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zoom RSS 縄文人の命をつないだ食物とはどんなもの?

<<   作成日時 : 2014/01/18 08:39   >>

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★歴史★
問題:昭和24年(1949年)に神奈川県横須賀市若松町の平坂(ひらさか)貝塚から一体の男性人骨が発見されたそうです。この人骨は、貝層の下にあるローム層のなかから稲荷台式(いなりだいしき)土器という縄文早期の土器といっしょに発見されたとのこと。縄文時代のもっとも古い人骨の一つと推定されているようです。
■歯は磨耗がはげしかったらしい。食事以外にも皮のなめしなどに使われたのかもしれません。筋はきわめて発達していたらしい。激しい筋肉労働に堪えていたことを物語っているそうです。まぁ、たしかに縄文時代では頭脳労働の就職口はかなり少なかったのでしょうね。占い師とか戦闘集団の参謀とかの職種はあったのかな。
■平坂人と呼ばれるこの人骨は、足の親指の付け根に明らかな陰影線が11本入っていたそうです。骨幹横走陰影線と呼ばれ、骨の長いほうに対して横に走る線らしい。成長期に骨の発育を停止させるような重い病気にかかったことを示すものだそうです。鈴木尚(ひさし)という専門家は、原因として栄養失調か、それにともなう重い病気ではないかと推理しているとのこと。縄文時代前期の厳しい生活状態が垣間見える発見だったようです。
■では、縄文人が命をつないだいちばんの主食は次のどれだと推定されているでしょうか?(いちばんの主食はないかもしれないし、複数かもしれません)
[い]貝(アサリやハマグリ)
[ろ]魚(サケやカツオ)
[は]獣肉(イノシシやシカ)
[に]果実(ブドウなど)
[ほ]木の実(ドングリやクリ、トチの実など)
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[ほ]木の実(ドングリやクリ、トチの実など)
説明:縄文時代といえば貝塚。大森貝塚で見つかった土器の模様から「cord marked pottery」(縄文式土器)と命名したモース先生の印象が強いですね。ところが貝というのは1kg採集できたとしても、食べられる部分は300gぐらいしかないらしい。しかもカロリーが低いとのこと。現代であれば大歓迎される食べ物ですが、当時は貝を主に食べて生き残るのは難しかったようです。
■魚もなかなか安定して入手できなかったらしい。なにしろ釣り竿・釣り糸・針・浮きなどすべて手作りですから、今とは比べものになりません。なかなか釣れなかったと思われます。もちろん網も原始的なものしかできません。おそらくは柴を束ねて川や海に沈め、住みつこうとした魚を捕らえる罧(ふしづけ)と呼ばれる方法などで魚を獲っていたと想像されます。貝や魚は蛋白源としては有効だったでしょうが、必要なカロリーを満たすことは難しいようです。
■獣肉も同様ですね。イノシシやシカを狩ることはもちろんあったでしょう。でも安定供給が難しい食料です。果実もたくさん採れればいいのですが、いかんせん保存が効きません。収獲の日は腹一杯になっても、1週間後には飢えている可能性があります。
■そこで光が当たるのがドングリやクリなどの木の実です。クルミやトチの実なども現在と変わらないほどに収獲できたと考えられるらしい。ドングリには平均すると56%ぐらいのデンプンが含まれているそうです。1日の必要エネルギー1800kcalを摂取するには1.5kg食べればいいらしい。ドングリが採集できる期間は3〜4ヶ月もあり、このあいだに1人250kgぐらいの採集が可能だったとのこと。縄文の成人が必要とする全エネルギーの半分はこの期間に採集されたドングリから得られたと推定されます。
■しかもドングリは保存が効きます。カケスやリスなどもドングリを貯蔵しますが、人間も負けていません*2。縄文時代の遺跡には、直径1.1m深さ90cmの穴のなかにぎっしりドングリがつめられていた…なんて遺跡が各地で報告されさているとのこと。
■なお、クリやクルミですと焼けばなんとか食べられますし、場合によっては生でも食べられます。でも少なからぬドングリやトチの実はアク抜きをしないと渋くて食べられないそうです。煮るという作業が必要になります。縄文土器が出現したのは、アク抜き作業のためだったという説があるらしい。必要は発明の母だったのでしょうかね。
◆参考*1:書籍「日本史こぼれ話 古代・中世 正編」新書初版9〜12頁、笠原一男/児玉幸多編、ISBN4-634-60330-6、山川出版社
◇*2HP「食べられてしまうドングリの生き残り戦略。どうやって繁殖していくの?」
http://blog.q-q.jp/201312/article_19.html

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
トチモチというのは、素朴でうまいですが・・・
縄文時代から食べていたんですね。
生きるためとはいえ、色々と工夫するものですな。
ねこのひげ
2014/01/19 17:15
コメントをありがとうございます。

 トチモチというのは食べたことがありません。縄文時代から続く食材だというのは、なかなか驚きですね。
 ネットで調べるといろいろな種類が売られていますね。通販で買ってみようかな。

 弊クイズでも紹介しましたが、栃の実は、第一次世界大戦では無煙火薬の原料と見られたそうです。学校の生徒に拾わせて大量に集めたらしい。できあがった無煙火薬の質が低くて、実戦には使われなかったようですが。
生徒が集めた栃(とち)の実は第一次世界大戦で何の役に立ったの?
http://blog.q-q.jp/200907/article_4.html
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2014/01/20 18:02

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