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zoom RSS イソップ物語のアリとキリギリス。原話では別の動物が主人公だったの?

<<   作成日時 : 2013/04/25 07:16   >>

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★日本語★
問題:イソップ物語のアリとキリギリスは、日本でも広く知られています。怠け者のキリギリスは夏の間中歌って暮らしていました。アリはせっせと働いて巣に食べ物を貯えました。
■冬がやってきました。アリは貯えてある食べ物を取り崩しながら春を待とうとしたところ、なんと備蓄されていた食べ物のほとんどが盗まれていました。アリの巣に同居する小さな虫たちが食べてしまったようです。ちなみにアリの巣には100種類をはるかに越える居候がいるとのこと*1。中には食料どころか、アリの幼虫を食べちゃう奴もいるらしい。あわれなアリは飢え死にします。
■そのころ、キリギリスは人間に捕らわれて飼われていました。暖かい部屋で毎日いやというほど食べ物を与えられます。1日に何回か鳴いてやるだけで人間は喜ぶらしい。たしかそんな話でした。
■教訓としては、勤勉は必ずしも幸福をもたらさないということ。勤勉な人間は盗まれやすい。泥棒だけでなく、国や地方自治体がつくり出すさまざまな制度に金をむしられます。各種の税金であり、各種の保険料です。逆にキリギリスのように無一文なら、生活保護を受けて暮らしていけます。多少の拘束はあるし、若干の義務は負うわけですが、まぁなにもせずに腹一杯食えるわけですから、それぐらいは我慢しなけりゃね。
■冗談はさておき、アリとキリギリスのお話は、イソップの作った原話ではキリギリスではなく、別の動物だったそうです。では、その動物とは次のどれでしょうか?
[い]セミ
[ろ]トカゲ
[は]イモムシ
[に]ヒヨドリ
[ほ]カエル
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[い]セミ
説明:イソップは古代ギリシャの寓話作家だそうです。紀元前619年〜564年ぐらいに生きていたらしい。ほぼ同時代には、タレスという哲学者が生きていたようです。万物の根源は水であると主張した人物のようです。イソップが亡くなって95年ほどしてからソクラテスが生まれているそうです。
■イソップは元々は奴隷でしたが、才能を買われたのか解放され、寓話の語り手として各地をまわったらしい。おもに地中海沿岸で過ごしていたようです。この地方では、セミは珍しくない生き物です。イソップが登場人物のモデルとして採用するのもわかります。
■ところが北ヨーロッパではセミはあまりいないらしい。寒い地方に住む人たちは、アリとセミではピンと来ないとのこと。で、イソップの寓話がアルプス以北に伝えられるとき、翻訳した人がキリギリスに変更したらしい。キリギリスのお話は世界中に広がっていったようです。
■日本にはじめて伝えられたのは16世紀の終わりごろ、豊臣秀吉が威張っていた時代だそうです。ポルトガルから伝わったとのこと。参考資料*3によれば、このときはまだセミだったようです。ポルトガルは地中海沿岸ではありませんが、暖かいし、セミはいるのかも。
■日本では結末が生ぬるいものになっています。キリギリスはアリをたずねて食べ物を乞い、アリは説教を垂れながらもキリギリスに食べ物を与えます。欧州ではアリは食べ物を与えず、キリギリスは死んでしまうことになっているらしい。生ぬるい結末は日本独自の物なのでしょうか。それとも他の国にもあるのかな。
■なお、ご存じのとおり、セミは長い間地中で暮らします。地上に出てからはせいぜいで2週間ほどしか生きられないらしい。暑い時期に地表に這いだし、羽化して精一杯鳴いて配偶者を求め、うまくいったとしても命は絶え、地面に落ち、遺骸はアリその他の虫や菌などに蝕まれるわけですね。
■冬期に飢えてさまようセミは存在しないようです。イソップ氏は、寓話作家としての才能はあるようですが、生物の観察においては手抜かりがあるといわざるをえません。
◆参考*1:書籍「昆虫の不思議」初版92〜93頁、伊沢尚(しょう)著・三枝博幸(さいぐさ ひろゆき)監修、ISBN4-8163-4111-0、ナツメ社
◇*2HP「アリとキリギリス - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%81%A8%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9
◇*3テレビ番組「ダーウィンが来た!生きもの新伝説『まるでイソップ? 札幌リス物語』」平成20年(2008年)6月1日放送分、NHK

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
イソップ物語はその国の事情に合わせて変化させられたようですね。
他の古い物語でも変化して、その国で生まれた話のようになっているものもあるでしょうね。
ねこのひげ
2013/04/26 03:01
セミだったの〜

確かに、セミは冬には生きて無いし、蟻の食べ物は、食べられそうに無いもんね。
生物は、追試にしておきましょう。

蟻も、冬の間に寒さで死んでしまったり、やっぱり苦労はあるみたいです。
ブータ
2013/04/26 10:54
コメントをありがとうございます。

 著作者人格権という「意に反した改変」をされない権利があるそうです。
 セミをキリギリスに勝手に変えたり、厳しい教訓を含むべき結末を甘っちょろいお話に変えたりした人間には、著作者人格権の侵害に対して損害賠償を請求できるかもしれません。
 原告は、イソップ氏の遺族であることを証明できる人ということになるのかな。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2013/04/26 22:04
コメントをありがとうございます。

 蟻は実は勤勉ではないというお話もあります。
「アリとキリギリス」のイソップ物語は嘘? 働き者のアリは全体の何%ぐらいなの?
http://blog.q-q.jp/200907/article_38.html

 現代アリンコ風俗に詳しい一部の研究者によれば、蟻の80%は何もしていないとか。残りの20%がせっせと働き、怠け者たちを養っているらしい。
 大きなお世話ですが、そんなことでいいのかと蟻たちに言いたくなりますね。
(^^;)
ブータ様<素町人
2013/04/26 22:17

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