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zoom RSS ★食事・就寝前厳禁★「黄熱病は伝染病に非ず」と証明したかった昔の医師はどんな実験をしたの?

<<   作成日時 : 2013/06/25 06:34   >>

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★科学★
問題:19世紀初頭のお話です。日本でいえば文化文政時代に入ろうかというあたり。11代目将軍家斉の治世です。寛政の改革はすでに過去となっています。景気も徐々に回復しつつあったのかな。欧州ではナポレオンが皇位に就こうかという時代ですね。
■アメリカのフィラデルフィア近辺では、黄熱病が大流行していたらしい。黄熱病はわれらが野口英世が戦いを挑み、敗れた病気です。野口英世はガーナのアクラという地で51歳の生涯を終えたそうです。昭和3年(1928年)のことでした。
■スタビンス・ファースという新米の米国人医師は、黄熱病は伝染病ではないと確信し、自らその事実を確認することを思い立ったそうです。19世紀初頭にも細菌という概念そのものはあったようです。17世紀後半に顕微鏡が登場し、肉眼では見えない微生物の存在は知られていたらしい。ただし、それを病気と結びつける考えは、なかなか生まれなかったようです。フランスのパスツールが微生物についての研究、なかでも腐敗や感染症についての研究を発展させるのはファース君の決心から60年ぐらい先の話です。ともあれファース君は、黄熱病に自分をぶつけてみようと決心したらしい。
■では、ファース君が行なった「黄熱病に自分をぶつける実験」は、次のどれだったのでしょうか? (ファース君の実験は無いかもしれないし複数かもしれません)
[い]患者の吐瀉物を飲んだ
[ろ]傷を作って患者の吐瀉物を流し込んだ
[は]患者の尿を傷に流し込んだ
[に]患者の唾液を傷に流し込んだ
[ほ]患者の吐瀉物を点眼した
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:すべてを行なった
説明:黄熱病の猛威を目撃したファース君は、最初は伝染病だと思っていたらしい。その後、少し考えを変えたようです。夏の暑い日々が続くあいだは猛威をふるいますが、冬が近づくとすっかり終息します。気候が伝染病に影響することがあるのだろうか。
■現代のわれわれなら、インフルエンザは冬に多いし、プール熱は夏の病気じゃん。伝染病の中には季節性の病気があるのは不思議じゃない。そう考えるかもしれません。でもなにしろナポレオンの時代です。細菌やウイルスによって病気が引き起こされることがあるとは知られていません。もちろんウイルスが観察できるような高性能の顕微鏡もありませんでした。
■ファース君はなんでも体当たりで解決する方針だったのかもしれません。現代の医者からみればとんでもないことをいろいろやってみたようです。参考資料*1にはその詳細が描かれています。あまりに気持悪いので引用は避けます。ともあれ、自分の体に傷をつけ、患者の尿や吐瀉物や唾液を流し込むなんてのは、ちょっとした異常者のようです。それでも彼は黄熱病にかかりませんでした。野口英世はかかりたくなかったのにかかってしまった。神様は不公平ですね。
■ファース君は、この研究結果をペンシルベニア大学に提出し、みごとに博士号を取得したそうです。大学側は、あまりのすさまじい実験方法に度肝を抜かれたのかもしれません。現代ならばイグ・ノーベル賞は確実という激越な研究です。
■結局のところ、ファース君の仮説は間違っていました。現在では、蚊が媒介するRNAウイルスにより、黄熱病が蔓延することがわかっているそうです。黄熱病に季節性があるのは、蚊の増減に左右されていたからなのかな。
■なぜファース君は、失礼、ファース博士は感染しなかったのでしょうか。現代の医者たちは、「単に運が良かっただけ」と考えているようです。選択肢の実験以外にも、患者の排出した液体を体中に塗りたくったりしているらしい。ところが黄熱病のウイルスは、「西ナイルウイルスなど蚊が媒介するほかの感染症同様、直接血流に入らないと感染しない」そうです*1。もしこれが飛沫感染や接触感染をするタイプのウイルス、たとえば天然痘のウイルスだったら、ファース博士は確実に感染し、博士号の取得もならなかった可能性があるようです。
◆参考*1:書籍「奇想天外な科学実験ファイル」初版253〜257頁、アレックス・バーザ著、ISBN978-4-7678-0719-5、エクスナレッジ
◇*2HP「ジェンナーよりも前に日本で実施された成功率100%の天然痘予防法とは?」
http://blog.q-q.jp/200705/article_2.html

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ニューヨークの中央分離帯と公園で学者たちが実施したのはどんな珍妙な実験だったの?
●●●●★科学★●● 問題:学者たちは真面目くさった顔をして、ときどき不思議な実験をすることがあります。昆虫学の専門家ファーブルは、セミには聴覚がないという仮説を証明するために大砲をぶっぱなしました。空砲だったようですが*1。セミは鳴きやまなかったらしい。ほらね。セミは鳴くけれど耳は聞こえていないのさ。 ■人間には犬笛の音が聞こえません。同様に、セミの聴覚がとらえる音域が、大砲の発射音の大部分を構成する低い周波数を含まなかったようです。もっと高い周波数の音、たとえばモスキートーンならば... ...続きを見る
町人思案橋・クイズ集
2016/01/26 09:34

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
免疫力をつけて身体がウイルスに感染することを何とか避けたい。
同時にパソコンがウイルスに感染することも避けたい。
gooブログにアクセスすると、ウイルスに感染することがあるから、近寄らないことが望ましい。
URLがblog.gooで始まっている。また角の中にgが入った赤いマークが付いている。
ウイルス対策ソフトがパソコンに入っておれば問題ないと思われるが、念のため。
君子危うきに近寄らず。
うなぎ
2013/06/25 10:45
野口英世も現代のような強力な顕微鏡があったら発見できたかもしれませんが、当時の顕微鏡では無理だったようですね。
しかし、証明するためとはいえ、フォース博士は無茶をしますな〜
ねこのひげ
2013/06/26 02:18
コメントをありがとうございます。

 後日談があり、フォース博士は自らの主張が正しいことをさらに検証すべく、患者を使って例の無茶苦茶な実験を追試した…なんて話ですと、傷害罪や殺人罪が適用されるかもしれません。でも、参考資料にはそんな話は記されていませんでした。

 一種のマッド・サイエンティストでしょうか。そんな実験は自分だけにしておいて欲しいものですね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2013/06/26 07:23
コメントをありがとうございます。

「gooブログにアクセスすると、ウイルスに感染することがある」というのは事実でしょうか。証拠を提示していただければ幸いです。
m(_ _)m
うなぎ様<素町人
2013/06/26 07:27

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