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zoom RSS 今でも読みは使う言葉です。「少頃」、「俄頃」とか「須臾」、「造次」、「縛楽」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2013/05/09 08:11   >>

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★日本語★
問題:昔の熟語の読みかたです。[い]〜[ほ]にはおなじ読みかたをする熟語が並んでいます。中にひとつだけ実際には存在しない表記が混ざっています。それはどれでしょうか?
[い]少頃
[ろ]俄頃
[は]須臾
[に]造次
[ほ]縛楽
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[ほ]縛楽
説明:[ほ]のように漢字表記する熟語は無いと思われます。勝手にでっちあげた言葉です。無理に読めば「シバラク」と読めるかな。なんとなくある種の趣味人の密かな悦びを連想させる字面ではあります。
■他の言葉、少頃・俄頃・須臾・造次はそれぞれ「シバラク」とも読みます。平安時代末期の字書である「類聚名義抄(るいじゅみょうぎしょう)」という本に掲載されているそうです。「シバラク」という読みでは、他にも「俄」、「片時」、「少」などが漢字表記として掲載されているらしい。ずいぶんたくさんあるんですね。
■「類聚名義抄」にはないようですが、現在使われている「暫く」という漢字もあります。歌舞伎にも「暫」という演目があります。歌舞伎十八番のひとつ。市川家の伝統芸だそうです。市川團十郎とか海老蔵などが継いでいくらしい。悪い権力者たちが善人たちをいじめ、まさに処刑せんとするところへ花道から英雄があらわれます。「しばらく!」と声を掛けて刑の執行を停止します。英雄は悪人達の悪事を暴きたて、やたらと長い刀を振り回して悪い奴らをやっつけて去っていくようです。英題では「Just A Moment」とのこと*2。そのまんまですね。
■「須臾」はシュユという読みもあります。やはり短時間を表します。「造次」はゾウジという読みもあります。造次顛沛(ゾウジテンパイ)という四字熟語を作ります。「わずかな時間のたとえ」だそうです。「論語―里仁(リジン)篇」の「君子無終食之間違仁、造次必於是、顛沛必於是」という文章に由来する熟語だそうです。
■難しい漢文は、「君子は食事を終えるわずかの間でも、躓(つまず)いて倒れる咄嗟の間でも仁から離れない」という意味らしい。食事中に、あまり旨くねえなあ、板前の腕が悪いのかな。それとも素材かな。なんて悪口を言ったりしないんでしょうね。アィタ、誰だよ、こんなところにバナナの皮を置いたのは。そんな言葉も吐かないのかな。君子はいつもお澄まししているようです。君子じゃなくてよかったですね、お互い。
■勝手な憶測をします。平安時代の人は腕時計もケータイも持っていません。今のように「5分待ってくれ」とか、「1時間もしないうちに戻るでしょう」などと表現できません。短い時間をあらわすのについさまざまな文字を使ってしまったのではないか。違うかな。
■余談です。「しばらく」は、昔と今では意味がわずかに異なっているそうです。「類聚名義抄」のころは、極めて短時間という意味が強かったらしい。17世紀初頭に成立した「日葡辞書(にっぽじしょ)」でも「暫時の間、あるいは少しの間」という短時間の意味だったらしい。
■現在では、「しばらく」といえば、「すぐではないが、あまり時間がかからないさま」という意味と、「時間的にある程度長く続くさま」という意味になっています。「やぁ、しばらくぶりだね」といえば久しく会っていない感じがします。「しばらくは円は安いままだろう」の場合も同様です。
■自動応答の電話口で「ただいまたいへん電話が混み合っています」という言葉のあとに、「ちょっとお待ちください」だったら待つかもしれません。「しばらくお待ちください」だったら切ってしまう人が多い…かどうかは知りませんけれど。
◆参考*1:書籍「大野晋の日本語相談」文庫初版93〜96頁、大野晋(おおの すすむ)著、ISBN4-02-264085-5、朝日新聞社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林
◇*2HP「暫 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%AB

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
縛楽・・・・と言えば、20代のころ団鬼六さんに会ったことがあります。
ああいった本を出したりする人には見えず、和風の屋敷に編集部があり、見目麗しいの編集者もいたのにはビックリでした。
ねこのひげ
2013/05/09 19:08
コメントをありがとうございます。

 団鬼六というかたはテレビでは拝見したことはありました。多く和服を着ていましたね。作家と同時に編集もやっていたんですね。知りませんでした。

 昔、感じたのは、職業人という側面と同時に家庭人としての側面もあるのかしらん。奥さんやお子さんとはどのように接しておられるのかなという疑問でした。
 ゲイバー勤めのお父さんみたいなもので、家族、とくにお子さんに理解してもらうのはなかなか難しいんでしょうね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2013/05/10 16:16

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