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zoom RSS 「語るに落ちる」ってどんな意味なの?

<<   作成日時 : 2013/04/18 08:17   >>

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★日本語★
問題:ときどき耳にする言葉です。「語るに落ちる」というのはどんな意味でしょうか? 正しい意味を下の中から選んでください。(正しい意味は無いかもしれないし複数かもしれません)
[い]あしざまに言う
[ろ]うっかり自分から白状してしまう
[は]話すまでもない
[に]縁起でもないことを平気で言う
[ほ]話のつじつまがあわない
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★日本語★
正解:[ろ]うっかり自分から白状してしまう
説明:ロングバージョンがありまして、「問う(ふ)に落ちず語るに落ちる」と使われます。「落ちる」は警察の取り調べでいうところの自白ですね。訊問されてもけっして自白はしない。でもカツ丼を食べて煙草をもらい、一服しているときの雑談でうっかりしゃべってしまう。これが「問うに落ちず語るに落ちる」の典型例らしい。
■大山詣(おおやままいり)の一行、雷は鳴るは土砂降りの雨には降られるはでさんざんな目にあいます。一行の中に懺悔の足らない者がいるはずと先達(せんだち、リーダー)らが言い出すと、「ひとつだけ懺悔していないことがあります」と白状する者がいます。「実は雌牛とつがったことがあります」。「それだ。しょうがないな。だいいち、そんなことをして楽しいのか」。「いや、それがけっこういい味でして。雌犬よりもずっといいんですよ」*3。これも語るに落ちるの例かな。
■ちなみに、大山だけでなく、神聖といわれる山の神社にお参りする人たちは、出発前には水垢離(みずごり、宗教目的の水浴び)などの身禊(みそぎ)をして身を清めます。登山中は「懺悔懺悔六根清浄(さんげさんげ ろっこんしょうじょう)」と唱えるそうです。
■六根清浄とは「霊山に登るときや寒参りなどの際に、六根の不浄を清めるために唱える語」です。六根とは、「感覚や意識を生じ、またそれによって迷いを起こさせる原因となる六つの器官」らしい。「眼(げん)・耳(に)・鼻・舌・身・意」が六根とのこと。ちょっとおかしいですね。男性にとって「迷いを起こさせる原因となる器官」として第一に挙げなければならないアレ、男根は含まれないのかな。
■それはともかく、身も心も清くして神聖な場所におもむくというのが江戸時代の正式な参詣だったようです。けがれている人物が混ざっていると連帯責任として一行に天罰が下ると思われていたようですね。
■「あなたは偉い人だ。ほかの人はうちに来て話をすると、決まって他人の噂話。それも悪口が多い。ところがあなたは他の人の話をしない。これはなかなかできることではありません」。「私もこころがけて、ほかの人の噂話をしないようにしています。ところが、仲間の熊五郎などは、よく他人の悪口を言っています。困ったことです」*3。これは少し曲がった例かな。
■「徒然草」の第107段は、女性の悪口が並べてある部分です。その中に次のような表現があります。
---かく人に恥ぢらるる女、いかばかりいみじきものぞと思ふに、女の性は皆ひがめり。人我の相深く、貪欲はなはだしく、物の理(ことわり)を知らず、ただ迷ひの方に心もはやく移り、苦しからぬ事をも問ふ時は言はず。用意あるかと見れば、また、あさましき事まで、問はず語りに言ひ出だす。
■後半部分は次のような意味らしい。「…ことばは巧みながら、そのくせ、人が問うときには、差し支えないことでも答えない。では、つつましく黙っているのかと思うと、また、とんでもないことまで、問われもしないのにしゃべり出す」*2。「問わず語り」がすなわち「語るに落ちる」ことなのですね。
◆参考*1: 書籍「故事名言ことわざ総解説」初版319頁、自由国民社
◇*2書籍「徒然草2 第107段 女の物言ひかけたる返事」文庫初版280〜293頁、三木紀人(すみと)訳註、lSBN4-06-158429-4、講談社
◇*3書籍「江戸小咄辞典」初版44〜45頁、武藤禎夫(さだお)編著、東京堂出版

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
大山参りというのは、江戸時代盛んだったようで、深川に水垢離の場所があり、そこで体を清めてから出発したようですね。
ねこのひげは、最近まで大山のことを知りませんでした。
湘南とか江ノ島あたりにはよく行ったんですがね(^^ゞ
ねこのひげ
2013/04/19 02:51
吉田兼好も、言ってくれるわね〜。もう〜、ちゃんとした女の人も居ます〜。ブータはだめですけどね。
ブータ
2013/04/19 08:30
コメントをありがとうございます。

 江戸時代の中期以降に庶民の旅行が盛んになって、大山詣もたいへん多くの人が参加したそうですね。
 もっと手近では高尾山があります。
 以前に聞いた話では、高尾山薬王院への参詣と大山阿夫利神社への参詣がセット販売されていたとか、両方詣ると御利益が特別に多くなるとか、ポイントを貯めると帰りの旅籠賃がタダになるとかいろいろ販売促進の手が打たれていたとか。
 信心と商魂は、いつの世でも分かちがたくむすびついているんですね。
(^^;) 
ねこのひげ様<素町人
2013/04/19 08:35
コメントをありがとうございます。

 私見ですが、吉田兼好が本心から女性への悪口として書いたのかどうかは、はっきりしません。

 女を見本に立ててはいますが、実は老若男女すべての悪口、つまり人間とはこんなものという嘆きを述べている可能性もあるような気もします。
(^^;)
ブータ様<素町人
2013/04/19 08:46

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