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zoom RSS 城の石落(いしおとし)という防衛装置。実際には石を落とさなかったの?

<<   作成日時 : 2013/03/30 14:33   >>

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★歴史★
問題:鎌倉時代のいちばん末期。元徳(げんとく)3年(1331年)の赤坂城の戦い、翌年の千早城の戦いなどの籠城戦では、楠木正成(まさしげ)は鎌倉からの討伐軍を相手に奮闘します。わずか500人ともいわれる少ない手勢で、数万ともいわれる包囲軍を釘付けにします。そのうちに関東で新田義貞(よしさだ)らが挙兵し、鎌倉側は撤退を余儀なくされたようです。
■楠木正成は、城の上から煮え湯や煮え油、さらに大きな岩や丸太などを落とし、城に攻め登ってくる敵兵に大きな損傷を与えたといわれます。位置エネルギーや熱エネルギーを利用した防衛作戦ですね。
■煮え湯と煮え油は凄い。煮え油のほうがダメージが大きそうですけど、実際には煮え湯のほうが危ないらしい。参考資料*2によれば、水と石油では水のほうが倍以上の比熱容量があるとのこと。温度を1度Cあげるのに必要なエネルギーが水のほうが大きいようです。同様に、おなじ量の熱い液体を浴びたときには湯のほうがより大きなエネルギーをもらってしまうらしい。
■楠木正成の影響があったのかどうか。戦国時代の築城では石落(いしおとし)と呼ばれる穴、外部に通じる空間が装備されるようになったらしい。たとえば城の建物に出窓を設けます。その底は、とりはずせる厚い板などで覆われていたそうです。板をはずせば、石垣を登ってくる敵兵を上から眺めることになります。
■ところで、参考資料*3書籍「すぐわかる日本の城」では、石落から石を落として攻撃した武将はいないのではないかと推測しています。ではいったい石落と呼ばれる穴はなんのために使ったのでしょうか?
[い]石垣を登ってくる敵兵に糞尿・汚水などを浴びせた
[ろ]煮え湯や煮え油を浴びせた
[は]罵声を浴びせた
[に]鉄砲の弾を浴びせた
[ほ]いざというときに自分たちが出陣するための穴として使われた
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★歴史★
正解:[に]鉄砲の弾を浴びせた
説明:石落という名前です。素直に考えれば石垣を登ってくる敵の頭上めがけて石を落とすための穴かと思います。
■ところが石落は長さは半間(約90cm)〜2間(約3m60cm)ぐらい。幅は6〜7寸(約20cm)ほどの狭い隙間だそうです。石を落とすにしても、大きさが限られてしまいます。せいぜい漬け物石ぐらいかな。上から大きな岩が落ちてくると、攻撃側の恐怖は大きなものになります。でも漬け物石じゃねぇ。あまり恐くありません。劇的な効果はあげられないでしょう。
■参考資料*3によれば、「石落から石を落とす、あるいは煮え湯を敵にめがけて流しかけるなどというのは、江戸の軍学書が伝える誤った用法である」とのこと。石落は、通常の狭間(さま)からは攻撃できないほど、天守や櫓(やぐら)の下に近づいてしまった敵を鉄砲で狙撃することを目的に作られた、下方射撃用の狭間だそうです。
■ちなみに狭間というのは、天守や櫓、土塀などに開けられた攻撃用の穴のことだそうです。そこから矢を射ることもできましたし、戦国時代後半からはおもに鉄砲の銃眼として利用されたようです。20cmほどしかない石落の隙間は、敵の侵入を防ぐことを考慮したものらしい。ただでさえがっちりとした体格の男たちです。甲冑を身につけている者も多いでしょう。20cmの隙間はなかなか通過できないわけですね。
■石落は、天守や櫓では隅っこに設けられました。土塀の場合は、20〜30mおきに設けられたそうです。当時の鉄砲の射程距離、相手に傷を負わせることができる距離が約100mだったらしい。そのための配置だったようです。一般には石落から鉄砲を撃つときは、石垣に沿って斜めに向けて撃つらしい。
■石落には、戸袋型・袴腰型・出窓型の3種類があったそうです。どれも下方が開放されていることは同じ。江戸幕府は出窓型が好みで江戸城や名古屋城は出窓型にしているそうです。袴腰型は袴の裾のように外側に向けて開いた形になっているらしい。姫路城の乾小天守にあるそうです。戸袋型は松山城の野原櫓という建物にあるとのこと。
◆参考*1:HP「千早城の戦い - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E6%97%A9%E5%9F%8E%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84
◇*2HP「比熱容量の比較 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%94%E7%86%B1%E5%AE%B9%E9%87%8F%E3%81%AE%E6%AF%94%E8%BC%83
◇*3書籍「すぐわかる日本の城」初版104〜105頁、三浦正幸(まさゆき)監修、ISBN978-4-8087-0807-8、東京美術

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
煮え湯は良く飲まされていますが(笑)落石も嫌だわね〜。
ブータ
2013/03/30 20:33
漬物石程度でもいたそうというか、大怪我をしそうですけどね。

どこやらの国は戦闘態勢にはいたそうですが・・・・
どうするきなんでしょうね?
ねこのひげ
2013/03/31 03:46
コメントをありがとうございます。

 北朝鮮は戦闘態勢に入ったといいながら、中国に対しては、「朝鮮半島は平和です」と観光客を誘致していると報道されていました。
 ここまで露骨な二枚舌も珍しいですね。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2013/03/31 09:46
コメントをありがとうございます。

 熱い湯も熱い油も固い石もいやですね。人肌に温められた日本酒とか冷たいビールなどなら歓迎しますけれど。
(^^;)

 
ブータ様<素町人
2013/03/31 10:00
人肌の日本酒に、冷たいビール、いいですねぇ〜。
マイナス10℃のアイスクリームも付けてね。
すぐ戦乱、和合ね。f(^_^;
ブータ
2013/03/31 12:25
コメントをありがとうございます。

 満腹になったりホロ酔いになったりしたら、戦闘意欲は下がるんでしょうね。和平への道かな。
(^^;)

 
ブータ様<素町人
2013/03/31 18:35

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