【18歳未満お断り】江戸時代の春画。「まねえもん」は誰が描いた傑作なの?

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★歴史★
問題:江戸時代では木版印刷による印刷が普及し、文章や絵を介して、さまざまな情報が庶民にも伝わったようです。
■絵のほうでは、最初は肉筆が主体だったらしい。明暦(めいれき)3年(1657年)の明暦の大火のころを境に、木版で墨の単色摺りの絵が登場したそうです。火消しに破壊され、焼け残った家屋の廃材が木版の材料として安く入手できたからだ…というのは、たったいま素町人がでっちあげた仮説です。
■その後、墨の摺り絵に赤い塗料で部分を筆で塗る丹絵(たんえ)あるいは紅絵(べにえ)と呼ばれる手法のものが登場します。その後、2~3色で摺る紅摺り絵(べにずりえ)と呼ばれる進化形も登場します。
■明和(めいわ)2年(1765年)から文化(ぶんか)3年(1806年)ごろにかけて、多色刷りの東錦絵(あずまにしきえ)が登場し、浮世絵文化の花が開くそうです。制作者たちは需要の拡大とともに分業します。専門の下絵師・彫り師、摺り師などが誕生したようです。
■浮世絵の1つの分野として春画があります。この分野での巨人は、鈴木春信(はるのぶ)、喜多川歌麿(うたまろ)、葛飾北斎(ほくさい)らだそうです。なにしろたいへん人気のある分野ですので、その他にも春画を描いた人たちはたくさんいたようです。春画は単に楽しむためだけでなく、新婚夫婦の性教育の教科書としても利用されたらしい。教科書の制作です。春画を描くのも、なかなか神聖な作業だったのかな。
■では、春画の傑作シリーズの1つ、「風流 艶色真似ゑもん(えんしょくまねえもん)」を描いたのは、次の誰でしょうか?
[い]喜多川歌麿
[ろ]喜多川広重(ひろしげ、安藤広重とも)
[は]鈴木春信
[に]鳥居清長(きよなが)
[ほ]葛飾北斎
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[は]鈴木春信
説明:鈴木春信は、享保(きょうほう)10年(1725年)に生まれ、明和(めいわ)7年(1770年)まで生きた江戸中期の画家・浮世絵師だそうです。生まれ育ちは武士だったようです。平賀源内の友だちとのこと。錦絵の登場からわずかに5年で亡くなったのは残念です。45歳の若さでした*3。
■「風流 艶色真似ゑもん」は、主人公浮世之介(うきよのすけ?)が真似ゑもんという豆粒大の小男に改名・変身。「色道修行に出かけ、さまざまなレポートをする」という趣向だそうです。たとえば次のようなものらしい。
▼「風流 艶色真似ゑもん」の1場面
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街道の馬子が女の客とそんなことをなさっています。女性には嫌がる風も見えません。合意の上のようです。馬も興奮状態のようです。不安定で危なっかしい体勢ですね。右下にいる一寸法師のような真似ゑもんが、煙管をくわえながら観察し、なにかをメモしているように見えます。
■鈴木春信の代表作は、「風流 艶色真似ゑもん」だけでなく、「風流 座敷八景」もあげられるらしい。もともと「座敷八景」という浮世絵があったようです。「風流」を冠したほうはその作り替えで、好色な要素を取り入れたもののようです。
▼「風流 座敷八景」の「鏡台の秋月(しゅうげつ)」
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女性は髪を結っています。煙管をくわえた男性は、後から手を回して、局部をまさぐっているように見えますね。
■喜多川歌麿は宝暦(ほうれき)3年(1753年)ごろから文化(ぶんか)3年(1806年)まで生きた浮世絵師です。春画の代表作は、たとえば「歌満くら(うたまくら)」があるとのこと。
▼「歌満くら」の中の春画
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女性の項(うなじ)や手の男の顔に触れている手の表情に歌麿らしさが出ている…と専門家は言っています。
■さらに「ねがひの糸ぐち」も有名らしい。
▼「ねがひの糸ぐち」の中の春画
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春画の脇には、小さな字で状況設定や登場人物の説明などが記されていることがあります。
上の絵では、男の名前は粂(くめ)さんというらしい。「コレ粂さん おめへのカミさんハしあわせだ」。「よしよし おしつけかかアのいれけへをするから」。粂さんは巨根の持ち主であり、そんなことが上手なのかな。浮気をしているようですね。近いうちに女房と別れてお前とやり直すと言っているようです。まぁ、浮気男はかなりの割合で似たようなことを言います。女も本気にはしていないかもしれません。
■葛飾北斎は、ご存知のとおり、江戸後期の巨匠です。「富岳三十六景」などは世界でも知られています。口絵の「蛸と海女」も北斎の作品です。文政(ぶんせい)3年(1820年)ごろの艶本「喜能会之故真通(きのえのこまつ)」の中の木版画の一枚だそうです。映画などでも取り上げられました。
■現代のAVでも宇宙のタコみたいな生物と色っぽいお姉さんが絡むものは何本もあるようです。最初は恐怖に脅え、一方的に犯されているのですが、お姉さんはだんだん興が乗ってきます。疲れてきた宇宙タコを励ましたりしながらお姉さんが何度も達するなんていう不思議な奴もあるらしい。
■蛸と海女のアイデアは、葛飾北斎のオリジナルではないかもしれません。北尾重政(しげまさ)の艶本「謡曲色番組(ようきょくいろばんぐみ)」や勝川春潮(かつかわ しゅんちょう)の艶本「艶本千夜多女志(えほんちよのためし)」などに似た構図があるらしい。見たいですね。
■葛飾北斎の春画の代表作は、たとえば「絵本 つひの雛形」だそうです。12枚の組物とのこと。
▼北斎の「つひの雛形」の1枚
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「つひ」は「男と女の「対」と、女陰を意味するツビをかけているそうです。夫婦なのか事のあとで疲れてねている図のようです。女陰には紙が無造作に突っ込まれていますね。腰巻きの脇では黒い鼠の夫婦が重なっています。変な図ですね。
■北斎の別の代表作は、たとえば「浪千鳥」だそうです。こちらも12枚の組物らしい。北斎が70歳代で制作した作品のようです。
▼北斎の「浪千鳥」の1枚
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男性は女性を舐めていますが、女性の口は小さくて男性の一物をとても受け入れられません。手でつかむばかりです。表情はかなり高まっていることを示しています。ほどなく頂に達するのかもしれません。男女の皮膚の紅潮がやたら色っぽい。70歳をこえてなおこんな絵が描けるのは、きっと凄いことなのでしょうね。
◆参考*1: HP「浮世絵 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%AE%E4%B8%96%E7%B5%B5
◇*2HP「春画 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%A5%E7%94%BB
◇*3HP「鈴木春信 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E6%98%A5%E4%BF%A1
◇*4HP「喜多川歌麿 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%96%9C%E5%A4%9A%E5%B7%9D%E6%AD%8C%E9%BA%BF


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この記事へのコメント

ねこのひげ
2014年04月13日 11:18
映画の北斎のタコは貧弱でありましたな~
浮世絵のタコを期待していたのでがっかりでした。
ねこのひげ様<素町人
2014年04月13日 22:57
コメントをありがとうございます。

 いっそ、本物のダイオウイカにすり替えて撮影したら、リアルで良かったのかもしれませんね。当時はそんなにダイオウイカはあがってこなかったのかな。
(^^;)

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