町人思案橋・クイズ集

アクセスカウンタ

zoom RSS 難易度の高い漢検1級程度の四字熟語。「拳拳服膺」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2013/05/20 06:45   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

画像
★日本語★
問題:難易度の高い漢検1級程度の四字熟語です。例によって使用場面が想像できない言葉も含まれています。漢検1級を受検する人以外にはほぼ用のない熟語ですね。
■題の問いは、「ケンケンフクヨウ」と読みます。「心に銘記し、常に忘れないでいること」だそうです。戦前に少年時代を送った人ならば誰でも読める四字熟語ですね。教育勅語の最後のほうに使われていました。「朕(チン)、爾臣民(なんじシンミン)ト倶(とも)ニ拳々服膺シテ咸(みな)其(その)徳(とく)ヲ一(いつ)ニセンコトヲ庶幾(こいねが)フ」。なかなか難しい文章です。
■本日は頭の体操を兼ねて難易度最高の読みに挑戦していただきましょう。次の5つの四字熟語の読みはなんでしょうか。
[い]軽裘肥馬
[ろ]霓裳羽衣
[は]軽佻浮薄
[に]孤高狷介
[ほ]蹇蹇匪躬
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]軽裘肥馬はケイキュウヒバと読む
■軽裘肥馬は、「軽く暖かい皮ごろもと肥えた馬」だそうです。お金持ちが外出するときのいでたちをいうらしい。
□昔から乗り物や服装は資産や社会的地位を表示する象徴と見られてきたようです。でも現代では革の服や毛皮のコートの地位は落ちてしまったようです。誰でも買えます。動物保護団体の圧力もあります。毛皮を着ていると社会性の低い人物に見られたりします。少なくとも知的高級な感じはしません。
□高価なクルマは相変わらずステータスシンボルです。でも価格.comで調べるとロールス・ロイスの中古品は100万円台で売られていたりします。意外です。象徴にはなりにくい。人件費の高い現代の先進国では、クルマに専属する運転手こそがステータスシンボルなのかもしれません。
□「裘」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「キュウ、かわごろも」という字音・字訓があります。中原中也(ちゅうや)の「汚れつちまつた悲しみに……」という詩で使われていました。「汚れつちまつた悲しみは たとへば狐の革裘(かはごろも)」*3。意味はよくわかりませんが、語呂がいいので覚えています。
[ろ]霓裳羽衣はゲイショウウイと読む
■霓裳羽衣は、「虹のように美しい裳(も)と羽衣(はごろも)」だそうです。天人や仙女などの着る衣らしい。もうひとつ意味があって、「唐の玄宗が、夢の中で見た天上の月宮殿での天人の舞楽にならって作ったと伝えられる楽曲」だそうです。玄宗皇帝が作曲家だとは知りませんでした。
□「霓」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ゲイ、にじ」という字音・字訓があります。中国では虹にも雄と雌があるそうです。色鮮やかなのは♂。暗いのは♀とのこと。霓裳羽衣の場合は、どちらの色の衣装なのかな。
[は]軽佻浮薄はケイチョウフハクと読む
■軽佻浮薄は、「気分が浮ついていて、行動が軽々しいこと」だそうです。反対語は重厚とか沈着でしょうか。
□いつの時代でも若者は軽佻浮薄です。それでいいのです。年寄りは「今の若い者は」と愚痴をこぼしますが、そんな年寄りたちも若いころは軽佻浮薄だったはずです。昭和41年(1966年)の梅雨時、ビートルズが来日したとき、武道館という日本武道の聖なる殿堂を、あんな軽佻浮薄な長髪の若者たちに使わせるのかという年寄りの議論がありました。細川隆元(りゅうげん)とか小汀利得(おばま としえ)といった当時の評論家はいちばん過激であり、「コジキ芸人」と罵っていたそうです。
□そんな爺さんたちだって若い頃はペラゴロで浅草オペラに夢中になっていたのかもしれません。もっと古ければ娘義太夫の太夫たちに熱を上げていたかな。夏目漱石も娘義太夫にはまっていたという噂です。軽佻浮薄であることが世の中を変えるかどうかはわかりませんが、少なくとも面白い。十分に存在価値はあるでしょう。
□「佻」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「チョウ、かるい、おろか」という字音・字訓があります。軽佻以外にはあまり知られた熟語はなさそうです。
[に]孤高狷介はココウケンカイと読む
■孤高狷介は、四字熟語としては立項されていない辞書があります。孤高は、「俗世間から離れて、ひとり自分の志を守ること」です。狷介は、「頑固で自分の信じるところを固く守り、他人に心を開こうとしないこと」だそうです。
□中島敦(あつし)の小説「山月記」にはこんな言葉がよく登場する。そんな風に記憶していました。調べてみると、孤高は使われていません。狷介は1箇所だけ。単なる思い込みだったのかな。
□「山月記」は自分は偉いと思い込み過ぎた人のお話です。あまりにそんな思い込みが過ぎると、人間は虎になってしまうようです。フーテンの寅さんならつきあいやすいけど、野生の虎では誰とも仲良くできそうもありません。
[ほ]蹇蹇匪躬はケンケンヒキュウと読む
■蹇蹇匪躬は、「君主に忠誠を尽くすこと」だそうです。自分のことは二の次にして他人に尽くすことも蹇蹇匪躬らしい。
□「蹇」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「ケン、あしなえ、くるしむ」という字音・字訓があります。足が不具な状態を示すらしい。子供のころ、横浜や東京では片足でぴょんぴょん跳んで歩くことをケンケンすると言っていました。関係があるのかな。
□明治期の外交官陸奥宗光(むねみつ)は、伊藤内閣で外務大臣を務めた人です。和歌山出身ですが脱藩して坂本龍馬の海援隊に参加したそうです。陸奥宗光の著書に「蹇蹇録」という外交記録があるそうです。機密文書を引用した箇所が多くあり、長く非公開でした。明治28年(1895年)に成立したようですが、初めて公開されたのは昭和4年(1929年)になってからだそうです。いまでは1級の資料として利用されているらしい。
□「蹇蹇録」の命名は、「忠誠を尽くしてきた」という自負から生まれたのでしょうか。それとも「あしなえ」のように覚束ない足取りだったけど、という謙遜なのかな。
◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定1級試験問題集09年版」成美堂出版編集部編、ISBN978-4-415-20421-5、成美堂出版
◇*2HP「常用漢字表:文部科学省」
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19811001001/k19811001001.html
◇*3HP「中原中也 山羊の歌」(青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000026/files/894_28272.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

ぬけられます→日本語雑学クイズ一覧

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
どれも難しいですね〜
読めたのは孤高狷介くらいです(^^ゞ

日本でも貴族は和歌で問答をやっていたようで、権力者や金持ちの暇人は歌や踊りに興じていたようですな〜
ねこのひげ
2013/05/21 01:53
コメントをありがとうございます。

 玄宗皇帝は絶対的な権力者ですから、作曲家に作らせて自分の作品としちゃったのかもしれません。文句のある奴には死をという時代ですものね。

 現代でも全体主義の国では、絶対的な権力を握る人物がいます。連中も、他人の作品を奪ったりしているのかな。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2013/05/21 10:53

コメントする help

ニックネーム
本 文
難易度の高い漢検1級程度の四字熟語。「拳拳服膺」はなんと読むの? 町人思案橋・クイズ集/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる