町人思案橋・クイズ集

アクセスカウンタ

zoom RSS ギネスブックに載せられた世界一気の長い実験は何を調べているの?

<<   作成日時 : 2013/11/29 09:30   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

画像
★科学★
問題:ギネスブックに世界一長期にわたる実験室内での実験と認定された実験があるそうです。1927年(昭和2年)に始まり、すでに86年目に入っているらしい。もちろん実験を始めた研究者は亡くなりました。遺志を継いだ人たちが続けているようです。結果が出るまで時間のかかる実験ですね。
■ではこの実験はいったい何を調べているのでしょうか? 下の選択肢から選んでください。
[い]鍾乳洞で見られる石灰岩の石筍(せきじゅん)を人工的に作る実験
[ろ]粘土質の土に圧力をかけ、人工的に化石を作る実験
[は]フーコーの振り子を使って地球の自転速度の変化を調べる実験
[に]大腸菌の突然変異から乳酸菌に近い性質を持つ菌を作る実験
[ほ]石油からとれるピッチをしずくとして落下させる実験
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[ほ]石油からとれるピッチをしずくとして落下させる実験
説明:ピッチと呼ばれる物質をご存じでしょうか。黒くて粘り気と弾性のある樹脂だそうです。天然のもの、石油を精製した残りカスとして得られるもの、植物由来のものなどがあるらしい*2。
■常温では硬いそうです。金槌でたたくと陶器みたいに割れてしまいます。固体かな。ところが長い時間で見ると液体の性質を示すらしい。流動性があるそうです。
■オーストラリアのクイーンズランド大学という教育機関では、1927年(昭和2年)から「ピッチドロップ実験」を行なっているそうです。漏斗にピッチをいれて宙に浮くように固定しているそうです。細くなった漏斗の下は解放されています。重力がかかり、長い目で見ると流動性のあるピッチは漏斗からじつにゆっくりと下に垂れてくるそうです。固体に見えるピッチにも液体の性質があることがわかるらしい。
■1滴目が垂れたのが1938年12月だったらしい。実験開始から8年以上が経っていたようです*1。ちょっと計算が合いませんね。参考資料*1によれば1930年(昭和5年)に「漏斗の下が切られる」と記されていました。それまでは閉じていたということなのかな。あるいは実験方法に変更があったのかな。確かなことは不明です。科学雑誌には「(最初の1滴が落ちるまでに)10年以上」という表現がありました。こちらは1927年を起点として勘定してますね。
■次に落ちたのが1947年(昭和22年)の2月とのこと。やはり8年以上かかりました。3回目は7年ちょっとで落ちました。
■途中までは、空調がなかったようです。当然、気温の変化によりしずくの伸びる速さが異なるらしい。1988年(昭和63年)の7月に7滴目が落下しました。その秋ごろに空調を導入したとのこと。その次に落ちたのが2000年(平成12年)11月28日だったらしい。12年以上かかっています。空調の影響と考えられています。そろそろ次の1滴、9滴目が落ちるころだそうです。楽しみではありますね。
■他の大学でもこうした実験はおこなわれているそうです。ダブリン大学トリニティカレッジという教育機関では、2013年(平成25年)7月11日に初めて落下の様子を撮影するのに成功したらしい。YouTubeなどでみることができます*3。まぁご覧いただくとわかるとおり、さほどの見物(みもの)というわけではありませんけど。
■ピッチは固体に見えて液体の性質もあわせ持つ。これは十分にわかりました。でもこの実験でわかることはそれだけではありません。1980年代には、実験に使われたピッチが水の230億倍の粘度があると算出されたそうです。素晴らしい成果なのかな。オーストラリアの大学の実験担当者は、この功績により、2005年(平成17年)のイグ・ノーベル賞を受賞したらしい。よかったですね。
■ちなみにわりと近いところにある鰻屋の3代目の主張によると、店の黒くて粘り気のあるタレは大正の初めごろにつくられたもので、つぎ足しを重ねた伝統の味なんだそうです。ほぼ100年なのかな。ピッチの落下実験よりも10年以上は長い時間が経過しています。最近は、仕入れ価格の上昇で商売は不振らしい。元気がありませんけどね。
◆参考*1:HP「ピッチドロップ実験 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%97%E5%AE%9F%E9%A8%93
◇*2HP「ピッチ (樹脂) - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%83%E3%83%81_(%E6%A8%B9%E8%84%82)
◇*3HP「? Pitch-Tar Drop, School of Physics, Trinity College Dublin - YouTube」(固体のような液体の滴が落下する動画)
http://www.youtube.com/watch?v=yCj5krgpX9M
◇*4雑誌「液体と固体のはざま」Newton (ニュートン)1310月号101頁、担当編集者森久美子、ニュートンプレス

ぬけられます→科学雑学クイズ一覧

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
鰻屋のタレの実験をテレビでやっていましたが、100年前から継ぎ足されてきたタレというのを試してみると、
元のタレというのはだいたい半年ぐらいできれいに無くなってしまうそうです。
つまり、100年前のタレは残っていないそうです。
継ぎ足された新しいタレが残っているんだそうです。
ねこのひげ
2013/12/06 01:35
コメントをありがとうございます。

 面白い実験ですね。「秘伝のタレ」はノウハウとしては生きていても、実物としては断絶するしかないわけか。まぁ、美味ければどっちでもいいんですけどね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2013/12/06 12:47

コメントする help

ニックネーム
本 文
ギネスブックに載せられた世界一気の長い実験は何を調べているの? 町人思案橋・クイズ集/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる