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zoom RSS 松本零士がちばてつやに喰わせたヒトヨタケ。名前の由来は?

<<   作成日時 : 2013/02/01 08:29   >>

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★科学★
問題:松本零士(れいじ)の漫画に「男おいどん」というのがあります。下宿で暮らす貧しい若者たちの青春を描いた作品です。SF的要素もミステリーもなく、記憶によれば色恋沙汰すらたいしてなかったと思います。でもなんとなく心惹かれるお話でした。自分たちの暮らしぶりに似ているところがあったからかな。
■主人公はやたらと貧しいし、洗濯も満足にできません。押入に放り込んでおいた汚れたパンツからキノコが生えてきたという逸話があります。主人公はこれをサルマタケと呼んでいましたね。実話らしい。作者の若かりし頃の下着(パンツ、猿股)からキノコが生えたことがあるようです。仲間であるちばてつやに喰わせたというお話がWikipediaのヒトヨタケの項に記されていました。貧しかった漫画家たちが見たのは、ハラタケ目ナヨタケ科ヒトヨタケ属に属するキノコ、ヒトヨタケ、あるいはそれに近い種類だったようです(130201現在)。
■ところでヒトヨタケという名前はなんとなく妙な名前です。どんな由来があるのでしょうか?
[い]一晩だけカサが反転し、オチョコのようになるところから
[ろ]一晩で成長して胞子を落とすところまで大きくなるところから
[は]一晩でカサが溶けてなくなってしまうところから
[に]見た目がなんとなく哀れで人の世をあらわすような雰囲気から
[ほ]風が吹くと音が鳴り、人を呼んでいるような感じから人呼び茸だったのがヒトヨタケに変化した
(答えはずっと下↓ スクロールして下さい)

























★科学★
正解:[は]一晩でカサが溶けてなくなってしまうところから
説明:ヒトヨタケはなかなか不思議な変化を見せるキノコです。春から秋に広葉樹の枯れ木や埋もれ木に発生する腐生菌なんだそうです。腐生菌とはなかなか凄い名前です。生物の遺体などから栄養をとる菌だそうです。生命が消えてしまった抜けがら、有機物という存在が連中の栄養源らしい。
■傘は初め卵型だそうです。ヒトヨタケで写真を検索すると、細長い卵形のヒトヨタケをいくつか見ることができます。成熟するに従ってだんだん縁が反転していくそうです。
■カサの裏のひだは初め白色とのこと。胞子が成熟するにつれ、胞子自体の色により、黒色に変わっていくそうです。肉は白色であり、無味でややキノコ臭があるらしい。毒キノコではないようですね。もし毒だったら、「ちかいの魔球」も「あしたのジョー」も「のたり松太郎」もなかったのかな。
■完熟するとヒトヨタケは自己消化を始めるそうです。カサは一晩でほとんどなくなってしまうらしい。軸の根元には、無数の胞子を含む黒い液体が流れているとのこと。
■なぜこんなおかしなことをするのでしょうか。一般のきのこは、カサの裏側のひだの表面で胞子がつくられます。胞子はキノコの種のようなやつですね。ひだを縦に切ってみると楔形をしています。下に向かってひらいた空間ができているわけですね。胞子は下に落ちやすく、分散することができます。
■ヒトヨタケのひだの縦断面はなぜか平行なんだそうです。間隔が狭いのでしょうか。胞子はひだの途中に付着しやすい。胞子の分散の効率は悪くなってしまいます。
■ヒトヨタケは、ひだが溶けてできた黒い液と一緒に胞子を地面に流して分散させる方法を進化の過程で獲得したと考えらているらしい。ただし、青年の汚れたパンツにしみこんだ胞子は新しいヒトヨタケを生むことはできないかもしれません。いや、待てよ。「男おいどん」では、ヒトヨタケは1本だけではなかったな。たくさん生えていました。ということは、青年の押入で繁殖に成功したといえるのかもしれませんね。
◆参考*1:HP「ヒトヨタケ - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%82%B1
◇*2HP「男おいどん - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B7%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A9%E3%82%93
◇*3書籍「きのこの100不思議」初版10〜11頁、日本林業技術協会編、ISBN4-487-75485-2、東京書籍
◇*4HP「腐生菌 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%85%90%E7%94%9F%E8%8F%8C

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
『男おいどん』松本零士さんの作品の中では1番好きです。
ペーソスがあって泣けました。
あのころの若者の代表のような男で、女にもてなくて、金がなくて、縞柄のパンツが押入れに山のようにはいている。
たぶん松本零士さん自身のことなんでしょうな。
新宿の裏の日の当たらないアパートに住んでいたやつが言っておりましたが、1週間留守にしていたら、サルマタケがタタミから生えていたそうです。
ねこのひげ
2013/02/02 05:46
あ〜、これ、うちの庭に出た事がありましたが、
食べられたんですか…。

何だか判らなかったので、食べませんでした。

やはり、一夜か二夜?くらいで溶けていましたね。

何でそんな生態なんだろうね。
茸も謎だ。
ブータ
2013/02/02 06:11
コメントをありがとうございます。

 サルマタケが畳に生えたというのは怖いですね。翌日にはカサは消えて畳が黒く汚れていたのでしょうか。そういえば「男おいどん」の青年の押入れもやはり黒く汚れたのかな。

 素町人も洗濯が苦手で、きたない暮らしをしていましたが、サルマタケはついに目撃できませんでした。まだまだ修行がたらなかったようです。
(^^;)
ねこのひげ様<素町人
2013/02/02 08:45
コメントをありがとうございます。

 食べていいキノコは値段がついているものだけ…つまりお店で売っているものだけというお話があります。

 毒キノコは専門家ですら見誤ることがあると聞きます。サルマタケはたまたま無害らしい。でも、知らないキノコには絶対に手をつけないほうがいいようです。
(^^;) 
ブータ様<素町人
2013/02/02 09:47

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