ」とは、七変化したという平将門についての川柳である
[に]「まんぢうは そばに八文 高く売り」の「まんぢう」とは、当時流行した揚饅頭で、油を使うだけに少し高くなっていた
[ほ]「客ふたつ つぶして夜鷹 三つ食ひ」の夜鷹は、街娼のことである
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[ろ]と[は]、[ほ]が正しい
説明:[い]「急度(きっと)した 人も二八の そばが好き」の「急度」とは、忙しい人の意味である(×)
■正しくは、「急度した人とは、堅苦しい表情をした人」の意味だそうです。「二八のそば」は、いわゆる十六文の二八蕎麦の意味と、16歳の娘さんというふたつの意味があるとのこと*3。「信州信濃の 蕎麦よりも 私ゃ貴方の そばがいい」という七五七五の都々逸みたいな決まり文句があります。あれとおなじで、堅苦しい人物でも、当時の女盛り、16歳ほどの娘さんの側は嫌いじゃないということらしい。
[ろ]「二八そば 七百八十 はらひ」とは、赤穂浪士47人が1杯ずつ食べたときの支払いを言っている(○)
■講談などによれば、赤穂浪士は討ち入り前の集合場所に蕎麦屋の2階を選んだらしい。あたたかい蕎麦を食べて大事な行動にでかけたとも言われます。1人が1杯ずつ食べれば47杯です。二八蕎麦が16文とすれば、16(文/杯)×47(杯)=752文です。おや。勘定があいません。
□ちょっとマニアックな話になりますが、江戸時代にはなぜか96文を100文とする習慣があったらしい。一文銭96枚を銭緡(ぜにさし)という紐や紙縒(こより)に通してまとめ、100文として勘定したらしい。九六銭(くろくせん)と呼ばれます*2。
□96という数が公約数が多かったからこんな勘定が生まれたとも言われていますが、理由は定かではないようです。もちろん100文を100文として勘定する場合もあり、この場合は「丁銭(ちょうせん)」あるいは「丁百(ちょうひゃく)」と呼ばれたらしい。古い借用証書などを見ると、「銭ニ貫五百文、ただし丁銭」などと記されていたりするとのこと。
□九六銭の勘定でいえば、100文(つまり96文)でちょうど6杯食べられます。700文では42人分。あと5人分は80文ですから、あわせて780文という勘定になるわけですね。
□なお、享保年間でも蕎麦は6〜8文ぐらいだったようです。それより20〜30年前の元禄(げんろく)15年12月14日(1703年1月30日)には、もっと安かったはずです。おそらく川柳を詠む人も読む人も、江戸後期の人だったのでしょう。
[は]「将門(まさかど)は 百拾六文 そばを買ひ」とは、七変化したという平将門についての川柳である(○)
■平将門は、ご存知のとおり、平安時代に朝廷に反旗を翻した関東の武将ですね。悲劇的な最期を遂げました。関東の人間にはその印象が強かったらしく、将門にまつわる伝説がいくつも生まれています。七変化したというのもそのひとつなのかな。
□ここでも勘定は九六銭で100文になっています。丁銭の勘定ならば16×7で112文になるはずです。でも九六銭勘定だと、116文になるわけですね。
□なお、将門の祟りはもの凄く強くて、大正時代になっても大蔵大臣をはじめ、何人もの人が亡くなった…とも言われます。ホントなのかな*4。
[に]「まんぢうは そばに八文 高く売り」の「まんぢう」とは、当時流行した揚饅頭で、油を使うだけに少し高くなっていた(×)
■24文で売れた「まんぢう」は、最下級の売春婦の御饅頭だったようです。24文ですからねぇ。どんな人たちだったのでしょうか。若い美人なら、もっと高く売れるでしょうから、かなり若くない、そしてあまり美人でもない女性だったのでしょうね。はなはだ勝手な憶測ですが、性病の罹患率も高かったかもしれません。
[ほ]「客ふたつ つぶして夜鷹 三つ食ひ」の夜鷹は、街娼のことである(○)
■この川柳もやはり最下級の売春婦諸姉のお話です。客を2人とれば48文です。16文の二八蕎麦が3杯食べられる勘定ですね。「つぶして」はどんな意味かな。「(お客2人を)さばいて」の意味かな。
□それにしても、この夜鷹、少なくとも胃袋はたいへん健康ですね。還暦を過ぎたせいもありますが、ざる蕎麦でも2枚食べるとお腹いっぱいになってしまいます。彼女は3杯も召し上がったわけですね。なかなかやるな。
◆参考*1:HP「江戸時代の後期には今よりずっと蕎麦屋が多かったの? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200812/article_10.html
◇*2HP「北区の部屋だより 第38号 北区こぼれ話 江戸時代の銭勘定 九六銭(くろくせん)の話」
http://www.city.kita.tokyo.jp/docs/digital/843/atts/084315/attachment/attachment.pdf#search='%E4%B9%9D%E5%85%AD%E7%99%BE%E5%8B%98%E5%AE%9A'
◇*3書籍「川柳食物事典」初版56〜57頁、山本成之助著、牧野出版
◇*4HP「大正時代になっても「祟りで14人を殺した」と言われたのは誰の怨霊? 町人思案橋・クイズ集/ウェブリブログ」
http://blog.q-q.jp/200707/article_35.html

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
いまでも16,7が一番きれいだと思うのですが、これを公でいうとロリコンと言われるので密やかに思うだけにしとります。
子供から大人への転換期の危うさや透明感のある美しさは何とも言えず良いですがね・・・・('◇')ゞ
ねこのひげ
2014/06/01 06:24
コメントをありがとうございます。

 16の女の子を美しいと思うのはロリコンなんかではありません。ご自分の感覚に正直なだけです。
 実は、男性はほとんどがそう思っているのかもしれません。宮沢りえ嬢も十代の写真集は美しかったけれど、最近の写真を見たら、なんと申しますか。
 まぁ、枯れかけた花にも魅力はありますし、熟女好きという人の感覚も十分に理解はできますけどね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2014/06/01 12:51

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