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zoom RSS 江戸だけにあった珍商売。献残屋とはどんな商売なの?

<<   作成日時 : 2013/09/14 13:04   >>

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★歴史★
問題:「守貞謾稿(もりさだまんこう)」という江戸時代の風俗を記した一種の百科事典があります。天保(てんぽう)8年(1837年)から30年間かけて記された全35巻は、近世風俗史の基本文献とされているそうです。
■著者は喜田川守貞という人らしい。大坂で生まれ、30歳前後で江戸にやってきました。その風俗が大坂とあまりに違うのでカルチャーショックを受けます。絵心もあったので、その驚きを書物に記しておきたいと思ったようです。哲学や科学は「おどろき」から始まるといわれます。「なぜ?」と考えるところが出発点だとか。百科事典も「おどろき」から始まることがあるんですね。
■「守貞謾稿」には、江戸にあって京・大坂にない商売の第一として献残屋(けんざんや)を挙げているそうです。変な名前の商売ですが、この人たちはいったいどんな人を主な客として物を売買していたのでしょうか?
[い]全国の大名
[ろ]蔵前の札差(旗本・御家人の給与の米を換金した業者)
[は]歌舞伎の役者衆
[に]日本橋の魚河岸
[ほ]大奥の女官たち
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[い]全国の大名
説明:参考資料*2によれば、献残屋とは、「献上物や贈り物の残りとか払い下げ品などを引き取り、他に販売する商売」だそうです。
■いまでもお歳暮やお中元などを買い取ってくれる業者があるそうです。無傷ならセットそのままを転用することも可能です。駄目ならバラ売りかな。デパートでは自分のところで用意した進物用の高級缶詰・瓶詰セットなどが売れ残ったとき、安くバラ売りしたりしますよね。
■江戸時代には、全国の大名は参勤交代で江戸に来るとき、将軍に土産品を贈ったそうです。また武家同士でも、互いに贈り物を交わしたりします。大名や高級武士を客とすると商人は、出入り先の武家や役所につけ届けをします。江戸では贈答が盛んに行なわれていたわけですね。多くの進物、贈答品がやりとりされていたようです。
■どこのご家庭でもおなじでしょうけれど、到来物は必要なものだけを残し、他はよそに回したり、近所に配ったりします。大名や高級武家でもおなじで、不要と思われるものは献残屋に売り払ったようです。
■年始には、大名は太刀を将軍に献上したそうです。上がり太刀と呼ばれるらしい。「儀式に用いて実用にならない太刀」だそうです。木刀に黒漆を塗り、真鍮の飾りをつけたらしい。儀式用ですので、他には使い道がありません。でも献進物としては再利用できるとのこと。献残屋は上がり太刀を大名の御用達係に売りつけたようです。ということは、幕府が献残屋に払い下げたのかな。
■その他に献残屋が扱った主な品物は次のようなものだったらしい。
―――沽魚(ひもの)、干貝、塩鳥(しおどり)、昆布、葛粉(くずこ)、片栗粉、水餅、金海鼠(きんなまこ/きんこ)、干鮑(ほしあわび)、くるみ、唐墨(からすみ)、海鼠腸(このわた)、雲丹(うに)、熨斗鮑(のしあわび)、檜台(ひのきだい)、折櫃(おりびつ)、筥(はこ)、樽
沽魚から雲丹までは食品ですね。わりと日持ちするものが選ばれています。熨斗鮑以降は、儀式につかわれる道具類と考えていいのでしょう。
■塩鳥は、鳥の肉の塩漬けです。鶴・鴨・雁・雲雀(ひばり)が上等とされていたようです。金海鼠はナマコの腸を取り除き、塩水で煮てから干したものだそうです。もどして和えものなどに使うらしい。どちらも高級食材のようです。
■参考資料*2には、こんな川柳も掲載されていました。「献残屋 諸国の義理を 並べたて」。献残屋が扱っている商品は贈答品であり、義理を目に見える形にしたものです。献残屋の店先には、さまざまな国のさまざまな人のさまざまな義理が並んでいるわけですね。
◆参考*1:HP「守貞謾稿 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%88%E8%B2%9E%E8%AC%BE%E7%A8%BF
◇*2書籍「大江戸おもしろ商売」初版98〜99頁、北嶋廣敏(ひろとし)著、ISBN4-05-402993-0、学習研究社

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江戸時代の不思議な職業足力(そくりき)。何を踏んでいたの?
●●●●●★歴史★● 問題:江戸時代には現代の我々には想像もつかない変な商売があったようです。たとえば「おちゃない」。「抜けた髪を買い集める商売」だそうです*1。集めた髪でかもじ、部分かつらをつくったらしい。人造繊維のない時代です。鬘(かつら)の材料は人間の髪がいちばんだったのでしょうね。 ■献残屋(けんざんや)というのも変な商売です。「献上物や贈り物の残りとか払い下げ品などを引き取り、他に販売する商売」だそうです*2。江戸は将軍や大名が住んでいます。儀礼的な進物がかなり頻繁にやりとり... ...続きを見る
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2015/04/18 08:56

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この職業は、時代小説にも出てきますね。
中には、献残屋が岡っ引きのようなことをしている小説もあります。
ひそかに大名から頼まれて間違えて献残屋に売られた刀を探し回って取り戻すというような話とか・・・・
ねこのひげ
2013/09/16 05:09
コメントをありがとうございます。

 時代小説でも活躍しているのですか。献残屋もけっこう有名なんですね。

 それにしても江戸時代の人たちは、どんなものも無駄にしないところがすごい。
 昔の人が今の粗大ゴミなどを見たら、腰を抜かしてしまうのかもしれませんね。ちょっと直せば使える。ちょっと塗れば売れる。ある部分はまだ生きている。そんな品物をよく見かけます。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2013/09/16 23:00

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