交ぜ書き表記の問題。「がい骨」は正しくはどう書くの?

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★日本語★
問題:交ぜ書き表記は、漢字と仮名の交ざった表記です。本来は漢字だけで書くべきなのですが、片方だけが常用漢字表に掲載されていない場合に、そちらを平仮名で書いたそうです。で、「安ど」とか「進ちょく」とか「補てん」とか、不自然な表記が誕生し、使われました。おかげで学習時、読書時、検索時に混乱を生じています。戦後から現在だけ、日本語の歴史でいえばごく短期間だけ存在しているらしい。
■安堵(あんど)とか進捗(しんちょく)と振り仮名を振れば、それだけで問題は解消したはずです。ところが利益の追求に忙しい新聞各紙は、手間と人件費のかかる作業を嫌ったらしい。日本語の伝統にはあまり関心がなかったのかな。そのためにおかしな表記が生まれちゃったらしい。
■題の問題、「がい骨」は「骸骨」と書きます。「骸」という漢字は平成22年(2010年)秋の改正で常用漢字表に含まれました。「ガイ」という音読みだけが記されています。漢和辞書「字通」によれば、「むくろ、はぎぼね」という字訓がありました。「死骸」とか「形骸化」という熟語を作ります。
■日本語の正しい伝統を守ることは、後世のために必要な行為です。交ぜ書き表記のように、日本語を危うくする害虫はどんどん駆除しなければなりません。読者諸兄諸姉には、特命攻撃隊として、次の交ぜ書き表記と戦っていただきます。それぞれを正しい漢字表記に直してください。
[い]改しゅん
[ろ]かい書(書体)
[は]外とう(服)
[に]覚せい剤
[ほ]かく乱
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]改しゅんは改悛と書く
■「改悛」は、「犯した悪事や過ちを悔い改め、心を入れ替えること」だそうです。「改悛の情が顕著なので執行猶予」なんて話をときどき聞きますね。改心とか改悟と似た意味らしい。「悔い改めた」わけですね。
□「悛」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「シュン、あらためる、つつしむ」という字音・字訓があります。「改悛」以外には、よく使われる熟語はなさそうです。
[ろ]かい書は楷書と書く
■「楷書」は、「漢字の書体の一。点画を正確に書き、現在、最も標準的な書体とされている」とのこと。これに対して草書は、「点画を省略したり崩したりして、曲線を多くしたもの」だそうです。2つのあいだに行書があるとのこと。
□釣りは鮒(ふな)で始まり、鮒に終わるそうです。習字を習うときは、楷書に始まり、楷書に終わります。素町人もそうでした。小学校4年のときに習字を習い始めましたが最初は楷書でした。1ヶ月して野球のほうが忙しくなり、習字の塾は自主的に卒業しましたがこのときも楷書でした。ハハハ、お恥ずかしい。
□「楷」という漢字は、平成22年(2010年)秋の改正で常用漢字表に取り入れられました。「カイ」という音読みだけが掲載されています。漢和辞書「字通」によれば、「かた、かいしょ」という字訓がありました。意味としては「手本」とか「正しい」という意味があるそうです。「楷書」以外には、よく使われる熟語はなさそうです。
[は]外とうは外套と書く
■「外套」は、いまの言葉でいえばオーバー、あるいはコートでしょうか。でも、ゴーリキーの小説はどうしても「コート」では感じが出ません。「外套」でなきゃ駄目ですね。
□「套」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「トウ、かさねる、おおう」という字音・字訓があります。「常套手段」という熟語で使われています。手口を重ね、いつも同じ手段を選ぶからなのかな。
[に]覚せい剤は覚醒剤と書く
■覚醒剤は、「中枢神経を興奮させ覚醒作用をもたらす向精神薬の総称」らしい。コカイン、ニコチン、カフェイン、アンフェタミン、メタンフェタミンなどがあるそうです。若い頃、このうちの2種は常用していたことがありますね。
□「醒」という漢字は、平成22年(2010年)秋の改正で常用漢字表に取り入れられました。「セイ」という音読みだけが掲載されています。漢和辞書「字通」によれば、「さめる、さとる」という字訓もありました。
□江戸時代初期の笑い話集の名前に「醒睡笑(セイスイショウ)」があります。「眠りをさまして笑う」という意味らしい。作者は安楽庵策伝(あんらくあん さくでん)という僧侶・茶人・文人だそうです。1620年代に成立したとされます。少なからぬ数の落語も「醒睡笑」からネタを拾っていると言われます*2
[ほ]かく乱は攪乱と書く
■「攪乱」は、「かき乱すこと。混乱が起きるようにすること」だそうです。本来は「コウラン」と読むらしい。慣用で「カクラン」としています。
□「攪」という漢字は、常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「カク、コウ、みだす、うごかす」という字音・字訓があります。「攪拌(かくはん)」というよく使われる熟語を作ります。「拌」という漢字も常用漢字表には掲載がありません。
□だからといって、使わないわけにはいきません。たとえば「雑誌Newton (ニュートン)」1401月号9頁では、「…少量の水を油にそそいで攪拌(かくはん)すると、サラダのドレッシングをふったときのように、油の中に微小な水滴がたくさんできる」と、文章に振り仮名を添えて表記しています。小さな雑誌社、ニュートンプレスにできることがなぜ読売・朝日以下の大新聞社にできなかったのか。不思議ですね。
◆参考*1:HP「報道機関などでよく使われる交ぜ書き表記の一覧 - RinGoon POP!!」
http://ringoon.jp/mazegaki.html
◇*2HP「醒睡笑 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%86%92%E7%9D%A1%E7%AC%91
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2014年03月30日 06:56
漢字にひらがなを混ぜて表記するというのは不思議でしたね。
どんな経緯でそうなったのか知りたいものです。

ねこのひげも筆で署名しなければならないときに習字を習っておけばよかったと思いますですね(~_~;)
ねこのひげ様<素町人
2014年03月30日 21:52
コメントをありがとうございます。

 素町人は悪筆ですが、わが豚児はもっと磨きのかかった悪筆です。そんなことを受け継がなくてもいいのに。彼の筆跡を見ると溜息が出てきます。
(^^;)

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