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zoom RSS 小泉八雲「耳無芳一の話」からの読み問題。「首途」はなんと読むの?

<<   作成日時 : 2013/04/01 06:25   >>

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★日本語★
問題:ラフカデイオ・ハーンはギリシャ出身の人らしい。お父さんはアイルランド人でイギリス軍の軍医、お母さんはギリシャ人だそうです。西洋人なのにキリスト教に懐疑的だったとWikipediaには記されています。非キリスト教徒の多い日本に帰化して小泉八雲と名乗ったそうです。日本人のカミサンをもらって日本に住み、日本で亡くなりました。
■代表作には「怪談」があります。耳無芳一の話、むじな、ろくろ首、雪女などの話が含まれているとのこと。
■本日は小泉八雲著、戸川明三訳の「耳無芳一の話」からの読み問題です。例によって青空文庫に掲載されている読みを正解とします。
[い]首途
[ろ]吃驚
[は]殿居
[に]魅される
[ほ]焦慮く
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)



























★日本語★
正解:各項目を参照してください
説明:[い]首途はかどでと読む
■首途は、「旅などのために、自分の家を出発すること」です。門出とも書きます。首途は「シュト」とも読みます。
□「首」という漢字は常用漢字表では「シュ、くび」というという音読み・訓読みがあります。漢和辞書「字通」では「シュ、くび、はじめ、きみ、もうす」という字音・字訓があります。首途を「かどで」と読ませるのは当て字のようですね。
□首という漢字は象形文字だそうです。昔はもう少し上部に毛の形をした線が何本かついていたらしい。
▼金文(キンブン、上)と説文解字(セツモンカイジ)の首
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金文は青銅器の表面に記された文字、説文解字は古い中国の漢和辞典だそうです。甲骨文字→金文→説文解字の順に新しくなるらしい。金文では動物、それも鹿らしき哺乳類の首だったのが、説文解字では頭頂部だけに毛が生えた人間の首に見えますね。
□首という漢字は、ご存じのように首相、首班とか首長などの熟語をつくります。「首長」は「シュチョウ」とも読みますが、わざと「くびチョウ」と読む人もいます。
□「耳無芳一の話」では次のように使われていました。「芳一には出世の首途(かどで)の際、はなはだ貧しかったが、しかし助けてくれる深切な友があった。すなわち阿彌陀寺の住職というのが、詩歌や音楽が好きであったので、たびたび芳一を寺へ招じて弾奏させまた、吟誦さしたのであった」。
[ろ]吃驚はびっくりと読む
■吃驚は、「おどろくこと、びっくりすること」です。「キッキョウ」とも読みます。
□「吃」という漢字は常用漢字表には掲載がありません。漢和辞典「字通」によれば「キツ、どもる、くらう」という字音・字訓があります。吃音(キツオン)という熟語をつくります。どもりですね。
□現在の中国では「吃」をチィと発音して「食べる」という意味で使っているそうです。「好吃」と書いて「ハオチィ」と読み、美味の意味だといくつかのHPに記されていました。
□「耳無芳一の話」では次のように使われていました。「『芳一!』。 芳一はあまりに吃驚(びっくり)してしばらくは返事も出なかった、すると、その声は厳しい命令を下すような調子で呼ばわった――」。
[は]殿居はとのいと読む
■殿居は、「宮廷や役所に泊まって勤務し、警備守護などをすること」だそうです。「夜間、貴人のそばに侍して不寝番をすること」も殿居らしい。さらに、「貴人の寝所に女性が奉仕すること」も殿居と呼ぶようです。後宮とか大奥などには殿居用の女性がたくさんいたんでしょうね。
□一般には殿居は「宿直」と書きます。この表記にすると突然色気がなくなりますね。用務員さんか当番の先生が学校に宿直するのを連想してしまいます。
□「耳無芳一の話」では次のように使われていました。「武者の足どりのカタカタいう音はやがて、その人がすっかり甲冑を著けている事を示した――定めし何か殿居(とのい)の衛士ででもあろうか、芳一の最初の驚きは去って、今や自分の幸運を考え始めた――何故かというに、この家来の人の「大した高い身分の人」と云った事を思い出し、自分の吟誦を聞きたいと所望された殿様は、第一流の大名に外ならぬと考えたからである」。
[に]魅されるはばか(される)と読む
■魅されるは、普通は「化かされる」と表記します。「人の心を迷わして正常な判断を狂わせること」だそうです。
□狸や狐、妖怪などが人を化かします。人間の中にも他人を化かすのを仕事にしている連中がいます。詐欺師たちですね。政治家は詐欺師の近縁種かと疑われています。有権者を化かすことに熱心だからかな。政治家は一般には詐欺師よりも狡猾です。捕まってもギリギリで塀の外側に逃れたりします。塀の中に落ちたのが田中角栄や鈴木宗男、外側に逃れたのが小沢一郎なのかな。最近話題のホリエモンは政治家にはなりそこねるし、実業家かと思ったら虚業家だったことが露見して塀の中に落ちました。
□「耳無芳一の話」では次のように使われていました。「『芳一さん!――芳一さん!』下男達は声をかけた『貴方は何かに魅(ばか)されているのだ!……芳一さん!』」。
[ほ]焦慮くはもが(く)と読む
■焦慮くは、ふつうは藻掻くと書きます。「もだえ苦しんで手足をやたらに動かすこと」ですね。藻掻くも焦慮くも当て字のようです。
□「焦」という漢字は常用漢字表では「ショウ、こげる、こがす、こがれる、あせる」というという音読み・訓読みがあります。漢和辞書「字通」でもほぼおなじです。「焦点」という熟語をつくります。「集める」という漢字に似ていますので、「(光が)集まる点」かと誤解していました。むしろ「(そこに物を置くと物が)焦げる点」なんですね。
□「耳無芳一の話」では次のように使われていました。「平家の人達は以前は今よりも遥かに焦慮(もが)いていた。夜、漕ぎ行く船のほとりに立ち顕れ、それを沈めようとし、また水泳する人をたえず待ち受けていては、それを引きずり込もうとするのである」。
◆参考*1:HP「図書カード:耳無芳一の話」(青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000258/card42927.html
◇*2HP「常用漢字表:文部科学省」
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19811001001/k19811001001.html
◇辞書「字通」白川静、平凡社
◇辞書「日本国語大辞典」小学館
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉
◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
『耳なし芳一』は外国人が描いたとは思えないほどの作品で、若い人で小泉八雲が外人だと知っている人は少ないでしょうね。
むかし、学生時代出雲に旅行したついでに、小泉八雲が暮らしていた家を見学しに行きました。
帰りの列車に乗り遅れそうになってタクシーで駅に向かったのを思い出しました。
焦りましたよ〜(^_^.)
ねこのひげ
2013/04/02 01:09
コメントをありがとうございます。

 小泉八雲の家は木造和風でなかなか風情のある建物のようですね。ついのんびり時間を過ごされたのでしょうか。列車に間に合ったのはなによりでした。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2013/04/02 10:56

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