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zoom RSS われわれは呪術の時代に生きているの?

<<   作成日時 : 2013/07/19 06:41   >>

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★科学★
問題:1986年(昭和61年)、ペンシルバニア大学で奇妙な実験が行なわれたようです。参加者は食べ物の好みに関する実験として招かれたようです。小さく四角い実験室に入ります。
■食べ物の好みに関する実験ではありますが、いささか風変わりな食べ物が出されたようです。嫌悪感の心理学を専門とするポール・ロジンという人物が企画した実験だったようです。
■参加者にはまずファッジが与えられます。西洋のキャンディの一種だそうです。砂糖・牛乳・バターが原料らしい。甘くておいしい。参加者は得をしたような気分になるのかな(口絵参照)。
■次に参加者は2つの別の形をしたファッジを与えられたそうです。ひとつは円盤形。もうひとつは犬の糞そっくりに造形されたものだそうです。材料は最初に食べたファッジとまったく一緒です。参加者にもそう説明するらしい。そしてどちらを食べたいかと質問するらしい。当然ながら、円盤形のファッジを食べたいと答える人のほうが多いわけですね。
■ポール・ロジンという研究者は、変な組み合わせをいくつも考えておいたようです。では、次の組み合わせのうち、いちばん大きな差が出たのは、どの組み合わせだったでしょうか?
[い]円盤形のファッジと犬の糞に似せた姿のファッジ
[ろ]キャンドルスタンドを浸した林檎ジュースと消毒済の乾燥したゴキブリを浸した林檎ジュース
[は]ゴム製の流しの栓と嘔吐物の模造品
[に]未使用の蝿叩きでかきまぜたスープと新品のおまるに入れたスープ
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[は]ゴム製の流しの栓と嘔吐物の模造品
説明:念のために申し添えますと、参加者に供された食品、あるいは物品は、どれも衛生的には完全に清潔だったとのこと。形や色はともかく、医学的には問題のないものばかりだったそうです。実験の参加者たちにもそれは十分に伝えられていたようです。
■嘔吐物の模造品は、いちばん嫌悪されているようですね。ゴム製の流しの栓は圧勝したらしい。ちなみにファッジの場合は最高200ポイントの選択尺度で評価してもらったところ、50ポイントの差だったようです。びっくりするほど大きな差ではありません。[ろ]のゴキブリのジュースはキャンドルスタンド入りのジュースに比べて100ポイント低かったとのこと。
■[に]の未使用の蝿叩きと新品のおまるに入れたスープでは、被験者たちはともに遠慮したいと答えたようです。
■落語の「天神山」では変ちきの源助という登場人物がおまるに弁当を詰め、屎瓶(しびん)に酒を入れて花見ならぬ墓見に行くというおかしな話があります。どちらもサラではなく古である由。変ちきの源助がペンシルバニア大学で被験者になっていたら、きっと[に]のスープは両方とも飲んでしまうのでしょう。
■われわれは、理性の時代に生きているようだが、同時に呪術の時代に生きているのだ、とペンシルバニア大学の研究者たちは主張したいようです。
■「一度接触したものは、常に接触している」という感染呪術という考えがあるそうです。「不快な物体が中立的な物体に触れると、中立的な物体もこの接触によって不浄のものとなる」という。ゴキブリを浸したジュースがまさにこの例らしい。
■2つ目は「象徴はその物体と同等である」という類感呪術という考えだそうです。似通った形態のものは共通する性質を持つらしい。犬の糞に似たファッジは糞と同じくらい気持ち悪い。同様に、嘔吐物の模倣品は、嘔吐物と同様に気持悪いわけですね。
■ペンシルバニア大学の研究者たちは、ひとつの視点を見落としているのかもしれません。それは、実験を行なった人たちに対する信頼です。いくらおなじ原材料のファッジだよといわれても、白衣を着ている連中が信用されなかったら、犬の糞のほうには手をつけにくい。他の実験材料もおなじです。被験者たちは呪術に縛られているのではなく、単に研究者を疑っているだけなのかもしれません。ひょっとしたらイタズラ? ひょっとしたらドッキリカメラ? そんな気持がより安全そうな姿・形の食品(?)を選ばせているのかも。
■余談です。「接触によって不浄のものになる」という言葉で思い出しました。子供のころ、「エンガチョ」という不思議な習慣がありました。誰かが犬の糞を踏んでしまいます。その子の靴は汚れます。同時にその子自体もけがれてしまうという考えです。その子にさわられた子もやはりけがれてしまいます。
■さわられてもけがれが移らないようにする魔法の儀式があります。掌を20cmぐらい離して向かい合わせ、けがれていない子にエンガチョといいながら手刀で間の空間を切ってもらうのです。そうすることにより一種のバリアといいますか防壁が生まれ、けがれは移らなくなる。そんな迷信がありました。
■単なる遊びのようですが、深刻な結果を招く場合もあります。けがれた子供は一時的に誰にもさわってもらえなくなるわけです。ふつうはせいぜい10分ぐらいです。もし長期化すればイジメになってしまうかもしれません。実際、みんなが避けるのでとうとう泣き出し、家に帰ってしまう子もいました。その子の親は、呪術の時代に生きているんだなと思ったかもしれませんね。
◆参考*1:書籍「奇想天外な科学実験ファイル」初版257〜260頁、アレックス・バーザ著、ISBN978-4-7678-0719-5、エクスナレッジ
◇*2HP「ファッジ - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B8

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
そういえば、台湾で便器の形をした食器にカレーライスを入れてだし、ビールを尿瓶に入れてだすレストランが流行っているというニュースを見たことがありますが・・・
いまも存続しているんですかね・・・・?

「テンガチョ!テンガチョ!」というのはねこのひげの小学生のころも盛んに言っておりました。
いまは犬のウンコを踏む機会も少ないようですが・・・
ねこのひげ
2013/07/19 16:42
コメントをありがとうございます。

 台湾の人は、便器でカレー、屎瓶でビールを食べたり飲んだりするわけですね。なかなか面白い。

 我々の地方では「エンガチョ」でしたけれど、そちらでは「テンガチョ」なわけですね。少しずつ、異なっているのかもしれませんね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2013/07/19 19:43

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